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バーラッヒェン(Wallachen)

2024/10/5 赤桐

ドイツのバイエルン地方の古いトリックテイキングゲームです。 18世紀の終わりごろからプレイされていて、かっては非常に盛んでしてが、今はあまりプレイされていないようです。

ルールは英文Wikipediaに拠ります。

プレイヤー

3人。

カード

ドイツのバイエルン地方のカードを使ってプレイします。 スートはどんぐり(Eichel)E、木の葉(Gras)G、ハート(Herz)H、鈴(Schellen)Sになります。

各スートのカードは、強いものから順に、Ａ(エース/ザウ/Sau)、Ｋ(キング/ケーニヒ/König)、Ｏ(オーバー/Ober/クイーンに相当)、Ｕ(ウンター/Unter/ジャックに相当)、１０、９、８、７です。

切札の場合も、カードの強さの順序は変わりません。

普通のトランプを使うときは各スートの２〜６を除きます。

ディール

最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは、ディーラーは時計回りに交代します。

ディーラーはシャッフルしてから、右隣のプレイヤーがカットします。

ディーラーは、各プレイヤーに3枚ずつまとめて配り、次に4枚配り、最後に3枚配ります。 各プレイヤーの手札は10枚になります。

残った2枚のカードはスタルト(start)と呼ばれます。

ダブル

各プレイヤーは、ドップラー(Doppler) と呼ばれるトークンを1枚持ちます。

ディールで3枚目のカードが配られたとき、ディールを一時中断します。 このとき、各プレイヤーはドップラーをテーブルに出すことができます。

ドップラーが1枚テーブルに出たらプレイの得点が2倍になります。 2枚出ていたら4倍になります。 3枚なら8倍です。

ビッドの種類

ディールの次にビッドを行います。 ビッドのほとんどは、10トリックのうち何枚取るかの宣言です。 弱いビッドから順に、次のようになります。

  1. 6トリック：1人で6トリック取るという宣言。
  2. 7トリック：1人で7トリック取るという宣言。
  3. 8トリック：1人で8トリック取るという宣言。
  4. 9トリック：1人で9トリック取るという宣言。
  5. ベッテル(Bettel)：1トリックも取らないという宣言。
  6. モルド(Mord)：1人で10トリック（全トリック）取るという宣言。

ビッド

ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りにビッドします。プレイヤーは「プレイ(“Ich spiele”)」をビッドするかパス(“weiter”)をすることができます。 「プレイ」のビッドは、6トリックのビッドを意味します。

「プレイ」のビッドがあったら、それ以降のプレイヤーは、6トリックより高いランクのゲームなら何でもビッドできます。 ただし、いままでビッドされたゲームより高いランクのビッドでなければなりません。

実際のビッドは、勝ち抜き戦形式で行われます。

例えば、プレイヤーAが「プレイ」をビッドして、その後にプレイヤーBが「7トリック」をビッドした場合、すぐにプレイヤーAがそれに対してビッドを行います。

プレイヤーAがパスをすると、プレイヤーBがビッドに勝ち残ったことになります。

プレイヤーAが「ホールド(“Selber”/“Ich halte”)」と言うと、そのビッドの権利はプレイヤーAが得ることになります。 （ビッドの順の早いプレイヤーにビッドの優先権があります）。 これに対してプレイヤーBがパスをすると、プレイヤーAのビッドでの勝ち残りが決定します。 プレイヤーBは、それより高いランクのビッドを宣言して、プレイヤーAがパスをするかホールドするかを選ばせることもできます。

このようにして、どちらかがパスをするまで2人でビッドを続けます。

そのあと、まだビッドまたはパスをしていない3人目のプレイヤーがいたら同様にビッドの機会が与えられます。

このようにして、最後にビッドに勝ち残ったプレイヤーがデクレアラーとなります。

1人が「プレイ」をビッドして、その後のプレイヤーが全員パスをした場合には、もちろん「プレイ」をビッドしたプレイヤーがデクレアラーになります。

全員がパスをしたら、ディーラーの左隣のプレイヤーが「6トリック」でデクレアラーになります。

カード交換と再宣言

デクレアラーはスタルト(配り残りのカード)を手札に入れ2枚を裏向きに捨て札します。

デクレアラーは、そのあと、ビッドをベッテルかモルドに変更することができます。

コントラとレ

1トリック目のプレイが終了する前ならいつでも、デクレアラー以外のプレイヤーはだれでもコントラ(Kontra)を宣言してゲームの点数を2倍にすることができます。

コントラがあると、デクレアラーはレ(Re)を宣言して、ゲームの点数をさらに2倍にすることができます。

プレイ

デクレアラーが最初のリードを行い、トリックテイキングゲームのプレイを行います。

デクレアラーが最初にリードしたカードのスートが、切札のスートになります。

フォローの規則は次のようになります：

  1. リードされたスートと同じスートのカードがあれば、出さなければなりません。
  2. リードされたスートと同じスートのカードがなければ、切札を出さなければなりません。
  3. リードされたスートと同じスートのカードも切札もなければ、どのカードをプレイしてもかまいません。
  4. 上記のルールに従って、今までにプレイされたカードに勝つことができるカードがあれば、出さなければなりません。

得点

基礎になるゲーム点は次の通りです。

これに、ドップラーによるダブルとコントラとレによるものを2倍ずつしていきます。

ビッドに成功した場合は、そのゲーム点をデクレアラーが他のプレイヤーそれぞれからもらいます。 ビッドに成功した場合は、そのゲーム点をデクレアラーが他のプレイヤーそれぞれに支払います。

注

ベッテルとモルドの点数は英文Wikipediaには無かったので推測です。

2024年10月5日、なかよし村でプレイしました。

ルールは比較的単純ですが、ドップラーやレなどで何倍にもなるころがあり、面白く遊べました。

ベッテルを行うチャンスはかなりあるようですが、達成は難しいです。 ベッテルとモルドの点数は私が適当につけたのですが、このくらいでちょうど良いと思います。