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ロールム(Lórum)
2018/5/5 赤桐
スロバキアでプレイされているゲームです。できるだけカードの点数を取らないようにします。
ルールはhttp://www.pagat.com/によりました。
プレイヤー
4人または3人。4人のときもパートナー戦にはなりません。
まず、4人ゲームを紹介します。
カード
ドイツのスートと同じスートのスロバキアのカード(ウィリアムテル型)を使います。
スートはハート(červene)、ボール(gule)、みどり(zelene)、どんぐり(žalude)になります。
各スートのカードは、強い順に、エース、キング(Kráľ)、ホルニーク(Horník)、 ドルニーク(Dolník)、10、9、8、7です。 2〜6のランクのカードはありません。 全部で32枚です。
普通のトランプでプレイするときは、各スートの2〜6のカードを除きます。 普通のトランプとの対応としては、 ハート=ハート、ボール=ダイアモンド、みどり=スペード、どんぐり=クラブ、 ホルニーク=クイーン、ドルニーク=ジャックと考えてよいでしょう。
カードの点数は次のようになります。
- ハートの各カード: 1点。
- どんぐりのホルニーク(クラブのクイーン): 4点
- みどりのホルニーク(スペードのクイーン): 8点
ほかのカードは0点です。全カードの合計点数は20点です。
ポーカーチップ
ゲームの前に、各プレイヤーに同数のポーカーチップ(チップ)を配ります。
チップはプレイ中にプール(銀行)と呼ばれる場所に一時置かれることがあります。 プールには最初はチップは入っていません。
ディール
最初のディーラーは任意の方法できめます。 次回からは反時計回りの順に交代します。
ディーラーは、カードをシャッフルした後、左隣のプレイヤーにカットしてもらいます。 カードは4枚ずつまとめて2回、ディーラーの右隣から反時計回りの順に各プレイヤーに配ります。
宣言
次のどれかの宣言を行いたいプレイヤーは、プレイの前に行うことができます。
- マリー(malý/スモール): 全トリックに負けることを宣言。
- ベルキー(veľký/ビッグ): 全トリックに勝つことを宣言。
宣言の順番はありませんが、最初に宣言されたものだけが有効です。 ただし、マリーの宣言の後にベルキーの宣言を行うことができ、 そのときベルキーの宣言が有効になります。
プレイ
このゲームはトリックテイキングゲームです。切札はありません。プレイは反時計回りです。
宣言があったときは、有効な宣言を行ったプレイヤーが最初のリードを行います。 そうでないときは、ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードをします。
- リードされたスートのカードがあれば、そのうちの1枚を出します。なければどれでも1枚を出します。
- リードされたスートのうち、最も強いカードを出したプレイヤーがそのトリックに勝ち、トリックに出ていたカードを獲得します。
- トリックに勝ったプレイヤーが手札から自由に1枚を出して、次のトリックのリードを行います。
ただし、マリー宣言が有効なときには、 リードされたスートのカードで今までに出ている最も強いカードよりも強いカードを持っていたら、 そのカードを出さなければなりません(そのようなカードが複数枚あれば、そのうちどれを出してもかまいません)。
得失点
通常ゲームの得失点
宣言がないときには、次のように各プレイヤーに得失点をつけます。
- 全員が1点以上の点数を取ったとき: 各プレイヤーが点数分のチップをプールに入れます。プールのチップは誰も取りません。
- 3人が1点以上の点数を取り、1人が0点のとき: 点数を取ったプレイヤーが点数分のチップをプールに入れます。 0点のプレイヤーが、プールにあるすべてのチップを取ります(前回までのディールで入れられた分を含む)。
- 2人が1点以上の点数を取り、2人が0点のとき: 点数を取ったプレイヤーが点数分のチップをプールに入れます。 0点のプレイヤー2人が、プールにあるすべてのチップを等分に分配して取ります(前回までのディールで入れられた分を含む)。
- 1人のプレイヤーだけが1点以上の点数を取り、そのプレイヤーが全トリックは取らなかったとき: 点数を取ったプレイヤーが点数分のチップ(20チップ)をプールに入れます。 プールのチップは誰も取りません。
- 1人のプレイヤーが全トリックを取ったとき: このプレイヤーは他の各プレイヤーから10チップずつもらいます。 プールはそのままです。
マリー宣言時の得失点
- 宣言したプレイヤーが1トリックも取らなかったとき: 宣言したプレイヤーが他の各プレイヤーから10チップずつもらいます。
- 宣言したプレイヤーがトリックを取ったとき: 宣言したプレイヤーが他の各プレイヤーに10チップずつ支払います。
- プールはそのまま残ります。
ベルキー宣言時の得失点
- 宣言したプレイヤーが全トリックを取ったとき: 宣言したプレイヤーが他の各プレイヤーから20チップずつもらいます。
- 宣言したプレイヤーが全トリックを取れなかったとき: 宣言したプレイヤーが他の各プレイヤーに20チップずつ支払います。
- プールはそのまま残ります。
ゲームの終了
ゲームをいつ終わるか(何ディールで終了かなど)については、規定はありません。 終了時にプールにチップが残っていたら、均等に配分すればよいでしょう。
3人ゲーム
ボール(ダイアモンド)の7と8のカードはプレイに使用しません。使用するカードは30枚になります。 各プレイヤーに10枚ずつのカードが配られます。
得失点は以下のようになります。
通常ゲームの得失点
- 全員が1点以上の点数を取ったとき: 各プレイヤーが点数分のチップをプールに入れます。プールのチップは誰も取りません。
- 2人が1点以上の点数を取り、1人が0点のとき: 点数を取ったプレイヤーが点数分のチップをプールに入れます。 0点のプレイヤーが、プールにあるすべてのチップを取ります(前回までのディールで入れられた分を含む)。
- 1人のプレイヤーだけが1点以上の点数を取り、そのプレイヤーが全トリックは取らなかったとき: 点数を取ったプレイヤーが点数分のチップ(20チップ)をプールに入れます。 プールのチップは誰も取りません。
- 1人のプレイヤーが全トリックを取ったとき: このプレイヤーは他の各プレイヤーから15チップずつもらいます。 プールはそのままです。
マリー宣言時の得失点
- 宣言したプレイヤーが1トリックも取らなかったとき: 宣言したプレイヤーが他の各プレイヤーから15チップずつもらいます。
- 宣言したプレイヤーがトリックを取ったとき: 宣言したプレイヤーが他の各プレイヤーに15チップずつ支払います。
ベルキー宣言時の得失点
- 宣言したプレイヤーが全トリックを取ったとき: 宣言したプレイヤーが他の各プレイヤーから30チップずつもらいます。
- 宣言したプレイヤーが全トリックを取れなかったとき: 宣言したプレイヤーが他の各プレイヤーに30チップずつ支払います。
バリエーション
- どんぐり(クラブ)やみどり(スペード)のホルニークを持っていたら、最初のリードの前にそれを自分の前に表向きに置くことができる。 そのカードは手札としてプレイに使用する。これによりそのカードの点数が倍になる。
- 上記ルールを採用したとき、自分でそのカードを取った時にはカードの点数が3倍になるというルールもある。
- 4人ゲームで0点のプレイヤーが2人の時も、プールのチップは誰も受け取らない。
2018年5月5日、なかよし村でプレイしました。
基本的には普通のハートとそれほど違わないですが、プールを使って得点するところが特徴的です。 プールが大きくなると緊張が高まります(といってもプレイの作戦などはあまり変わりませんが)。