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ファイブ・ハンドレッド
(Five Hundred)

1994/2/2 赤桐

 ファイブ・ハンドレッドは、20世紀の始めごろアメリカで生まれたゲームです。現在ではオーストラリアの国民ゲームとなっています。トリックテイキングゲームの一種です。

 日本でも、「ノートランプ」という名称で親しまれてきました。

 ユーカーを発展させたゲームと言えますが、シンプルなルールであるにもかかわらず面白いゲームです。

 アメリカとオーストラリアでは少しルールが違うのですが、ここではオーストラリアで行われているルールを中心に説明します。


プレイヤー

 3人。2人〜6人のゲームもありますが、後で説明します。

カード

 各 スート10ジョーカーの33枚のカード。

カードの強さ

  切札のスートでは、強いものから順に、ジョーカー(ベストバウアー)、(ライトバウアー=正ジャック)、切札と同色のスートの(レフトバウアー=裏ジャック)、10の順です。ジョーカーは常に切札です。レフトバウアーはマークで表示されているスートではなく切札のスートに属します。

 切札以外のスートでは、10の順です。

例としてハートが切札の場合を下に示します。

 切札(ハート)のスートのカードを強い順に並べると:

[jo][hj][dj][ha][hk][hq][h10][h9][h8][h7](ハート切札でプレイしている間は、Jは切札つまりハートとして扱われます)

 ダイアのカードを強い順に並べると:

[da][dk][dq][d10][d9][d8][d7]Jは切札になったのでハートの枚数が1枚減っています。)

 スペードのカードを強い順に並べると:

[sa][sk][sq][sj][s10][s9][s8][s7]

 クラブのカードを強い順に並べると:

[ca][ck][cq][cj][c10][c9][c8][c7]

ディール

 最初のディーラー任意のやり方で決めます。ディーラーは ディールごとに左隣のプレイヤーに移ります。

 ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、まずまとめて3枚ずつ各プレイヤーに配り、次にテーブル中央に裏向きに3枚を配ります。それから3枚ずつ各プレイヤーに配り、さらに4枚ずつ配ります。各プレイヤーの手札は10枚になります。

 テーブル中央に置かれた3枚のカードは「キティー(kitty)」と呼ばれます。

ビッド

 ディーラーの左隣から順に時計回りに、1人ずつ ビッドを行います。ビッドしたくない場合には、「パス」と宣言します。

 ビッドは切札にするスートと、自分が何 トリック取れるかを宣言していきます。例えば、スペードを切札にして7トリック以上取れると思ったら、「セブン・スペード」というようにビッドします。

 ビッドするトリック数は、最低6トリックです。最高は10トリックとなります。

 切札なしでプレイしたい場合には、「ノートランプ」とビッドします。例えば「シックス・ノートランプ」というようにです。

 誰かがパス以外のビッドを行ったら、それ以降のプレイヤーがビッドをするときには、それより強いビッドをしなければなりません。

 ビッドの強さは、トリック数の多いビッドのほうが少ないビッドよりも強く、同じトリック数ならば、(強)ノートランプ、ハート、ダイアモンド、クラブ、スペード(弱)の順になります。

 以上の他に、「ミゼール」とういうビッドと、「オープン・ミゼール」というビッドがあります。ミゼールはノートランプでプレイして1トリックも取らないことを目指します。オープンミゼールも同じことを目指しますが、デクレアラーの手札は公開されます。

 ミゼールのビッドの強さは、7トリックのビッドより強く、8トリックのビッドよりは弱くなります。オープンミゼールはすべてのビッドの中で最強です。

 一度パスをしたプレイヤーでもビッドに参加できます。プレイヤー2人が続けてパスをしたらビッドが終了します。

 最後にビッドしたプレイヤーは、プレイにおいて、1人でビッドしたトリック数以上を取ろうとします。他の2人はこれを妨害しようとします。最後にビッドしたプレイヤーを「デクレアラー」と呼びます

