2009/2/7 赤桐
カナスタから派生したゲームであるハンド・アンド・フットの一種ですが、最近アメリカのオクラホマ州、テキサス州、ミズーリ州、アーカンソー州などでプレイされているようです。
ルールは John McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によりました。
52枚のトランプに2枚のジョーカーを加えた54枚のカードのセットを、プレイする人数より1つ多い分使います。例えば5人でプレイするなら6セットのカードを使います。
何人でもプレイ可能ですが、5人〜6人がベストです。
プレイヤーの1人を任意の方法で記録係(Score Keeper)に選びます。記録係はプレイは行いますが、ディーラーや最初にプレイするプレイヤーにはなりません。
各プレイヤーは2種類の手札を持ちます。1つはルッキング(Looking)と呼ばれ、もう1つはダウン(Down)と呼ばれます。
1人がルッキングを配るディーラーになり、その左隣のプレイヤーがダウンを配るディーラーになります。ディーラーはディールごとに時計回りに交替します。ダウンを配ったプレイヤーは次のディールではルッキングを配ることになります。最初のディーラーは任意に決めてください。
ただし、記録係はどちらのディーラーにもなりません。ルッキングのディーラーの左隣が記録係の場合は、その左隣がダウンのディーラーになります。ルッキングのディーラー交替のときも、記録係は飛ばして、その左隣がディーラーになります。
ディールを行う前に、すべてのカードをシャッフルして、4つの裏向きの山札にします。これは誰が行ってもかまいません。
各ディーラーは、この4つの山札からプレイヤーに配る分のカードを数えないで適当に取ります。各プレイヤーにはルッキングもダウンも11枚のカードを配ることになります。取ったカードが足りなければ山札から追加で取り、余れば山札に戻すことになりますが、もし取ったカードがちょうどだった場合は100点のボーナス点がもらえます。
各ディーラーは1枚ずつ11枚のカードを各プレイヤーに配ります。配る時、ルッキングであるかダウンであるかをはっきりプレイヤーに伝えるようにします。
配り終えたら、ルッキングのディーラーが山札の1つの一番上のカードを表向きにしてテーブルに置きます。これが捨て札の山の最初のカードになります。捨て札の山は普通4つの山札の真ん中に作ります。
各プレイヤーはダウンのカードを裏向きのままテーブルの自分の右のほう置きます。ダウンはルッキングのカードがなくなるまで見ることができません。
プレイヤーはルッキングのカードを手にとって、普通の手札としてプレイします。
このゲームの主な目的はメルドを作ることです。メルドというのは、カードの特定の組み合わせを、テーブル上に見えるように出して、得点を得ることです。
ルッキングアンドダウンでは、同じランク(数位)のカードが3枚以上あれば、それをメルドすることができます。例えば7のカード3枚とか、キングを5枚とかです。だたし、7枚より多い枚数のメルドはできません。
3のランクのカードはメルドすることはできません。
自分のメルドに、カードを付け加えることもできます。 これをレイオフ(Lay Off)と呼びます。
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1つのメルドのカードは重ねて置きますが、インデックスが見えるように、ずらしておきます。
ジョーカーと2のカード全部はワイルドカード(代札)になります。ワイル ドカードは、メルドする場合、他のカードの代わりに使うことができます。
ワイルドカードでないカードを、ナチュラルカードと呼びます。
メルドにはそのメルドのカードの枚数の半分より少ない数しかワイルドカードを含んではいけません。例えば、6枚のメルドでは半分の3枚より少ない2枚か1枚しかワイルドカードを使うことができません。5枚のメルドでも2枚か1枚になります。
メルドした場合のメルドの点数は、メルドしたカードの点数の合計点です。
また、プレイ終了時に手札やダウンのカードがメルドにならずに残っていた場合には、手札とダウンのカードの点数の合計点がマイナス点となります(メルドの点数から、その点数を引くことになります。)
カードの点数は次の通りです:
ジョーカー | 50点 |
2 | 20点 |
A | 20点 |
K、Q、J、10、9、8 | 10点 |
7、6、5、4 | 5点 |
3 | 0点 |
(赤3すなわち3と3にはカードの点数はありませんが、罰点やボーナス点がつきます。詳しくは後述します。)
7枚のカードからなるメルドのことをカナスタと呼びます。カナスタには前記のカードの点数に加えてボーナス点がつきます。
レッドカナスタとは、ワイルドカードを1枚も含まないカナスタです。500点のボーナスになります。
例:
レッドカナスタには、赤3(3または3)を1枚だけ付け加えることができます(この場合だけ8枚のカードによるカナスタになります)。このときには、ボーナス点は1000点になります。
例:
ワイルドカードを1枚でも含んだカナスタはブラック・カナスタと呼ばれます。ボーナス点は300点です。ブラック・カナスタには赤3などを追加することはできません。
例:
カナスタは、普通のメルドにレイオフをして作ってもかまいません。
普通のメルドと異なり、一番上のカードだけが見えるように重ね て置きます。区別のため、可能ならば、レッド・カナスタの一番上には赤のカードを、ブラック・カナスタの一番上には黒のカードを置きます。
ダウンを配ったディーラーの左隣のプレイヤーが最初のプレイを行います。もしこのプレイヤーが記録係なら、その左隣のプレイヤーが最初のプレイをします。そのあと時計回りの順に各プレイヤーがプレイを行います。
各プレイヤーは、自分の番の時に、次のようなプレイをします。
ドローは、山札の最も上のカードを2枚、手札に加えることです。どの山札からどのように取ってもかまいません(2枚を同じ山から取っても違う山から取ってもかまいません)。
