2001/3/22 赤桐
ブロットのバリエーションですが、フランスで人気のあるゲームです。トリックテイキングゲームです。
4人。 向かい合った2人がパートナーになります。
各スートのA、K、Q、J、10、9、8、7の32枚。
切札の場合
カード(強い順) | J | 9 | A | 10 | K | Q | 8 | 7 |
点数 | 20 | 14 | 11 | 10 | 4 | 3 | 0 | 0 |
切札以外の場合
カード(強い順) | A | 10 | K | Q | J | 9 | 8 | 7 |
点数 | 11 | 10 | 4 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 |
各プレイヤーの配られたカードの中に次のような組み合わせがあれば、点数があります。
同じスートの3枚以上の続き札です。例えば、Q、J、10が手札にあればシークエンスになります。シークエンスを判定するときには、カードのランクはA、K、Q、J、10、9、8、7の順の並びになります。
3枚のシークエンス(tierce) | 20点 |
4枚のシークエンス(cinquante) | 50点 |
5枚のシークエンス(cent) | 100点 |
6枚以上のシークエンスは数えません(5枚シークエンスの扱いになります)。
同じランクのカード4枚が手札にあった場合です。例えば、Aが4枚あればカレになります。ただし、7や8が4枚あってもカレになりません。
どのランクにより、次のように得点が異なります。
J | 200点 |
9 | 150点 |
A、10、K、Q | 100点 |
切札のキングとクイーンを手札に持っていれば20点が与えられます。
ブロット以外の手役の点数は、最も強い手役を持っているチームにだけしか与えられません。手役の強さは次の通りです。
強い手役を持っているほうのチームは、それ以外にも2人に手役があれば、その手役の点数も得ることができます。
ブロットの点数は、宣言をすれば必ずもらうことができます。
座る位置とディーラーはドローで決めます。ドローのときのカードのランクは(高)A、K、Q、J、10、9、8、7(低)です。最も高いカードを引いたプレイヤーが自分の座る位置を決め、右隣にはディーラーが座ります。ディーラーは最も低いカードを引いたプレイヤーです。
次回からのディーラーは、時計回りに交代します。
ディーラーは右隣にカットしてもらった後、左隣のプレイヤーから、時計回りにカードを配ります。まず各プレイヤーに3枚ずつまとめて配り、次に2枚ずつまとめて配り、次に3枚ずつまとめて配ります。(3-3-2や2-3-3で配ってもかまいません)。
ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、ビッドを行います。
ビッドは、取れると思う点数を10単位で宣言し、さらに切札も宣言します。例えば80スペードとか、100ハートとか言うわけです。最低のビッドは80です。切札のスートにランクはありません。ビッドしたくなければパスをします。
ビッドがあったら、それ以降のプレイヤーは以前のビッドよりも高い数字のビッドしかすることができません。10きざみですがどれだけ高いビッドをしてもかまいません。
パスをしたあとにビッドに加わることもできます。
3人がパスをするとビッドが決まります。
誰かのビッドが会った後で、相手チームのプレイヤーはクワンシェ(Coinche)を宣言することができます。これはプレイの結果の点数を2倍にするというビッドです。クワンシェがあると、その相手チームのプレイヤーはシュークワンシェ(Surcoinche)の宣言をすることができます。これは点数を4倍にします。
クワンシェがあると、シュークワンシェをするかどうか決めた後、ビッドはすぐに終わります。
ディーラの左隣のプレイヤーが最初のプレイを行い、トリックテイキングのプレイを行います。
各プレイヤーの最初のプレイのとき、自分のカードを出す前に、ブロット以外の手役があれば宣言を行います。宣言は、シークエンスならば「4枚のシークエンス」などと言い、カレならば「ジャックのカレ」などと言います。
自分より先に自分より強い手役が宣言されていた場合や、手役を宣言したくない場合は、何も言わなくてもかまいません。
