2006/5/7 赤桐
わりあい簡単な子供の遊びですが、David Parlett氏によればイタリアで1585年の記録に残っているということで、かなり古いゲームのようです。
単にフィッシュ(Fish)とも呼ばれます。同じようなゲームにオーサー(Authors)というのがありますが、それより少し易しいゲームです。
2人〜5人(6人でもプレイは可能)。
普通の52枚のトランプを使います。
最初のディーラーは任意のやり方で決めます。ディーラーはディールごとに左隣のプレイヤーに移ります。
ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、1枚ずつ5枚のカードを配ります。ただし、2人ゲームの場合は7枚配ります。
配り残りのカードはテーブル中央に裏向きに置きます。これが山札(Stock)となります。
プレイはディーラーの左隣のプレイヤーから始めて時計回りの順に行います。
自分の番のときに、プレイヤーは誰か1人のプレイヤーを指名して特定のランクのカードを要求します。例えば「高橋さん、7のカードをください」とか「木村さん、キングをください」というようにです。
ただし、このような要求をするためには、要求するランクのカードを少なくとも1枚自分で持っていなければなりません。上記の例だと、自分が7のカードを持っていたり、キングを持っていたりする必要があるわけです。
要求されたプレイヤーは、そのランクのカードを持っていたら、それを渡さなければなりません。2枚以上持っている場合は、全部渡さなければなりません。
要求してたランクのカードを手に入れることができた場合には、プレイヤーはさらに要求を続けることができます。同じプレイヤーに対して要求を行っても、別のプレイヤーに対して行ってもかまいません。要求が成功する限り、何度でも要求を繰り返すことができます。
もし、要求されたプレイヤーがそのランクのカードを1枚も持っていなかったら、そのプレイヤーは「ゴーフィッシュ」と答えます。要求したプレイヤーは山札の一番上のカードを1枚取らなければなりません(山札がなくなっていたら取りません)。この場合、プレイヤーの番は終わり、その左隣のプレイヤーの番となります。
同じランクの4枚の組のことをブック(book)と呼びます。プレイヤーは手札にブックがそろったらすぐにそれを表向きにテーブルに出さなければなりません。
山札がなくなったらプレイ終了です。ブックを最もたくさん作ったプレイヤーが勝ちになります。なお、山札がなくなる前に手札がなくなったプレイヤーはそれ以降プレイは行いません。
誰かの手札がなくなったら、そのプレイヤーの勝ちでプレイが終わるというルールもよくあります(このほうが普通かもしれません)。この場合、山札がなくなってもプレイが終了するとは限りませんが、山札がなくなってゴーフィッシュになった場合には、山札からは引きません。
すべてのカードがブックになるまでプレイを続けるというルールもあります。この場合にも、山札がなくなってゴーフィッシュになった場合には、山札からは引きません。
ゴーフィッシュと言われて山札から1枚引いたとき、そのカードが要求したランクのカードだった場合には、そのプレイヤーはまだ続けてプレイできるというルールもよくあります。
ゴーフィッシュと言われて山札から1枚引いたとき、そのカードが要求したランクのカードでなくても、それで手札に他のランクのブックができた場合には、そのプレイヤーはまだ続けてプレイできるというルールもあります。
ブック1つにつき1点というように点数をつけることもあります。何ディールか行って先に決められた点数(10点など)に累計点が達したプレイヤーの勝ちとすることもあります。
要求のときランクを指定するだけではなくスートも指定しなければならないルールももあります。例えば「ハートの4」というようにです。このルールを採用するとき、要求されたプレイヤーが要求されたカードを持っていなければ、ゴーフィッシュになったあと、要求されたプレイヤーの番になるというルールも採用されることが多いようです。
David Parlett氏の"Oxford A-Z Of Card Games"では注6のルールに加え、カードを要求したプレイヤーがカードを受け取ったとき、代わりに手札から1枚のカードを要求されたプレイヤーに渡すというルールがあります。しかし、このルールでなかよし村でプレイしてみましたが、例えば手札が7のカード2枚だけだった場合、他の7のカードを要求して受け取ることができても、手札から7のカードを相手に渡さなければならないので、いつまでたってもブックがそろわないというような事が起きることが分かりました。