1998/7/14 赤桐
カリプソは1950年代に R.W.Willis氏によって発明されたカードゲームです。
トリックテイキングゲームですが、各プレイヤーの切札の種類が違っているのが特徴です。
4人。向かい合った2人がパートナーになります。
52枚の普通のカード4組を混ぜて使います。できれば裏の模様や色は同じほうがよいでしょう。
このゲームでは、各プレイヤーが自分の切札のスートを持ちます。スペードが切札の人とハートが切札の人がパートナーになり、ダイアモンドが切札の人とクラブが切札の人もパートナーになって、2組が戦います。
ゲームを始める前に、カードをドローして、一番高位のカードを引いたプレイヤーが自分の切札を決め、どこに座るかも決めます。そのプレイヤーのパートナーはその切札とペアになる切札になり、向かいに座ります。相手チームの各プレイヤーは、残った切札を1つずつ選び、テーブルにつきます。
パートナーがあらかじめ決まっていない場合には、最も高位のカードを引いたプレイヤーと次に高いカードを引いたプレイヤーがパートナーになります。
切札をどれにするかは、好みの問題であって、ゲームには関係ありません。
1ゲームは4ディールからなります。各ディールにおいて、カードは各プレイヤー13枚ずつ、つまり52枚を使います。カードは最初にシャッフルするだけで、次のディールからは残ったカードを配っていきます。
最初のディーラーは、切札決めのドローで最も高位のカードをカードを引いたプレイヤーです。次回からは時計回りに交替します。
ディーラーは各プレイヤーに1枚ずつ13枚のカードを配ります。カードが残っていれば、ディーラーの左横に置かれ、次回以降のディールに使われます。
一種のトリックテイキングゲームです。
ディーラーの左隣が最初のリードを行います。以降は、前のトリックを取ったプレイヤーがリードします。
各プレイヤーはリードされたスートのカードがあれば出さなければなりません。なければ、どのカードを出してもかまいません。
トリックに勝つプレイヤーは、次のプレイヤーです。
1)各プレイヤーの切札が一枚も出ていないときには、リードされたスートの最も高いランクのカードを出したプレイヤーが勝ちます。同じカードならば、先に出したプレイヤーが勝ちます。
2)切札が出ていた場合には、切札のなかで最も高いランクのカードを出したプレイヤーが勝ちます。もし同じランクならば、先に出したプレイヤーが勝ちます。
以上のように、個人の切札は普通のゲームの切札と同じように使うことができますが、大事な例外が1つあります。それは、他のプレイヤーがリードしたスートが自分の切札のスートだった場合、そのスートをプレイしても切札として扱われないということです。
なお、自分の切札をリードして他の全員がそのスートを出したら、出したカードの強さに関係なくリードしたプレイヤーの勝ちとなります。リードしたプレイヤーだけが切札を出したことになるためです。(もちろん、他のプレイヤーが切札を出した場合でも、その切札よりリードした切札の方が強ければ、リードしたプレイヤーの勝ちです。)
各プレイヤーのプレイの目的は、取ったトリックで「カリプソ」を作ることです。カリプソとは、そのプレイヤーの自分の切札の各ランク1枚ずつのセット、つまり2、3、...、K、Aの13枚のことです。
プレイでトリックに勝つと、勝ったチームの各プレイヤーは、その中に自分のカリプソに必要なカードがあれば、それをテーブルに置きます。このカードは、カリプソが完成するまでずっと、表向きにして順序良く各プレイヤーの前に置かれます。
取ったけれどカリプソに使われなかったカードは、チームごとに裏返しにしてまとめて置きます。
例えば、最初のトリックに自分が勝ち、トリックに自分の切札の3、J、Aがあれば、それを自分の前に表向きに置きます。これが作成中のカリプソとなります。次に、パートナーがトリックに勝ち、その中に自分の切札の5、9、Jが含まれていたら、5と9を作成中のカリプソに加えることができます。作成中のカリプソは切札の3、5、9、J、Aとなります。取ったJは既に作成中のカリプソに含まれているので、他のカードといっしょに裏返しにして置かれます。
トリックを取って、その中のカードを使ってカリプソが完成したら、それをまとめて横に置き、新しいカリプソを作ることができます。あるトリックでカリプソが完成したら、そのとき取った切札のうち、カリプソを完成させるのに使われなかったものは、新しいカリプソを作るために使うことができます。(それ以前に取っていたカードは新しいカリプソに使うことはできません)。
例えば、Kがあればカリプソが完成する状態になっているときに、トリックに勝って自分の切札の2、7、Kを取ったならば、Kを使ってカリプソが完成するので、それをまとめて置きます。次に2と7を使って新しいカリプソを作り始めます。
プレイが終わると、各パートナーが、作ったカリプソやそれ以外のカードについて、次のように得点します。
プレイヤーが最初に作ったカリプソ | 500点 |
プレイヤーが2つ目に作ったカリプソ | 750点 |
プレイヤーが3つ目か4つ目に作ったカリプソ | 1000点 |
未完成のカリプソのカード1枚につき | 20点 |
取ったけれどカリプソに使われなかったカード | 10点 |
上記で「プレイヤーが」と書いているのは、各個人の作った何番目のカリプソかということです。
4ディールが1ゲームとなります。得点の合計の多いほうのチームが勝ちになります。同点なら引き分けです。