同じ強さのシークエンスが先に宣言されていた場合には、ひとまず同じ宣言をしておきます。最初のプレイが終わってから、時計回りにランクを宣言していきます(この場合も後で宣言するプレイヤーは劣っているならば宣言する必要はありません)。それでも同じならば、どちらかが切札スートかどうかを確認します。どちらも切札でなければ、席順で優劣を決めます。
最も強い手役のあったプレイヤーとそのパートナーは、手役をすべて宣言することができます。ただし、手役を構成するカードはすべて見せなければなりません(もちろん1トリック目で使ったカードは見せる必要はありません)。見せた後は、再び手札に戻します。
ブロットはまったく違った方法で宣言します。ブロットを持っているプレイヤーは、そのキングかクイーンのうちの1枚を最初にプレイするときに、「ブロット」と言います。さらに、2枚目をプレイするときに「ルブロット(rebelote)」と宣言しなければなりません。
切札以外がリードされた場合は次のようになります。
トリックに勝つのは、切札が出ている場合には最も強い切札を出したプレイヤー、切札が出ていない場合にはリードされたスートで最も強いカードを出したプレイヤーです。
トリックに勝ったプレイヤーが、次のリードを行います。リードするカードに制限はありません。
最後のトリックに勝ったチームには10点が与えられます(dix de der)。
各チームは、トリックに勝って取ったカードの点数と、最後のトリックの点数(勝ったほうに10点)と、宣言した手役の点数を加えたものを計算します。(両チームの手役以外の点数の合計は162点になるはずです。)
あるチームが全トリックを取った場合には、そのチームは最後のトリックに勝った10点の代わりに100点を計上できます。。これをカポット(capot=カポ)と呼びます。つまり、252点に自分の手役の点数を加えた得点になります。このとき、相手チームはブロット以外の手役の点数を得ることができなくなります。
ビッドに成功したチームは、ビッドの点数に2点を加えた点数以上の点数を取らなければ、プレイ成功とはなりません。例えば80のビッドならば82点以上取らなければなりません。さらに、相手チームより高い点数でなければプレイ成功ではありません(同点ではだめです)。
ビッドに成功したチームがプレイに成功した場合、実際に取った得点にビッドの点数を加えたものを得点します。例えば80のビッドで100点を取った場合には180点を得点します。
この場合、相手チームは実際に取った点数だけを得点します。
ビッドに成功したチームがプレイに成功した場合には、そのチームの得点はありません。ただし、ブロットの点数だけは得点できます。
この場合、相手チームは <160点 + 手役の点数 + 敵チームのビッドの点数> の得点があります。
クワンシェがあった場合には、プレイに成功したほうのチームだけが、ビッドの点数を加える前の点数を2倍して、それにビッドの点数を加えます(ビッドに成功したチームがプレイに失敗した場合は、相手チームが敵チームのビッドの点数を加える前の点数を2倍してそれに敵チームのビッドの点数を加えるわけです)。
シュークワンシェの場合は同様のやりかたでビッドの点数以外を4倍します。
何ディールか行って、得点計算の結果、累計点が3000点以上になったチームがあれば、そのチームの勝ちとなります。
どちらのチームも同時に3000点以上になった場合には、点数の高いチームの勝ちです。同じなら引き分けです。
パートナーのビッドの後で最初にビッドをするときに、次のようなビッドをすることによってパートナーに情報を伝えることができます。これを使うかどうかはゲームの前に確認する必要があります。
下の表の右の数字は、現在のビッドをどれだけ上げるかという数字です。複数の項目に該当するばあいは、その点数を加算した分だけ上げます。
切札の9を持っていて、もう1枚以上切札がある | +10 |
切札の10を持っている | +20 |
切札以外で2枚のAを持っている | +20 |
切札以外で3枚のAを持っている | +30 |
100点の手役がある | +70 |
150点の手役がある | +120 |
200点の手役がある | +170 |