2012/2/4 赤桐
インドのケーララ地方南部でプレイされているトリックテイキングゲームです。同じ地方でプレイされているフィフティー・シックスというゲームと似ていますが、使用カードが違うだけでなく、ルールも少し違います。
ルールはJohn McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によります。
4人、向かいあった2人がパートナーになります。(3人ゲーム、6人ゲームもあります)。
トランプ1組のうち、各スートのA、K、Q、J、10、9、8、7のカードを使います。32枚となります。
各スートのカードの強さのランクと点数は次のようになります(Jが最強)。切札でもそれ以外のスートでも変わりません。
ランク | J | 9 | A | 10 | K | Q | 8 | 7 |
点数 | 3 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 |
点数は全部で28点になります。
最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からのディーラーは、反時計回りに交代します。
ディーラーは、右隣のプレイヤーから反時計回りに、1枚ずつ、4枚のカードを配ります。
4枚のカードが配られたら、ディーラーの右隣のプレイヤーから反時計回りの順に ビッドを行います。
ビッドはチームで取るつもりの点数とを宣言します。宣言したくなければパスを行います。ただし、最初にビッドするディーラーの右隣のプレイヤーは、必ず14かそれ以上をビッドしなければならず、パスはできません。
最初のビッドの後は、最後にビッドされた点数より高い点数のビッドしかできません。
1度パスをしても、またビッドに参加することもできます。パートナーが最後にビッドして、次のプレイヤーがパスをした場合でも、パートナーのビッドより高い点数でビッドすることもできます。ただし、この場合には、20かそれ以上のビッドでなければなりません。
誰かがビッドした後、他のプレイヤー全員が続けてパスをしたらビッドは終了します。最後にビッドしたプレイヤーがビッダーになります。
ビッダーは自分の4枚の手札のうち1枚を裏向きに自分の前に置きます。このカードのスートが後で切札のスートになります。
ディーラーは、再び、配り残りのカードから各プレイヤーに4枚のカードを1枚ずつ配ります。
再ディールの後、ビッダーまたはそのパートナーは、ビッドの点数を増やすことができます。ただし、増やすときには24かそれ以上にしなければなりません。増やすことができるのは、ビッダーまたはそのパートナーのうち先に発言した1人だけです。
このゲームはトリックテイキングゲームです。最初にリードするのはディーラーの右隣のプレイヤーで、反時計回りにプレイは進行します。
プレイのルールは次のようになります:
ビッダーが裏向きに出したカード(切札決めカード)が表向きにされて全員に見せられないうちは、切札なしでプレイが行われます(切札カードのスートのカードを出しても強くありません)。切札決めカードが公開されたら、そのカードのスートが切札になります。切札決めカードが公開される前には次の特別なルールが適用されます。
ビッダーは、切札決めカードが自分の手札ではないものとしてプレイします。
ビッダーは、他のスートのカードを持っていない場合を除いて、切札決めカードのスートのカード(つまり後で切札になるスートのカード)をリードすることはできません。
リードされたスートが手札にない場合、各プレイヤーは次のいずれかの行動をとることができます。
なお、切札決めカードが公開された場合、そのトリックで、公開される前にプレイされたカードに切札があった場合には、それが勝つこともあります。
最後のトリックまで切札決めカードが公開されないときは、最後のトリックで、ビッダーの番のときに、切札は公開されます。
プレイが終わると、ビッダーチームは取ったトリックの点数を合計します。合計点がビッドした点数以上ならば、ビッドは成功になり、そうでなければ失敗となります。
ゲーム点はビッドした点数により決まります。ビッダーチームがそれ以上の点数を取っても追加のゲーム点はありません。
ビッド | 成功時のゲーム点 | 失敗時のゲーム点 |
~19 | 1 | 2 |
20~24 | 2 | 3 |
25~28 | 3 | 4 |
ビッダーチームが成功した場合は、ビッダーチームが上記の成功時のゲーム点を得点します。 相手チームの得点はありません。
ビッダーチームが失敗した場合は、相手チームが上記の失敗時のゲーム点を得点します。ビッダーチームの得点はありません。
ゲームの終了条件は特に決まっていません。
片方のチームが全トリック取った時、普通に計算した点数の2倍の点数を得ることができるというルールです。
コットになりそうなとき、プレイの途中で相手チームは降伏を申し出ることができます。降伏を受け入れた時には普通の点数の計算になります。降伏を受け入れない場合、全トリック取ったら普通の2倍のゲーム点を得ますが、全トリック取れないときにはプレイに失敗したことになり、普通のゲーム点の2倍を相手チームが得ます。
カードが全部配られたとき、ビッダーは「ザニ」を宣言できるというルールです。これは、パートナーがプレイしないで、全トリックを取るという宣言です。ビッダーが最初のリードを行います。
成功すればビッダーチームが4ゲーム点を得、失敗したら相手チームが5ゲーム点を得ます。