トップに戻る

ブラックマリア[ハートの英国ルール]
(Black Maria)

1997/12/22 赤桐

 ここで紹介するブラックマリアは、ハートの一種で、英国でプレイされているものです。ハート[米国ルール]の紹介の注1で少し古いルールとして紹介したものと似ていますが、罰点のカードが多くなっています。また、米国のハートは4人でプレイすることが多いですが、このゲームは3人でするのが主になっています。

 このルールは主に1953年初版のHubert Phillips氏の"The Pan Book of Card Games"に基づいています。この本によって英国でこのルールが広まったのかもしれません。現在このルールが最も一般的かどうかは分からないのですが、最近の書物にも同じルールが載せられています。


プレイヤー

 3人〜7人。まず3人用ゲームを紹介します。

カード

 普通の52枚のカードからCを除いた51枚のカードを使います。

 各スートのカードの強さの順位は(強)10(弱)です。

ディール

 最初のディーラー任意に決めます。次回からは時計回りに交替します。

 各プレイヤーに1枚ずつ17枚のカードを配ります

パス

 カードが配られたら、各プレイヤーは、自分の手札から3枚のカードを選んで、右隣のプレイヤーに裏向きで渡します。これをパス(pass)と言います。自分のカードを渡す前に、受け取るカードの中身を見てはいけません。

プレイ

 パスが終わるとトリックテイキングゲームのプレイが始まります。

 最初にリードするのは、ディーラーの左隣のプレイヤーで、自由にどのカードでもリードできます。

 それ以降は通常のトリックテイキングゲームのルールに従います。 切札はありません。つまり次のようになります:

  1. リードされたスートのカードがあれば、そのうちの1枚を出します。なければどれでも1枚を出します。
  2. リードされたスートのうち、最も強いカードを出したプレイヤーがそのトリックを取ります(そのトリックに勝ちます)。
  3. トリックに勝ったプレイヤーが手札から自由に1枚を出して、次のトリックのリードを行います。

得点

 トリックで取ったカードについて、次の罰点がつきます。

ハートの各カード1点
[SA] スペードのエース7点
[SK] スペードのキング10点
[SQ] スペードのクイーン13点

 (Sをブラックマリアと呼びます)

 全部の罰点の合計は43点です。

ゲーム

 ゲームの終了条件は特に決っていません。何ディール行うか決めておくか、誰かがの累計点が何点か(例えば100点)になると終わるかを決めておけばよいでしょう。

 罰点の累計点の最も少ないプレイヤーが勝者となります。


4人ゲーム〜7人ゲーム

 52枚の普通のカードから、次のカードを除きます。配るときには残りの全部のカードを均等に配ります。

4人ゲーム除くカードなし
5人ゲームCD
6人ゲームCDSC
7人ゲームCDS

 あとは3人ゲームと同じようにプレイします。


注1

 罰点を各H1点とSの13点のみとすることもあります。これが元来のルールです。やはりブラックマリアと呼びます。

注2

 罰点を次のようにすることもあります。

H5点
H4点
H3点
H2点
それ以外のハートの各カード1点
S13点

 罰点の合計は36点になります。

注3

 パスを右にではなく左にすることもあります。

 また、Sをパスしてはいけないとか、Sもパスしてはいけないとか、さらにハートの全カードもパスしてはいけないとかいうルールもあります。

注4

 最初の2トリックにハートをリードしてはいけないとすることもあります。

注5

 1人のプレイヤーがすべての罰点のカードを取った場合、そのカードの罰点はなくなり、逆にマイナス43点の罰点(つまり43点罰点が減る)となる、というルールもあります。