 全員がパスをした場合、ノートランプでのプレイを行います。各プレイヤーはできるだけ多くのトリックを取ることが目的になります。

交換

 デクレアラーは、プレイの前に、キティーの3枚を誰にも見せずに手札に加え、手札から3枚のカードを裏向きに捨てます。

プレイ

 オープンミゼールの場合は、最初のリードの前に、デクレアラーは自分の手札をテーブルに表向きに広げます。プレイは広げたまま行います。

 最初のリードはデクレアラーが行います。全員がパスをした場合のプレイの時には、ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。

 リードされたスートに対してはフォローの義務があります。フォローできないときには、どのカードをプレイしてもかまいません。

 ノートランプのゲームの場合にも、ジョーカーは1枚だけの切札のスートのカードとして、切札の役割をはたします。(つまり、ノートランプでもジョーカーをプレイすることができるのは、リードのときか、リードされたスートを持っていないときだけになります。ノートランプでジョーカーがリードされたら、他のプレイヤーはどのカードを出してもかまいません。)

得点

 デクレアラーはビッドしたトリック数以上を取ることができた場合、ビッドは成功となり、次の表に基づいて得点します。(ただし、もちろんミゼールのビッドの場合には1トリックも取らなかった時に限りビッドが成功します。)

[切札][トリック数]
10
スペード 40 140 240 340 440
クラブ 60 160 260 360 460
ダイアモンド 80 180 280 380 480
ハート 100 200 300 400 500
ノートランプ 120 220 320 420 520
ミゼール 250
オープン・ミゼール 520

 ビッドしたトリック数よりたくさんのトリックを取っても、追加の得点はありません。ただし、10トリック全部を取った場合で、ビッドの点数が250点より低かった場合に限り、ビッドの点数ではなく、250点を得点します。

 デクレアラーがビッドに失敗した場合には、上記のビッドの点数が、デクレアラーのマイナスの得点となります。

 デクレアラー以外のプレイヤーは、ビッドの成功失敗にかかわらず、自分の取った1トリックについて10点ずつ得点します。

 全員がパスした場合のプレイにおいても、各プレイヤーは自分の取った1トリックについて10点ずつ得点します。

ゲーム

 誰かの得点が500点以上になるか、マイナス500点以下になった場合、ゲームが終了します。

 得点が最も多いプレイヤーが勝者となります。


 2人、4人、5人、6人用のゲームを紹介します。いずれのゲームにおいても手札は10枚ずつとなり、残りがキティーとなります。

2人ゲーム

 各スートの10ジョーカーの25枚のカードを使用します。

 キティーは5枚になります。

4人ゲーム

 各スートの10とハートとダイアモンドのジョーカーの43枚のカードを使用します。

 向かい合った2人がパートナーになります。パートナーの取ったトリックは合計されます。パートナーは得点を共有します。

 デクレアラーだけがキティーと手札の交換をします。

 シリアスなプレイでは、ジョーカーなしの42枚でゲームが行われることがあります。この場合、キティーは2枚となります。

5人ゲーム

 通常の52枚のカードとジョーカーの53枚のカードを使います。

 ビッドが決まりキティーと手札の交換が行われたあと、デクレアラーは自分の持っていない(捨て札のなかにもない)切札以外のカードを指定します。このカードを持っているプレイヤーは、直ちに自分が持っていることをみんなに知らせます。このプレイヤーがデクレアラーのパートナーになります。

 デクレアラーとパートナーの取ったトリックは合計されます。その結果により、パートナーもデクレアラーと同じ得点(失点)を得ます。

 デクレアラーは、パートナーを指定せずに、自分1人でプレイすることもできます。

 別のルールとして、カードではなく、プレイヤーを指名するというルールもあります。

6人ゲーム

 特別のファイブ・ハンドレッド用の63枚のカードを使います。

 通常の52枚のほかに、各スートには「11」と「12」のカードがあります。さらに、ハートとダイアモンドには「13」のカードがあります。これらのカードの強さは、10のカードと絵札との間です。

 向かい合った2人ずつがパートナーになります。

 そのほかは、4人ゲームと同様です。

 なお、1人おきに座っている3人がチームを組んで、残りの3人と対戦するやりかたもあります。


 古いルールでは、次のような点がこのルールと違いました。

 アメリカの伝統的なルールは、次のような点で、このルールと違います。