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ホイスト(Whist)

2013/5/4 赤桐

ホイストは17世紀頃にはイギリスで子供の遊びとして知られていたようですが、 18世紀に入ってプレイの方法が進歩していき、社交クラブなどでの大人の遊びとしての地位が確立しました。 コントラクト・ブリッジが出現するまでの約150年間、ヨーロッパで最も盛んにプレイされたゲームでした。

ルールはDavid Parlett氏の“The Penguin Book of Card Games”によりました。イギリスの伝統的なルールです。 コンベンションは、Peter Arnold氏の“Card Games Chambers”によります。


プレイヤー

4人。向かい合った2人がパートナーになります。

カード

普通の52枚のトランプ。

スートの強さは、(強)10(弱)です。

ディール

最初のディーラー任意の方法で選びます。 次回からはディーラーは時計回りに交代します。

カードは1枚ずつ、各プレイヤーの手札が13枚になるように配ります。最後にディーラーに配られるカードは、表向きにされます。このスートが切札になります。このカードは、通常、ディーラーが最初のプレイをしたときに手札に戻されます。

プレイ

トリックテイキングゲームを行います。最初のリードはディーラーの左隣で、時計回りにプレイします。

プレイのルールはごく普通です。つまり:

  1. リードされたスートのカードがあれば、そのスートを出さなければなりません。
  2. なければ、どのカードを出してもかまいません。
  3. 切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ちます(トリックを取ります)。
  4. 切札が出ているた場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。
  5. 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。

得点

プレイが終了したら、各チームは2人のトリックの合計が6トリックを超える1トリックごとに1点を得点します(7トリックなら1点、8トリックなら2点など)。

また、1つのチームの配られた手札に切札のの全部のカードがあった場合は、4点を得点します。そのうちの3枚だけがあった場合は、2点を得点します。これらの得点をアナー(honour/honor)と呼びます。ただし、チームの累計点が4点ある場合には、アナーの得点はできません。

リボーク

プレイ中にリボークを行った場合、つまりリードされたスートのカードを持っているのに別のカードを出してしまった場合、1回につき、相手チームは3点を得ます。あるいは、リボークしたチームの得点を3点減らしてもかまいません。

ゲーム

プレイ後の得点計算で、累計点が5点以上になったチームがゲームの勝者となります。 相手の累計点が3点かそれ以上のときは1ゲーム点を得点します。 相手の累計点が1点か2点のときは2ゲーム点を得点します。 相手が1点も取っていないときは3ゲーム点を得点します。

1つのチームがゲームに達した時には、相手チームはそのときのアナーの得点はできません。

リボークの得点は、通常の得点やアナーの得点より先に数えるので、リボークでゲームに達したチームがいたら、相手チームも累計点が5点以上になるとしても、そのチームの勝ちになります(この場合相手チームの通常の得点は数えますが、アナーの得点は数えません)。

ラバー

先に2ゲーム勝ったチームが、ラバーに勝ったことになり、プレイはすべて終了します。

ラバーに勝ったチームは、2ゲーム点を得ることができます。今までのゲームで得たゲーム点とこのゲーム点を加えたものが各チームのゲーム点となります。勝ったチームがゲーム点の差額を受け取ります。


コンベンション

パートナーに自分の手札の情報を知らせるため、プレイのやり方を決めておくことがあります。 これをコンベンションと呼びます。 次の表は、あるスートを最初にリードする時と、2回目にリードする時に、どのカードを出すかのコンベンションの例です。 Peter Arnold氏によります。

切札

手札 最初のリード
A, K, Q, J J Q
A, K, Q Q K
A, K, x, x, x, x, x (,x….) K A
A, K, x, x, x, x 4番目に強いカード

切札以外

手札 最初のリード 2回目のリード
A, K, Q, J K J
A, K, Q K Q
A, K, x, (,x….) K A
A, K A K
K, Q, J, x K J
K, Q, J, x, x J K
K, Q, J, x, x, x, (,x…) J Q
A, x, x, x (,x…) A 残りで4番目に強いカード
K, Q, x (,x…) K 残りで4番目に強いカード
A, Q, J A Q
A, Q, J, x A Q
A, Q, J, x, x (,x…) A J
K, J, 10, 9 9 K (AかQが出ていたら)
Q, J, x Q
Q, J, x, x (,x…) 4番目に強いカード
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上記のカードがない場合

そのスートの4番目に強いカードをリードします。最も長いスートを選ぶべきです。


ホイストのバリエーション

ロングホイスト

1800年ごろまでよくプレイされていた古いルールです。5点ではなく10点でゲームになります。 ゲームになったとき相手の累計点が5未満なら2ゲーム点です。

あるいは、9点でゲームとすることもあります。

アメリカン・ホイスト

7点でゲームになります。アナーボーナスはありません。 ラバーは行わずゲーム単位で精算します。 負けたチームは勝ったチームに得点の差だけ支払いを行います。 ただし、公式ルールでは、支払いは7点から敗者の点数を引いたものになります。


2013年5月4日になかよし村でプレイしました。

コンベンションが結構難しかったですが、トリックテイキングゲームに慣れている人が多かったので、面白く遊べました。

ただ、トリックテイキングゲームの初心者には、面白さが分かりにくいゲームです。