2006/12/2 赤桐
オランダで昔よくプレイされていたゲームだそうです。トリックテイキングゲームです。 ルールはhttp://www.pagat.comによりました。
4人。
トランプの各スートのA、K、Q、J、10、9、8、7の32枚にハートの6を加えた33枚のカードを使います。
各スートのカードの強さの順と点数は次のようになります。強さは左へいくほど強くなります。切札とそうでないスートでは強さの順も点数も違います。
切札の場合 | 強さの順 | J | 9 | A | K | Q | 10 | 8 | 7 | 6 |
点数 | 20 | 14 | 11 | 3 | 2 | 10 | 0 | 0 | 0 | |
切札以外 | 強さの順 | A | K | Q | J | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 |
点数 | 11 | 3 | 2 | 1 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 |
カードの点数の合計は141点ですが、最後のトリックを取ったプレイヤーに5点与えられるので、手役を除く点数の合計は146点になります。
手札の中に次のような組み合わせがあれば、点数になることがあります。
3枚のシークエンス |
20点
|
4枚のシークエンス |
50点
|
5枚のシークエンス |
100点
|
クイーン4枚 |
100点
|
キング4枚 |
100点
|
エース4枚 |
100点
|
6枚のシークエンス |
120点
|
7枚のシークエンス |
140点
|
8枚のシークエンス |
160点
|
ジャック4枚 |
200点
|
シークエンスとは同じスートの続き札です。例えば、K、Q、J、10が手札にあればシークエンスになります。シークエンスを判定するときには、カードのランクは(高)A、K、Q、J、10、9、8、7、6(低)の順の並びになります。
ロエムの強弱を判定するときには、表の下にあるロエムの方が強くなります。同じ枚数のシークエンスならば、ランクの高いカードがあるシークエンスのほうが強くなります。これも同じならば(強)スペード、ハート、ダイアモンド、クラブ(弱)の順となります。
切札のキングとクイーンを手札に持っていた場合には、上記のロエムとは別の、スツックという手役になります。20点です。
最初のディーラーは任意のやり方で決めます。ディーラーはディールごとに左隣のプレイヤーに移ります。
ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、まとめて4枚ずつ各プレイヤーにカードを配り、そのあとテーブル中央に裏向きに1枚のカードを配ります。最後にまた4枚ずつ各プレイヤーに配ります。
ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、 ビッドを行います。
自分の番のとき、下記のコントラクトの表のコントラクト名をビッドするか、パスをするかします。誰かがビッドした場合には、それより強いコントラクトをビッドするかパスをするかになります。表の下にあるほど強いコントラクトです。数字の書いてあるコントラクトの場合では、同じ欄でも数字の大きいほうが強いコントラクトになります。
一度パスをしても後でビッドに参加することもできます。ビッドのあと3人続けてパスをしたら、ビッドは終了します。最後にビッドしたプレイヤーがデクレアラーになります。
4人全員がパスの場合には、配り直しとなります。ディーラーは左隣に交代します。
得点 | コントラクト | コメント | パート ナー |
切札 |
---|---|---|---|---|
1
|
120,130,140 | 普通コントラクト。 |
○
|
○
|
3
|
ピッコロ | 第1トリックだけを勝つ。 |
×
|
○
|
3
|
ミゼール | 全トリックを負ける。 |
×
|
○
|
2
|
150,160 | 普通コントラクト |
○
|
○
|
2
|
ケレルチェ | 切札ジャックをパートナーにする。全トリック勝つ。 |
○
|
○
|
2
|
ズワベル | 全トリック+自分で最初の4トリック。 |
○
|
×
|
3
|
170,180,190 | 普通コントラクト。 |
○
|
○
|
5
|
ソロ・ズワベル | 全トリックを勝つ。 |