2枚のカードをドローする代わりに、捨て札を取ることもできます。捨て札を取る場合には、一番上のカードだけでなく、全部の捨て札を取ります。
捨て札を取るためには、捨て札の山の一番上のカードと同じランクのカードを2枚手札にもっていて、それを他のプレイヤーに見せなければなりません。ただし、これを使って直ちにメルドを作る必要はありません。(同じランクのカードをメルドしていても、それを使って捨て札を取ることはできません。)
ただしそのプレイヤーがまだメルドを1つも作っていない場合だけは、捨て札の1番上のカードと手札を使ってメルドを作る必要があります。
捨て札がワイルドカードや3だった場合には捨て札を取ることはできません。また、2回続けて捨て札の山を取ることはできません(捨て札の山を取ったら次の番のときは必ずドローしなければなりません)。
時間の節約のため、捨て札の山を取ったプレイヤーは自分が捨て札して他のプレイヤーの番になっているときもメルドやレイオフをすることが許されます。この状態をフローズン・イン・タイム(frozen in time)と呼びます。この状態は再びこのプレイヤーの番になるまで続きます。
一度にいくつメルドをしても、レイオフしてもかまいません。
メルドには次の制限があります。レイオフを行う際にも、その制限を破るようなレイオフはできません。
1)1つのメルドに含まれるワイルドカードの数は、そのメルドのカードの数の1/2未満でなければなりません。
2)ワイルドカードだけのメルドはすることができません。
3)赤の3(3、3)は決してメルドできません。ただしレッド・カナスタ1つにつき1枚だけ付け加えることができます。
4)黒の3(3、3)はメルドできません。ただし、プレイヤーがそのプレイの番で上がりになるときだけは7枚を1組としてメルドすることができます。このときカナスタのボーナス点はつきません(カードの点数もありません)。また、ワイルドカードを含めたり、赤の3を付け加えたりすることもできません。
5)1つのメルド(カナスタ)の最高枚数は7枚です。
6)同じランクのメルドをいくつでも作ることができます。
7)メルドしたカードを、手札に戻したり、他のメルドに移すことはできません。
あるプレイヤーが最初のメルドを作るときには、そのメルドの点数は次の点数以上でなければなりません。2つ以上のメルドを同時に作って、その合計が次の点数以上でもかまいません。
今までのディールの合計得点 | 必要な点数(ミニマムカウント) | |
マイナス点 | 15点 | |
0〜1500 | 50点 | |
1501〜3000 | 90点 | |
3001〜5000 | 120点 | |
5001〜7000 | 150点 | |
7001以上 | 210点 |
捨て札から取ってメルドを作るときには、一番上の捨て札だけが、必要な点数のためのメルドとして使ってよいカードです。まず一番上の捨て札だけを取って必要なメルドを作り、そのあと、残りの捨て札を取って手札に入れるようにします。
最初のメルドでカナスタを作ることはできません。つまり、7枚のメルドを作ることはできません。
捨て札は、手札から1枚を出して、捨て札の山の上に表向きに出します。下のカードが見えないように重ねます。
捨て札の山の下のカードを見ることは禁止されています。
プレイでルッキングの手札がなくなったら、ダウンのカード全部を手札にします。
捨て札をしたときにルッキングがなくなったときは、ダウンを取っただけでその番が終わりますが、捨て札の前にルッキングがなくなったときには、ダウンを取ってプレイを続けます。
メルドを作ったりレイオフをして、手札となっているダウンのカードがなくなれば、上がりになります。誰かが上がれば、そのディールは終了します。上がるときには捨て札をしてもしなくてもかまいません。
ただし、上がるためには、そのプレイヤーは2つのカナスタを作っていなければなりません。上がれない状態で、手札を0枚にすることはできません。
フローズン・イン・タイムの状態のプレイヤーが上がった場合は、ほかのプレイヤーは上がったプレイヤーの番に再びなるところまでプレイを行い、終了となります。
上がったプレイヤーには100点のボーナス点がつきます。
誰も上がらずに山札がなくなったときには、山札がない状態で、1巡だけプレイを続けます。このとき、取ることができる条件があれば捨て札の山を取ることもできますが、そうでないときはドローしないままプレイを行います。これが終われば、プレイ終了となります。
この1巡中に手札がなくなっても上がりとはならず続けられます。また上がりのボーナス点もありません。
記録係は次の順で各プレイヤーの点数を聞き、記録します。
カナスタのボーナス点です。
手札やダウンに残ったカードの罰点です。カードの点数に加えて、赤の3のカード1枚につき500点がマイナス点になります。
メルドしたカードの点数です。カナスタのカードの点数も含めます。
ディールが終わり得点の計算が終了したとき、累計点が10000点に達したプレイヤーがいたら、そのプレイヤーの勝ちでゲームが終わります。10000点以上のプレイヤーが2人以上いた場合は、点数の高いプレイヤーの勝ちになります。
ジョーカー | 50点 |
2 | 20点 |
A | 20点 |
K、Q、J、10、9、8 | 10点 |
7、6、5、4 | 5点 |
3 | 0点 |
手札に残った時の赤3の罰点 | 500点 |
レッド・カナスタ(ワイルドカードなしのカナスタ) | 500点 |
レッド・カナスタ+赤3 | 1000点 |
ブラック・カナスタ(ワイルドカードを含むカナスタ) | 300点 |
ゴーイングアウト(上がり) | 100点 |
ディールの時に正しくカードをつかんだ | 100点 |
2009年2月7日、なかよし村でプレーしました。
とても面白いゲームでした。また、人数の融通がきくのも良いところです。
しかし、プレーのテンポが遅く、終了条件も厳しいので、ずいぶん時間がかかるゲームでした。また、カードがたくさん必要なのも大変です。
ゆっくり時間をとれるときに、せっかちでない人がプレイすれば楽しめるでしょう。