1996/11/6 赤桐
コテッチョはイタリアのゲームで、ブラックレディーのようにできるだけトリックに勝たないようにするトリックテイキングゲームです。イタリアでは、このような種類のいろいろなゲームをコラッチョと呼んでいるようですが、ここで紹介するのはトリエステでプレイされているゲームです。
軽いゲームですが、意外に戦略性もあるゲームです。
ルールは John McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)のものに従います。
3人〜7人
イタリアの通常の40枚のパックを使用します(正式には、トリエステ地方のデザインのカードを使います)。
バトン、ソード、コイン、カップの4つのスートがあり、各スートは40枚のカードからなっています。強い順に並べると:
1(エース)、レ(Re)、カバロ(Caval)、ファンテ(Fante)、7、6、5、4、3、2
普通のカードを使うときは、各スートの8、9、10のカードを除き、レ=キング、カバロ=クイーン、ファンテ=ジャックとして遊びます。
各スートの以下のカードをトリックで取ると、次の点数がつきます。その他のカードには点数がありません。
エース | 6点 |
レ(キング | 5点 |
カバロ(クイーン) | 4点 |
ファンテ(ジャック) | 3点 |
また、最後のトリックを取ると、6点がつきます。
ゲームの目的は、できるだけ点数を取らないようにすることです。
ディーラーは反時計回りにカードを配り、各プレイヤーの手札が5枚ずつになるようにします。
ディーラーは基本的には反時計回りに交代します(例外は後述します。)
ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードを行い、通常のトリックテイキングゲームのルールに従ってプレイします。ただし、プレイは反時計回りです。
切り札はありません。リードされたスートと同じスートのカードを持っているときは、そのスートのカードをプレイしなければなりませんが、持っていない場合には、どのカードをプレイしてもかまいません。
最初のディールの前に、各プレイヤーは同じ額の掛け金をプール(テーブル中央)に置きます。例えば1000リラです。各プレイヤーは5つのライフ(命)を持つことになります。ライフの数ははチップなどで管理すると分かりやすいでしょう。
1つのディールが終わると、もっともたくさん点数を取ったプレイヤーがライフを1つ失います。もっともたくさん点数を取ったプレイヤーが2人以上いる場合は、その全員がライフを1つなくします。
ただし、同じプレイヤーが最初の4トリックを全部取った場合には、そのプレイヤーは次のいずれかを選択できます。
1)ハンドを流す。つまり、プレイはそこで終わりになり、誰もライフはなくしません。次のディールは先ほどと同じディーラーが配ります。
2)最後のトリックをプレイする。もし、このトリックに勝って全トリックを取ったら、その人のライフは1つ増え、ほかの全員のライフは1つ減ります。これを、カポット(Capotto)と呼びます。もし、このトリックに勝てなければ、最初の4トリックを取ったプレイヤーのライフは一つ減り、最後の1トリックを取ったプレイヤーのライフが1つ増えます。カードの点数は関係ありません。
プレイヤーのライフがなくなったら、もしそのときにライフのあるプレイヤーが2人以上残っているならば、医者をよぶことができます。
医者を呼ぶときには決められた額(例えば500リラ)をプールに払わなければなりません。また、医者を呼ぶ回数も制限しておいた方がよいでしょう。
医者を呼んだプレイヤーは、ライフのあるプレイヤーのなかで、もっともライフの数の少ないプレイヤーと同じ数のライフを持つことになります。たとえば、ライフの数が4のプレイヤーと、2のプレイヤーが残っていれば、医者を呼んだプレイヤーのライフは2になります。
ライフがなくなって、医者をよぶことができなかったり、医者を呼びたくなかったりしたプレイヤーは、ゲームから抜けます。
最後に1人だけ残ったプレイヤーが勝者となり、プールの掛け金を全部もらいます。
もし、残っているプレイヤーが何人かいて、その全員が1つしかライフのないときに、ディールの結果、全員が同じ点数だった場合には、すべてのプレイヤーがゲームから抜けることになります。この場合には、早くから抜けていたプレイヤーも含めたすべてのプレイヤーが、4つのライフを持って再びプレイを始めます。プールに掛け金を入れる必要はありません。
ディーラーは基本的には反時計回りに交代しますが、次にディーラーになるはずだったプレイヤーがそのときゲームから抜けてしまった場合には、例外扱いになります。
ゲームの公平を期すため、最初のリードをするプレイヤーが、必ず反時計回りに交代するようにします。ディーラーはこの最初のリードを行うプレイヤーの左隣のプレイヤーが勤めます。
したがって、前回と同じディーラーがディールしたりすることになります(その人も同時に抜けなかった場合)。
ドクターを呼ぶときにプールに入れる額は、McLeod氏の例では、最初の掛け金の半額になっていますが、変えることも自由です。例えば同額にしても面白いかもしれません。
ドクターを呼ぶ回数は、ククの場合と同じように3回程度にするのがよいのでないかと思います。あるいは、最初のライフの数がククよりも多く、長いゲームになるので、5回程度の方がよいかもしれません。なお、1人あたり1回とかいうように決める方法もありますが、それよりこのように全体の回数を決めた方が面白いのではないでしょうか。
最初のライフの数も、一応5つとなっていますが、スピーディーなゲームがよければ、3つとかにしてもよいと思います。