×
|
×
|
6
|
ピッコロ・ウベルト | 第1トリックだけを勝つ。2トリック目から公開。 |
×
|
○
|
4
|
200,210,220... | 普通コントラクト。 |
○
|
○
|
6
|
ミゼール・ウベルト | 全トリックを負ける。2トリック目から公開。 |
×
|
○
|
9
|
スティル・プラーチェ | 全トリックを負ける。最初から公開。 |
×
|
○
|
5
|
パンドエール | 普通コントラクトと同様にして、全トリックを勝つ。 |
○
|
○
|
5
|
パンドエール+20,40... | パンドエール+ロエム、スツックの点数 |
○
|
○
|
9
|
プラーチェ | 全トリックを負ける。最初から公開。話し合い可能。 |
×
|
○
|
10
|
プリベ | 全トリックを勝つ。 |
×
|
○
|
数字だけを書いている普通コントラクトでは、デクレアラーが切札を決め、あるスートのエースを指定してパートナーを指名します。たとえば「切札はクラブ。ハートのエースを持っているプレイヤーがパートナー。」というように宣言するわけです。なお、数字は10単位で上がります。プレイ後にデクレアラーとパートナーの取ったカードの点数、最後のトリックの点数、ロエムとスツックの点数を加えてこの数字以上になればコントラクト成功になります。
ピッコロ(Piccolo)では、切札を宣言し、1人でプレイして、最初のトリックだけを勝ち、あとはすべて負けなければなりません。ピッコロ・ウベルト(Piccolo Ouvert)も同様ですが、デクレアラーが第2トリックをプレイするときに、デクレアラーのすべてのカードは公開されます。
ミゼール(Misere)では、切札を宣言し、1人でプレイして、全トリックを負けなければなりません。ミゼール・ウベルト(Misere Ouvert)も同様ですが、デクレアラーが第2トリックをプレイするときに、デクレアラーのすべてのカードは公開されます。
ケレルチェ(Kereltje)では、切札を宣言し、パートナーは切札のジャックを持っているプレイヤーになります。パートナーとあわせて全トリックを勝たねばなりません。自分で切札のジャックを持っている場合には1人でプレイすることになります。
ズワベル(Zwabber)は切札なしでプレイします。パートナーは普通コントラクトと同じように指名します。パートナーとあわせて全トリックを取らなければなりません。また、デクレアラーは最初の4トリックを全部自分で取らなければなりません。ソロ・ズワベル(Solo-Zwabber)では、切札なしで、1人でプレイして、全トリックを勝たねばなりません。
スティル・プラーチェ(Stil Praatje)では、切札を宣言して、第1トリックをデクレアラーがリードすると同時に、手札を全部公開します。全トリックを負けなければなりません。プラーチェ(Patje)も同様ですが、他のプレイヤーも手札を公開します。デクレアラー以外のプレイヤーは話し合いながらプレイをすることができます(他のプレイヤーのカードに手を触れたりメモを取ったりすることはできません)。
パンドエール(Pandoer)では、普通コントラクトと同じように切札とパートナーを指定します。全トリックを勝たなければなりません。
パンドエール+20,40...はパンドエールと同様ですが、デクレアラーチームはロエムとスツックでこの数字以上を得なければなりません。数字は20単位で指定します。
プリベ(Prive)では、切札を宣言して、1人で全トリックを勝たねばなりません。
ビッドが終わると、デクレアラーはまずテーブル中央に1枚配られているカードを手札に加えて、1枚を裏向きに捨て札します。捨て札したカードは、プレイのあともデクレアラーのものとしては扱われません。
次に、切札があるゲームでは、どのスートを切札にするかを宣言します。
このあと、パートナーのあるゲームでは、あるスートのエースを指定してパートナーを指名します。例えば「スペードのエース」というようにです。指名されたプレイヤーは断ることはできず、必ずパートナーになります。スートは自由に決めてかまいませんが、自分の持っているカードや自分が捨て札したカードを指定することはできません。4枚のエースを自分が持っている場合には、キングを指定します。キングも4枚あればクイーンを指定します。ケレルチェの場合だけは、切札ジャックを持っているプレイヤーがパートナーになります。
