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ハーゼンプフェファ(Hasenpfeffer)

2006/1/7 赤桐

 英語の伝統的なルールブックに時々紹介されているゲームです。ユーカーの系統のゲームのようですが、由緒はあまり明らかでありません。

 ビッドを行うトリックテイキングゲームです。ハーゼンプフェファという名前はドイツ語でウサギのシチューのことです。


人数

 4人。向かい合った2人がパートナーになります。

カード

 各スート10ジョーカーを1枚加えた25枚のカードを使用します。ジョーカーの代わりにCなどを使ってもかまいません。

カードの強さ

 切札のスートではカードの強さは次のようになります。ジョーカーは必ず切札のスートの一員となります:

   (強)ジョーカー、J(ライトバウアー=正ジャック)、切札と同色のスートの(レフトバウアー=裏ジャック)、10(弱)。(レフトバウアーはマークで表示されているスートではなく切札のスートに属します。)

 切札以外のスートでは次のようになります:

   (強)A10(弱)

ディール

 カットして上位の2枚を引いたプレイヤーがパートナーになり、残りの2人もパートナーになります。

 最も上位のカードを引いたプレイヤーが最初のディーラーになります。最初の ディーラーディール ごとに左隣のプレイヤーに移ります。

 ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、3枚ずつまとめて各プレイヤーに6枚のカードを配ります。残った1枚はテーブル中央に裏向きに置きます。このカードはプレイ終了まで裏向きのままです。

ビッド

 ディーラーの左隣から時計回りの順に1人ずつビッドを行います。ビッドの機会は1回だけです。ビッドしたくないときにはパスをします。

 最初にビッドするプレイヤーは、自分のチームが取れると考えるトリック数に基づいて、1から6までのどの数でもビッドできます。それ以降のプレイヤーはそれまでのビッドより大きい数しかビッドできません。

 パス以外のビッドを行った最後のプレイヤーがデクレアラーになります。

 全員がパスならば、ジョーカーを持っているプレイヤーが「3」のビッドをしてデクレアラーにならなければなりません。誰もジョーカーを持っていなければ、同じディーラーが新たなカードを配ります。

プレイ

 デクレアラーが切札スートを決めます。最初のリードもデクレアラーが行います。プレイは時計回りです。

 通常のトリックテイキングゲームのルールに従ってプレイします。つまり:

  1. リードされたスートのカードがあれば、そのスートを出します。
  2. なければ、どのカードを出してもかまいません。
  3. 切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ちます(トリックを取ります)。
  4. 切札が出ているた場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。
  5. 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。

得点

 デクレアラーのチームがビッドした数以上のトリック数を取った場合は、取ったトリック数が得点となります。ビッドした数のトリック数を取れなかった場合は、ビッドした数が失点(マイナス点)となります。失点の結果、累計点がマイナスの点数になることもあります。

 デクレアラーの相手方のチームは、取ったトリックの数がそのまま得点となります。

ゲーム

 ディールが終わって、どちらかのチームの累計点が10点以上になっていたらゲーム終了です。累計点の大きいチームの勝ちになります。


注1

 デクレアラーの相手方のチームには得失点がないというルールもあります。

注2

 David Parlet氏によれば、切札のスートでも強さの順位がジョーカーA10になるというルールもあるということです(切札と同色のスートのは切札ではありません)。

注3

 Hubert Philips氏は著書"The Pan Book of Card Games"で「ブリッジやホイストよりは軽いが、技術の要素の含まれる」としてこのゲームを推薦しています。しかし、これに記されているルールはかなり独特のもので、本文は次の点が異なります:

 1.切札のスートの強さの順位はジョーカーA10となります。切札と同色のスートのは切札ではありません。

 2.デクレアラーのチームがビッドした数のトリック数を取れなかった場合は、ビッドした数から取ったトリック数を引いたものが失点(マイナス点)となります。

 3.デクレアラーの相手方のチームには得失点はありません。


 2006年1月7日になかよし村でプレイしました。Hubert Philips氏のルールで行いました。このルールだとビッドに失敗したときの失点が少なくビッドしないと点が取れないのでオーバービッド気味になるはずですが、それほど無茶なビッドもなく、面白くプレイできました。ルールが簡単な割には技術の必要な良いゲームという印象でした。