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バウアーンシュトース(Bauernstoss)

2019/3/2 赤桐

ドイツのファルツ地方にあるアーフワイラー村でプレイされているゲームです。 シャーフコップの古い形の1つです。

ルールはPagat.comによります。


プレイヤー

4人。向かい合った2人がパートナーです。

カード

通常の52枚のカードから、各スートのを除いた、32枚のカードを使います。 現地でも、ドイツ固有のカードでなく、クラブ、スペード、ハート、ダイアモンドのスートを持つカードを使っています。

カード 点数
11点
10 10点
4点
3点
2点

これ以外のカードは0点です。

ジャックは必ず切札になります。切札のカードとその強さの順位は強いものから順に:

CSHD10Q

切札以外の各スートのカードと強さの順位は強いものから順に:

10   となります。

ディール

最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは、ディーラーは時計回りに交代します。

ディーラーはシャッフルしてから、右隣のプレイヤーがカットします。

ディーラーは、各プレイヤーに4枚ずつまとめて2回配ります。各プレイヤーの手札は全部で8枚になります。

ビッド

切札のスートを決めるプレイヤーを決定するため、 ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りに1巡だけビッドを行います。 ビッドしないでパスをすることもできます。

ビッドする時は、自分で切札のスートを仮に決めて、そのスートを切札にしたときの切札の枚数を宣言します。 ビッドする枚数は正確な枚数でなくてはなりません。 ビッドのときには、どのスートを切札にするかは言いません。

例えば、手札が、ジャック2枚、ジャック以外で、スペード3枚、ハート2枚、クラブ1枚、ダイアモンド0枚なら、 スペードを切札にするつもりで「5枚」とビッドしてもよいし、 ハートを切札にするつもりで「4枚」とビッドしてもかまいません。

最も多い枚数をビッドしたプレイヤーが、宣言した枚数のスートを切札として宣言し、プレイを行います。

あるいは、「ソロ」を宣言できます。ソロとはすべてのトリックを勝つというビッドです。 ソロのビッドがあると、ビッドはそこで終了します。

同数の時の再ビッド

ビッドされた最大枚数が同数のときには、その数をビッドしたプレイヤーの中で、 ディーラーの左隣に近いプレイヤーから時計回りの巡で、 ビッドのときに仮の切札に決めていたスートのなかで最も弱いカードのランクを宣言していきます。

ただし、すでに宣言しようとするランクと同じランクかそれ以上のランクが宣言されていたら、 宣言を行うことはできません。パスをします。

最も高いランクを宣言したプレイヤーが、切札を決めることになります。

ただし、同数のプレイヤーが同じチームの2人だけのときは、このようなビッドは行わず、 話し合いで、どちらのプレイヤーが切札を決めるかを決めます。 このとき、手の内容や切札に予定しているスートを知らせてはいけません。

ビッドの制限

切札の枚数を宣言できるのはジャックを1枚、2枚または3枚持っているプレイヤーだけです。 また、それまでに宣言された枚数より少ない枚数を宣言することもできません。

同じ枚数を宣言するときは「同じ(mit)」と言います。 同じ枚数を宣言で切るのは、同数の時の再ビッドを行ったときに、勝つ可能性がある場合に限ります。

たとえば、敵の1人が同じ枚数を宣言している時は、最も弱い切札が以上でなくてはなりません。 パートナーが同じ枚数を宣言し、そのあと敵の1人も同じ枚数を宣言していたら、以上でなくてはなりません。 パートナーだけが同じ枚数を宣言していたのならでもビッドできます。

ジャックを4枚持っているプレイヤーは、「ソロ」しかビッドできません。パスは可能です。

ジャックを1枚~3枚持っているプレイヤーは、自分の番までに誰もパス以外のビッドしていなければ、 必ず枚数またはソロのビッドをしなければなりません。

配りなおし

ジャックを4枚持っているプレイヤーがいて、ソロをビッドしなかったときだけ、全員パスになります。 このとき、プレイは行われず、次のディーラーが次回のディールを行います。

ソロ

ソロのビッドのときは、プレイの前に、スモール・ソロ(kleines Solo)かビッグ・ソロ(grosses Solo)かを決めます。 ただし、ジャックを4枚持っているプレイヤーは必ずビッグ・ソロにしなければなりません。

スモール・ソロの時は、ソロのプレイヤーが切札を決めたあと、手札から1枚を裏向きにパートナーに渡します。 パートナーはそのカードを見ないで、元の手札から1枚をパートナーに裏向きに渡します。 ただし、ソロのプレイヤーがジャックをパートナーに渡すときは、表向きにします。

ビッグ・ソロのときは、このような交換はありません。

ソロのプレイヤーのパートナーはプレイを行いません。 手札やパートナーから渡されたカードは、裏向きに置いておきます。

プレイ

ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。 ソロのプレイの時、ソロのプレイヤーのパートナーがディーラーの左隣なら、その左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。

トリックテイキングゲームのルールに従いますが、次の規則があります。

  1. リードされたスートのカードがあれば、そのスートを出します。
  2. リードされたスートのカードがなければ、切札を出さなければなりません。 (切札を出しても勝てないときや、パートナーが強いカードを出しているので切札を出したくないときでも、こうしなければなりません。)
  3. リードされたスートのカードも切札もなければ、どのカードを出してもかまいません。
  4. ジャックがプレイされているときは、今まで出ているジャックより強いジャックがあれば、出さなければなりません。 (パードナーが最も強いジャックを出しているときでも、それより強いジャックがあれば、出さなければなりません。) ただし、上記1~3の条件で、出せる場合に限ります。
  5. 切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。そうでないときは、リードされたスートの最強のカードを出したプレイヤーが勝ちます。
  6. 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。

なお、ジャックはそのカードに記されているスートではなく、切札のスートに属すことに注意して下さい。

得点

プレイが終わると、各チームは取ったカードの点数を合計します。 この点数を基にして、どちらか1つのチームがゲーム点を得点します。

どちらのチームが「チョーク(die Kreide)」を持っているかによって、得点の基準が変わります。 最初のディールでは、クラブのジャックを配られたチームがチョークを持つことになります。 (なお、切札を誰が決めたかは、得点には影響しません。)

チョークを持っているチームは、全点数120点のうちで42点かそれ以上取れば、1ゲーム点を得点し、次のディールでもチョークを持つことになります。 チョークを持っていないチームは、79点かそれ以上取れば(相手チームが41点以下なら)、 1ゲーム点を得点し、次のディールでチョークを持つことになります。

ただし、チョークを持っているかどうかに関わりなく、 91点かそれ以上取れば、シュナイダー(Schneider)となり、1点の代わりに2点を得点します。

また、全トリックを取れば、シュワルツ(Schwarz)となり、1点や2点の代わりに、3点を得点します。

リトル・ソロでは、全トリックを取ることに成功したら、8点を得点し、チョークを獲得します。 失敗したら、相手チームが8点を得点し、チョークを獲得します。

ビッグ・ソロでも同様ですが、得点は12点になります。

ゲーム

累計ゲーム点が先に20点に到達したチームの勝ちです。


2019年3月2日、なかよし村でプレイしました。

前回勝ったチームが得点が少なくても連勝できるというルールは、大貧民ゲームを連想させるような非条理さですが、 それがスパイスになっていて、面白く遊べました。