パートナーに指定されたプレイヤーはすぐには名乗りません。しかし、パートナーはデクレアラーが勝ったときに取ったカードを自分の前に置くことになっています。ですからデクレアラーが勝った時にはパートナーが分かります。また指定されたカードをプレイしたときにもパートナーと分かります。
デクレアラーが最初の リード を行って、 トリックテイキングゲーム のプレイを行います。プレイの順序は時計回りです。
通常通り、切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ち、プレイされたカードを取ります。切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。どのカードをリードしてもかまいません。
切札がリードされた場合は次のようになります。
ただし、切札のジャックは上記のフォローの規則に従わないで、いつでも出すことができます。また、切札をリードされたたときに切札ジャックしか持っていない場合、切札ジャックを出さずに他のカードをプレイしてもかまいません。
切札なし(ノートランプ)でプレイする場合のフォローの規則は次の通りです。
最後のトリックを取ったプレイヤーには5点が与えられます。
普通コントラクトやパンドエール+20,40...のコントラクトの場合、デクレアラーとそのパートナーはロエムやスツックの宣言をすることができます。
最初のリードを行った直後に、デクレアラーは自分のロエムの点数の合計を宣言することができます。
それに対して、1度でもパス以外のビッドをしたことのある相手側のプレイヤーは、もしロエムを1つでも持っていたら、デクレアラーにロエムの内容を宣言するように要求することができます。
この場合、デクレアラーは自分の最も強いロエムを「キングを頭にした5枚シークエンス」とか「クイーン4枚」などと宣言します。
相手方のプレイヤーは、それより強いロエムを持っていたら、自分の持っているロエムの内容を宣言します。この場合、デクレアラーのロエムは無効になり、デクレアラーはロエムの点数を全く得られなくなります。
相手方がより強いロエムを持っていない場合は、デクレアラーの宣言の点数がそのまま認められます(もちろん実際にその点数のロエムを持っていなければなりませんが見せる必要はありません)。
デクレアラーがロエムを宣言して無効にならなかった場合、デクレアラーのパートナーは、パートナーであること明らかになったときに、自分の持っているロエムの点数を宣言して加算することができます。(最初の手札にロエムがあれば、ロエムのカードをプレイしていた場合でも、ロエムとして認められます。)
デクレアラーがロエムを宣言していない場合でも、デクレアラーのパートナーは、パートナーであること明らかになったときに、自分の持っているロエムの点数を宣言することができます。この場合には、上記と同様に相手側がロエムを無効にする可能性があります。
デクレアラーがロエムを宣言したのに無効になった場合でも、デクレアラーのパートナーが相手側より強いロエムを持っていた場合には、パートナーであること明らかになったときに、その内容を宣言してロエムを有効にすることができます。この場合、デクレアラーのロエムもすべて有効になります。
スツックは、デクレアラーでもそのパートナーでも、切札のキングとクイーンを2枚ともプレイする前ならばいつでも宣言できます。無効になることはありません。
コントラクトに成功した場合、デクレアラーとそのパートナーはそれぞれコントラクトの点数をスコアシートの自分の欄に書き加えます。失敗の場合には、コントラクトの点数をマイナス点として、それぞれの自分の欄に入れます。
パートナーがいない場合には、デクレアラーだけがコントラクトの点数(プラスまたはマイナス)をスコアシートの自分の欄に書き加えます。
ケレルチェで「自分で切札のジャックを持っている場合には1人でプレイすることになります。」というのは推測です。http://www.pagat.comのルールには書いていませんでした。もしかしたら、そのような場合にはケレルチェをビッドできないのかもしれません。
2006年12月2日なかよし村でプレイしました。ルールは複雑ですが、その分はゲームの面白さに生かされています。複雑と言っても、自然なルールが多いので、表など見ながらプレイすれば、それほど難しいわけではありません。