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ボーナケン(Boonaken)

2005/5/7 赤桐

 オランダでプレイされているゲームです。トリックテイキングゲームでヤスという種類のゲームの1つです。その中でも軽いゲームです。

 ルールはhttp://www.pagat.comによりました。


人数

 3人〜5人。4人、5人が最も面白いようです。

カード

 トランプの各スート10の32枚を使います。

カードのランクと点数

 各スートのカードの強さの順と点数は次のようになります。強さは左へいくほど強くなります。切札とそうでないスートでは強さの順も点数も違います。

切札の場合 強さの順 10
点数 20 14 11 3 2 10 0 0
切札以外 強さの順 10
点数 11 3 2 1 10 0 0 0

 カードの点数の合計は141点です。(他のヤスのゲームと違って、最後のトリックを取っても追加点は与えられません。)

ロエム(Roem=手役)

 各プレイヤーの手札の中に次のような組み合わせがあれば、点数になることがあります。これをロエムと呼びます。

3枚のシークエンス
20点
4枚のシークエンス
50点
5枚のシークエンス
100点
6枚のシークエンス
200点
ジャック4枚
200点
クイーン4枚
100点
キング4枚
100点
エース4枚
100点
切札のキングとクイーン(スツック=Stuk)
20点

 シークエンスとは同じスートの続き札です。例えば、SKSQSS10が手札にあればシークエンスになります。シークエンスを判定するときには、カードのランクは切札の場合でも10の順の並びになります。

 同じカードを2つ以上のシークセンスで使うことはできません。例えば、S10S10SSのシークエンスとSQSJS10のシークエンスに使うことはできません。しかし、シークエンスと同位札4枚とスツックに使うことはできます。例えば、切札のKQJがあれば3枚のシークエンスだけではなくスツックにもなります。さらに他のスートのQ3枚もあれば、クイーン4枚にもなります。

ディール

 最初のディーラー任意のやり方で決めます。ディーラーはディールごとに左隣のプレイヤーに移ります。

 ディーラーがシャッフルして右隣のプレイヤーがカットします

 ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、まとめて3枚ずつ各プレイヤーにカードを2回配ります。各プレイヤーの手札は6枚になります。

 テーブル中央にも何枚かカードを配りますが、プレイ人数により次のようになります。

 5人の場合: 各プレイヤーに3枚ずつカードを配った後、2枚のカードをテーブル中央に表向きに配ります。次に各プレイヤーに3枚ずつカードを配ります。

 2人〜4人の場合: 各プレイヤーに3枚ずつカードを配った後、2枚のカードをテーブル中央に裏向きに配ります。次に各プレイヤーに3枚ずつカードを配った後、2枚のカードをテーブル中央に表向きに配ります。残ったカード(4人では4枚、3人では10枚、2人では16枚)はこのハンドが終わるまで脇に置いておきます。

ビッド

 ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、 ビッドを行います。ビッドには次の種類があります。

【数字ビッド】

 5の倍数の数字をビッドします。トリックで取った点数とロエムの点数を合計して、その数以上の点数を取るという宣言になります。ビッドに成功したら、切札のスートを決めることができます。数が大きいほど強いビッドになります。

【ミゼール(Misere)】

 全トリックを負けるという宣言です。切札はありません。「70」の数字ビッドと「75」の数字ビッドの間の強さのビッドです。

【ズワベル(Zwabber)】

 全トリックを勝つという宣言です。切札はありません。「100」の数字ビッドと「105」の数字ビッドの間の強さのビッドです。

【ボーナーク(Boonaak)】

 全トリックを勝つという宣言です。ビッドに成功したら切札のスートを決めることができます(切札なしにはできません)。すべてのビッドの中で最も強いビッドです。

ビッドのやりかた

 自分の番のとき、数字またはミゼール、ズワベル、ボーナークのいずれかをビッドするか、パスをするかします。誰かがビッドした場合には、それより強いビッドを行うか、パスをするかになります。

