2010/3/6 赤桐裕二
ラミーの一種です。インド全域で非常によくプレイされていますが、特に西インドのマハーラーシュトラ州(州都:ムンバイ)で盛んです。パプル(Paplu)とも呼ばれます。
2人〜10人
通常の52枚のトランプにジョーカー1枚を加えたものを2組(2人〜6人のとき)または3組(7人以上のとき)使います。
シャッフルしたカードから各プレイヤーがドローして、最も高いカードを引いたプレイヤーが席の自由な位置につき、他のプレイヤーはカードの高さの順に右隣に座っていきます(反時計回りの席順)。最も低いカードを引いたプレイヤーが最初のディーラーになります。(ジョーカーが最も高位のカードで、以下A、K、Q、J、10...と続き、2が最も低位のカードとします。同じランクの時にはそのプレイヤーどうしで引き直しを行います。)
次回からは、ディーラーは反時計回りに交替します。
全員がディーラーになってプレイが終了するまでを1ラウンドと言います(つまり人数分のディールを行うことです)。1ラウンドまたは2ラウンドが終わるごとに、席決めをやり直します。
ラウンドが終わると、プレイヤーがプレイを離れたり、新しいプレイヤーが参加したりすることができます。席決めをやり直さないときには、新しいプレイヤーは次にディールを行うプレイヤーの左隣の席に入ります。
ディーラーがシャッフルしたあと、左隣のプレイヤーがカードの中から1枚をドローして表にします。このカードと同じランクのカードはすべてワイルドカード(wild card代札)となります。ジョーカーもワイルドカードです。もしジョーカーが表になったら、ジョーカーだけがワイルドカードとなります。なお、このゲームでは、ジョーカー以外でワイルドカードになったカードも、ジョーカーと呼ばれます。
残りのカードを左隣のプレイヤーがカットしたあと、ディーラーは1枚ずつ13枚のカードを各プレイヤーに配ります。残りのカードは山札(stack)となります。ただし、その一番上のカードだけは、表にして山札の横に置きます。これが最初の捨て札(discard)となります。ワイルドカードを決めるために表向きにしたカードは、表向きのまま山札の一番下に横に置き、そのランクが見えるようにしておきます。
プレイで捨て札をするときには、この捨て札の上にどんどん重ねていきます。これを捨て札の山(discard pile)といいます。捨て札の山は、一番上以外のカードが見えないように重ねなければなりません。一番上以外の捨て札をプレイ中に見ることはできません。
プレイの目的は、手札のなかで、カードの特定の組み合わせをできるだけ作ることです。2種類の組み合わせがあります。これらの組み合わせをテーブルに出す必要はありません。
同じスートの3枚以上の続いたカードです。例えば、10、J、Qとか、A、2、3、4.5とかです。
Aは2の下のカードとして、A-2-3というようにつながります。また、Kの上のカードとしてQ-K-Aというようにもつながります。しかし、K-A-2というようにはつながりません。
同じランクのカードの3枚または4枚の集まりです。例えば、ジャックを3枚とか、9を4枚とか、Aを3枚とかです。ただし、すべて別のスートでなければなりません。J、J、Jはセットになりますが、J、J、Jはセットになりません。
同じカードを別の組み合わせに使うことはできません。5、6、7、7、7とあっても、5、6、7と7、7、7の2つの組み合わせができているわけではありません。
ワイルドカード(ジョーカー)は、どのカードの代わりにでも使うことができます。例えば7のカードがワイルドカードであるなら、Q、7、AはQ、K、Aというシークエンスになります。もちろんセットを作るときにも使えます。
ワイルドカードは何枚でも使うことができます。
ワイルドカードを使わないランのことです。タナラ(tanala)あるいはオリジナル・ライフ(original life)とも呼びます。ワイルドカードのランクのカードを使った場合でも、本来のカードとして使った場合には、ストレート・ランになります。
プレイに勝つ(ラミー宣言をする=上がる)ためには、ストレート・ランを1組と、もう1組のラン(ストレート・ランでなくてよい。セカンド・ライフ second life と呼ばれる)が手札になければなりません。
ディーラーの右隣のプレイヤーから反時計回りの順にプレイを行います。自分の番のときには次の1)2)のプレイを行います。
1)まず、山札または捨て札の山からカードを1枚取り、手札に加えます。これをドローと呼びます。取ることができるのは、山札の一番上のカードか、捨て札の山の一番上のカードです。
2)自分の手札からカードを1枚捨てます。捨てる場所は捨て札の山の上で、表向きに捨てます。捨て札の山から取った場合には、そのとき取ったカードを捨てることはできません。
手札からカードを捨てるとき、残った手札が次のようになっていたら、ラミーと宣言してプレイを終わらせる(勝つ)ことができます。
1.手札に残った13枚のカードがすべてランまたはセットの組み合わせになっている。
2.その中にストレート・ラン1組と、もう1組(以上)のラン(ストレート・ランでなくてもよい)がある。
山札の最後のカード(ワイルドカード表示カード)を取ったプレイヤーがラミー宣言しないでプレイを終えたら、流局になります。勝者はなく、得点のやりとりも行わないで、次のディールに移ります(ディーラーは交替します)。
プレイヤーは、自分の最初のプレイときに、カードを1枚ドローする前に、パッキングを宣言して、そのディールでのプレイをやめることができます。そのプレイヤーはラミー宣言したプレイヤーにプレイ後に10点を支払わなければなりません。このプレイヤーの手札はシャッフルして、山札の一番下(ただしワイルドカード表示カードの上)に入れます。
プレイヤーは、そのあとの自分の番のとき、カードを1枚ドローする前に、パッキングを宣言することもできます。ただし、この場合には40点をラミー宣言したプレイヤーに支払わなければなりません。カードはそのまま裏向きにしておき、山札には入れません。
1人を除く全プレイヤーがパッキング宣言した場合には、残ったプレイヤーが勝者となって、パッキングの点数を他のプレイヤーからもらいます。
プレイが無効になったときには、パッキング宣言したプレイヤーの支払いもありません。
ラミー宣言があると、それ以外のプレイヤーは、自分の手札のカードの点数を合計します。点数は次のようになります:
ワイルドカード | 0点 |
ワイルドカード以外の2〜10 | その数字の点数 |
ワイルドカード以外の10、J、Q、K、A | 10点 |
こうして合計された点数は、ラミー宣言したプレイヤーに支払います。
パッキング宣言したプレイヤーは、ラミー宣言したプレイヤーに10点または40点を支払います。
もし1度もプレイできなかったプレイヤーがいたら(最初の番が回ってくる前にラミー宣言があった場合)、そのプレイヤーは上記で計算した点数の半分の点数を支払います(端数は切り捨て)。
配られた手札がそのままラミー宣言できるものであった場合には、最初のプレイのときに、カードをドローしないでラミー宣言をすることができます。これをハンド・ラミー(hand-rummy)と呼びます。この場合、他のプレイヤーから上記で計算した点数の2倍の点数をもらいます(未プレイのプレイヤーからは前記ルールに従った半分の点数の2倍、つまり通常の点数をもらいます)。
次の点については、参照したルールが明確ではなく、他のところで正確なルールを調べることもできなかったので、推測に基づいて書いています。