2003/9/6 赤桐
チアパーノはイタリアのトリックテイキングゲームですが、できるだけカードを取らないようにするゲームです。Roverscino、Traversone、Tresette a no Prendere、Perdivinci、Vinciperdiなどと呼ばれることもあるようです。
このゲームは1980年代までミラノなどを含むロンバルディア地方で大変盛んだったそうです。もちろん今でもプレイされています。チアパーノというのはこの地方の方言で「それを取るな」という意味です。
ルールは John McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によります。
3人〜5人
40枚のカードを使います。ロンバルディア地方の北東部ではバトン、ソード、コイン、カップのスートのイタリアンパックのカードを使いますが、それ以外のロンバルディア地方では、スペード、クラブ、ハート、ダイアモンドのスートからなるミラノパックのカードを使います。
各スートは強い順に並べると次のようになります:
3、2、アッソ(Asso=1=エース)、レ(Re)、カバロ(Caval)、ファンテ(Fante)、7、6、5、4
普通のトランプを使うときは、各スートの8、9、10のカードを除き、レ=キング、カバロ=クイーン、ファンテ=ジャックとして遊びます。
カードをトリックで取ると、1枚につき次の点数がつきます。各スート共通です。
アッソ(エース) | 1点 |
3、2、レ(キング)、カバロ(クイーン)、ファンテ(ジャック) | 1/3点 |
7、6、5、4 | 0点 |
最後のトリックを取ると、後で述べるように、更に点数がつきます。
ゲームの目的は、できるだけ点数を取らないようにすることです。
ディーラーは反時計回りにカードを配ります。5人ゲームの時には各プレイヤーに8枚ずつ配り、4人ゲームの時には10枚ずつ配ります。
3人ゲームの時にはディーラーには14枚、他のプレイヤーには13枚配ります。ディーラーは手札を見た後に1枚を裏向きに捨て札します。このカードは最後のトリックに勝ったプレイヤーが取ります。
ディーラーは反時計回りに交代します。
ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードを行い、通常のトリックテイキングゲームのルールに従ってプレイします。ただし、プレイは反時計回りです。
切り札はありません。リードされたスートと同じスートのカードを持っているときは、そのスートのカードをプレイしなければなりませんが、持っていない場合には、どのカードをプレイしてもかまいません。
プレイが終わると、最後のトリックを取ったプレイヤーを除く各プレイヤーは、自分の取ったカードの点数を合計して、1点未満の端数は切り捨てます。これが各プレイヤーのそのディールの罰点になります。
最後のトリックを取ったプレイヤーは、11点から他の全プレイヤーの点数を合計したものを引きます。これがそのプレイヤーの罰点になります。最後のトリックを取ったことによって、罰点が1点〜3点(端数の具合による)、増えることになります。
1人のプレイヤーがカードの全点数を取った場合(全トリックでなくてもよい)は、カポット(Cappotto)と呼ばれます。この場合、全点数を取ったプレイヤーの罰点は0で、他の各プレイヤーの罰点は11点となります。
罰点が31点になったプレイヤーはゲームから抜けていきます。残った人数が決められた人数になったとき、ゲームは終了します。残っているプレイヤーが勝者です。残る人数は1人〜3人のどれかに、ゲームが始まる前に決めておきます。
罰点が31点になったときに抜けるのではなく、21点や41点にすることもあります。
誰か1人が31点などの点数に達したときに、最も罰点の累計の少ないプレイヤーが勝者になるというルールもあります。