 一度パスをしたら、後でビッドに参加することはできません。1人を除く全員がパスをしたら、パスをしていないプレイヤーがデクレアラーになります。

 全員がパスをした場合には、配りなおしとなりますが、実際にはこれは起きることはないでしょう。なぜなら、数字のビッドはどんなに低いビッドでも(5点から)できるからです。

ミゼールのビッドについて

 誰かがミゼールをビッドして、それより強いビッドがされていない場合には、他の(パスをしていない)プレイヤーもミゼールをビッドすることができます。2人がミゼールをビッドした場合には、他のプレイヤーはミゼール以外をビッドすることができなくなります。この場合、ミゼールをビッドした全員がデクレアラーになります。それぞれが、1トリックも取らないようにプレイすることになります。

 ミゼールを1人がビッドしただけの場合には、他のプレイヤーはそれより強いビッドをすることができます。この場合には、ミゼールをビッドしたプレイヤーはもうミゼールのデクレアラーになることはできません。

ボーナークのビッドについて

 ロエム付きのボーナークのビッドというものもあります。例えば「ボーナーク50」というように宣言します。これは50点のロエムの点数を得て、ボーナークをプレイするという意味です。ロエムなしのボーナークのビッドより、ロエム付きのボーナークのビッドのほうが強いビッドになります。ロエム付きのボーナークのビッドどうしでは、数字(ロエムの点数)の大きいほうが強いビッドとなります。

カードの交換

 ビッドが終わると、デクレアラーはまずテーブル中央に2枚または4枚配られているカードを手札に加えて、同じ数のカードを裏向きに捨て札します。テーブル中央から取ってきたカードを含め、どのカードを捨て札してもかまいません。

 捨て札したカードは、デクレアラーの取ったカードとして扱われることはありません。

 2人以上がミゼールのデクレアラーになった場合は、最初にミゼールのビッドをしたプレイヤーがテーブル中央のカードを全部取って捨て札します。そのあと、2番目にミゼールをビッドしたプレイヤーがその捨て札を手札に加えて同数を捨て札します。このようにビッドの順番にデクレアラー全員がカードの交換をします。

プレイ

 切札のあるゲームでは、デクレアラーがどのスートを切札にするかを宣言します。

 デクレアラーが最初の リード を行って、 トリックテイキングゲーム のプレイを行います。プレイの順序は時計回りです。

 デクレアラーはどのスートを切札にするかを宣言しないで最初のリードを行うこともできます。この場合には、最初にリードされたカードのスートが切札になります。

 数字のビッドやロエム付きのボーナークの場合には、デクレアラーは最初のリードを行うときに自分のロエムの点数を宣言することができます。ロエムの点数の合計を言うだけで良く、種類などを言う必要はありません。もちろん実際のロエムの点数より多く宣言することはできません。また、実際の点数のほうが多くても、宣言した点数しか点になりません。なお、カードの交換のときに捨て札したカードはロームの一部にはなりません。

 プレイは、通常通り、切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ち、プレイされたカードを取ります。切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。どのカードをリードしてもかまいません。

 切札がリードされたときのフォローの規則は次の通りです。

  1. 切札を持っていれば、切札を出します。どの切札を出してもかまいません。
  2. 切札を持っていない場合、どのカードを出してもかまいません。
  3. ただし、そのときに持っている切札がジャック1枚だけである場合には、切札ジャックを出しても、他のどのカードを出してもかまいません。

 切札以外がリードされた場合は次のようになります。

  1. リードされたスートを持ってる場合には、リードされたスートのカードか切札を出さなければなりません。(リードされたスートを持っていても切札を出すことができるわけです。)
  2. リードされたスートがない場合には、どのカードを出してもかまいません。

 結局、切札はいつでもプレイできると言うことです。

 ミゼールやズワベルのビッドで、切札がない場合は次のようになります。

  1. リードされたスートを持ってる場合には、リードされたスートのカードを出さなければなりません。
  2. リードされたスートがない場合には、どのカードを出してもかまいません。

