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スピッツァー(Spitzer)

2011/6/4 赤桐

米国ミシガン州北東部でプレイされているゲームです。

ルールはhttp://www.pagat.com/によりました。


プレイヤー

4人。決まったパートナーはありません。

カード

スートを除いた32枚のトランプを使います。

次のカードが必ず切札になります。強いものから順に:

 C(ビッグクイーン)、D(スピッツァー)、S(リトルクイーン)、 HDCSHDDD10DDD

他のスート(フェイル=fail=独Fehlfarbeと呼ばれます)の強さの順位は強いものから:

 10  です。

各カードには次のような点数があります。

カード 点数
11点
10 10点
4点
4点
2点

これ以外のカードは0点です。

全部のカードの点数の合計は120点になります。

ディール

最初のディーラー任意の方法で決めます。 次回からは、時計回りに交代します。

ディーラーは、左隣のプレイヤーから時計回りに、まず3枚ずつまとめて配り、次に2枚ずつまとめて配り、最後に3枚ずつまとめて配ります。 つまり、各プレイヤーに8枚ずつ、全部のカードを配ることになります。

パートナー

C(ビッグクイーン)を持っているプレイヤーとS(リトルクイーン)を持っているプレイヤーがパートナーになります。 残りの2人もパートナーになります。

もし1人のプレイヤーがこの2枚のカードを両方持っていたら、宣言によってパートナーを決めるか、1人で3人を相手にプレイするか、どちらかを選択できます。

宣言なしで1人でプレイすることをスチーラー(Stealer,Stiller,Sneaker=独stiller Solo)と呼びます。

パートナーかどうか(パートナーとなるカードを持っていたりいなかったりすること)は、カードがプレイされて明らかになるまでは口にすることはできません。

宣言

ディールが終わると、ディーラーの左隣から時計回りの順に、プレイヤーは宣言を行うことができます。一周するか誰かが宣言を行えば、宣言は終了します。宣言には3種類あります。

1.パートナー指名

CSの両方のカードを持っているプレイヤーだけがこの宣言を行うことができます。

(1)エース指定: 切札以外のA(エース)のうちの1枚を指定します。例えば「ハートのA」というように宣言します。このカードを持っているプレイヤーがパートナーになります。この宣言を行うためには、宣言するAを持っていないことと、そのAのスートのカードを1枚以上持っていることが必要になります。

ただし、どのスートについてもこのような宣言が不可能な場合には、1枚も持っていないスートのAを指定することができます(切札以外)。

(2)最初の勝者指定: 上記が不可能な場合、つまり切札以外のすべてのAを持っている場合には、自分以外で最初にトリックを取ったプレイヤーをパートナーにすることを宣言することができます。

2.ゾラ(Zola=独Solo)

1人で3人を相手にプレイするという宣言です。CSを持っていなくても宣言できます。この宣言があるとCSによるパートナーは無効になります。

(1)ゾラ(Zola): 通常の1人プレイです。つまり、1人で60点より多くの点数を取ることを目指します。

(2)ゾラ・シュナイダー(Zola Schneider): 1人で90点以上の点数を取ることを目指します。

(3)ゾラ・シュナイダー・シュバルツ(Zola Schneider Schwartz): 1人で全トリックを取ることを目指します。

3.シュナイダー宣言(Schneider)

だれでも宣言できます(CSを持っていないプレイヤーが宣言してもかまいません)。パートナーと2人で90点以上の点数を取ることを目指します。

プレイ

ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行って、 トリックテイキングゲームのプレイを行います。 プレイの順序は時計回りです。

通常通り、切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ち、プレイされたカードを取ります。切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。

取ったカードは裏向けにして、各プレイヤーごとにまとめて置きます。

勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。どのカードをリードしてもかまいません。

フォローのルールは次の通りです:

  1. リードされたスートのカードがあれば、そのスートを出します。
  2. リードされたスートがなければ、切札を出します。
  3. リードされたスートも切札もない場合には、どのカードを出してもかまいません。

次のことにご注意ください。

パートナーがで指定された場合、そのスートが最初にリードされたとき、 持っているプレイヤーは必ず指定されたをプレイしなければなりません。 また、他のスートがリードされてそのスートを持っていない場合に、指定されたを出すこと(捨て札すること)はできません。

指定されたを持っているプレイヤーがリードする場合には、指定されたのスートの他のカードをプレイしてもかまいません。 このように指定のスートの他のカードをリードした場合には、そのあと、必ずをプレイしなければならないという制約はなくなり、 捨て札することも可能になります。

得点

各パートナーは2人の取ったカードの点数を合計します。

プレイの種類と、CSのパートナーまたはゾラやシュナイダーを宣言したプレイヤー(パートナー)の点数(トリック数)により、次のような得点になります。

プレイの種類 0トリック 0点〜30点 31点〜60点 61点〜89点 90点〜120点 全トリック
パートナー戦 - -9 -6 +3 +6 +9
シュナイダー宣言つき
パートナー戦
(-18) (-15) -12 -9 +9 +12
宣言なしの1人プレイ - -9 -6 +9 +12 +15
ゾラ -15 -12 -9 +18 +27 +36
ゾラ・シュナイダー (-42) (-36) -24 -18 +36 +39
ゾラ・シュナイダー・
シュバルツ
(-42) (-42) (-39) -33 -27 +42

点数がプラスの時には、その点数がCSのパートナーまたは宣言したプレイヤー(パートナー)それぞれの得点となります。相手チームは無得点です。

点数がマイナスの時には、CSのパートナーまたは宣言したプレイヤー(パートナー)の相手チームのそれぞれが、それ(プラスにしたもの)を得点します。

表にあるように、どちらも60点の場合には、CSのパートナーでないほうが得点することになります。

31点以上得点することをブラシ(brush)を呼びます。ブラシを取れないと相手の得点が大きくなります。1トリックも取れなければ、もっと相手の得点が大きくなります。

なお、表でカッコしてある点数は、(ほぼ)あり得ない場合の点数です。

ゲーム

ディールが終わって得点計算した結果、だれかの得点合計が42点に達していたら、ゲーム終了です。 最も得点合計の高いプレイヤーが勝者になります。 勝者は、他の各プレイヤーから、予め決めていた定額と勝者とそのプレイヤーの得点の差による額の合計を受け取ることができます。

もし、最も得点合計の高いプレイヤーが2人以上同点でいたら、単独でトップになるプレイヤーがでるまでプレイを続けます。


2011年6月4日になかよし村でプレイしました。 ドッペルコップと同じようなゲームですが、十分楽しめました。