プレイの成功/失敗

 数字のビッドの場合、デクレアラーは、取ったカードの点数の合計とロエムの点数を合わせたものが、ビッドした点数以上ならば、プレイは成功となります。それより少なければ失敗です。

 ミゼールのビッドの場合、ミゼールのビッドをした各デクレアラーは、自分が1トリックもとっていなければプレイ成功、1トリックでも取っていたら失敗となります。

 ズワベルやボーナークのビッドの場合には、デクレアラーは、全トリックを取っていれば成功となり、そうでなければ(たとえ全点数を取っていても)失敗となります。

 ただし、ロエム付きのボーナークのビッドの場合には、全トリック取るだけでなく、ロエムの点数がビッドしたロエムの点数でなければ成功とはなりません。

 デクレアラーが成功した場合、デクレアラーの得点欄に+(プラス)の記号を書き入れます。失敗した場合には、デクレアラーの得点欄に−(マイナス)の記号を書き入れます。

 デクレアラー以外のプレイヤーは得点欄に何も書き入れません。

ゲーム

 このゲームは1人(またはそれ以上)の敗者だけを決めるゲームです。敗者が決まるまで何ディールかプレイを続けます。敗者は普通、他のプレイヤーのために飲み物を買います。

 得点欄に−(マイナス)が2つ書き入れられたプレイヤーが敗者になります。(普通は1人ですが、ミゼールで複数のプレイヤーがデクレアラーになった場合には、2人以上が敗者になる可能性もあります)。ゲームは終了します。

 このような敗者がいない場合、得点欄に+(プラス)の記号が2つ書き入れられたプレイヤーは、それ以降、プレイから抜けます。これを勝ち抜け(eruit=out)と呼びます。

 勝ち抜けがあったためにプレイヤーが1人しか残らなくなった場合には、その残ったプレイヤーは敗者となりゲームが終了します。

 なお、1人のプレイヤーの得点欄に+と−が1つずつあっても、打ち消しあうことはありません。このような状態のプレイヤーのことをウィップ(wip=シーソー)と呼びます。ウィップのプレイヤーがデクレアラーになった場合、このプレイヤーはプレイ後に勝ち抜けするか敗者になるかのどちらかになります。

 同じメンバーで次のゲームを始める場合には、前回の敗者の右隣のプレイヤーが最初のディーラーになります(前回の敗者が最初にビッドできるようにです)。


バリエーション

 前回のデクレアラーが次にディーラーになるようにすることもあります。2人以上がミゼールのデクレアラーになった場合は、最初にミゼールをビッドしたプレイヤーがディーラーになります。

 2人〜4人でプレイする場合、テーブル中央に1枚の裏向のカードと2枚の表向きのカードを配ることもあります。

 6人でプレイする場合は、5枚ずつ配り、テーブル中央に2枚の表向きのカードを置きます。7人でプレイする場合は、4枚ずつ配り、テーブル中央に2枚の裏向のカードと2枚の表向きのカードを置きます。7人でプレイする場合は、最初のディールは全員がミゼールのビッドをしたことにしてプレイすることもあります。

 数字のビッドを、25以上でなければならないとすることもあります。

 ミゼールのビッドの強さを数字のビッドの100と105の間にすることがあります。ズワベルのビッドの強さを数字のビッドの125と130の間にすることがあります。

 ロエム付きのズワベルのビッドを認めることがあります。ロエム無しのズワベルより強いビッドになります。

 切札以外のスートがリードされて誰かが既に切札を出していたとき、手札が切札だけでない限り、今までに出ている切札より弱い切札をだすことはできないというルールもあります。

 ミゼールのとき、デクレアラーは切札を選んで、切札つきでプレイしなければならないというルールもあります。ただし、複数のプレイヤーがミゼールをビッドした場合には、切札なしになります。

 6枚シークエンスを200点でなく100点とすることもあります。

 次のように点数制のゲームにすることもあります。


2005年5月7日になかよし村でプレイしました。案外高位のビッドもできやすく、楽しめます。