2015/12/5 赤桐
タロットカードを使ったブラックレディー系統のゲームです。フランスでプレイされています。 20世紀になってから現れたゲームのようです。
ルールはMichael Dumett氏とJohn Macleod氏の"A History of Games Played with the Tarot Pack"に基づきますが、 その記述はDaniel Daynes氏とFrédéric Sarian氏の"Le Tarot, ses regles et toutes ses variantes"に基づくそうです。
3人~6人。
フランスの78枚のタロットカードを使います。6人でプレイする時は、2組のカードを混ぜます。
スートはスペード、ハート、ダイアモンド、クラブです。各スートのカードとその強さは:
(強)キング(R)、クイーン(D)、カバロ(C)、ジャック(V)、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1(弱)です。
その他に21枚の切札のスートと、エクスキューズのカードがあります。切札のスートの各カードにはには大きくアラビア数字で1〜21の数が書かれています。21の数が書かれたものが最も強く、数が小さくなるほど弱くなります。切札の1のことをプチ(Petit)と呼ぶことがあります。エクスキューズには音楽家の絵が描かれていて、インデックスには黒い星印が書かれています(日本製の競技用タロットには0が書かれています、占い用タロットなら愚者のカードです)。
カードの点数(罰点)は次の通りです。
カード | 点数 |
---|---|
各クイーン | 50点 |
切札1~21 | そのカードの数字 |
それ以外 | 0点 |
全部のカードの合計点数は431点です。ゲームの目的は、できるだけ点数を取らないことです。
最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは反時計回りの順に交代します。
ディーラーは、何枚のカードを配るかと、何枚を右にパスし、何枚を左にパスするかを宣言します。 パスというのは全員が自分の手札から決められた数のカードを選んで、他のプレイヤーに裏向きで渡すことです。 自分のカードを渡す前に、受け取るカードの中身を見てはいけません。
例えば、「10枚配って、2枚は右隣に、3枚は左隣にパス」なら、配られた10枚の手札から裏向きに2枚を右隣のプレイヤーに裏向きに渡し、 3枚を左隣のプレイヤーにパスするということです。宣言するときに、右隣あるいは左隣だけにパスをすることにしたり、 全くパスをしないということにしてもかまいません。 もちろん、配る枚数以上の枚数のカードをパスするように宣言することはできません。
ディーラーは、宣言した枚数を各プレイヤーに配ります。
プレイの前に宣言されたパスを行います。
プレイはトリックテイキングゲームの原則に従って行われます。 プレイの順序は反時計回りです。 最初のリードは、ディーラーの右隣のプレイヤーが行います。
フォローの義務は次のようになります。
切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ちます(トリックを取ります)。 切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。
1トリックが終わり、山札に人数分(以上)のカードがあれば、全員が山札の一番上からカードを1枚ずつ取り、 手札に加えます(取る順序は特に決まっていないようです)。 十分な数のカードが山札にないときは、山札から取らずにトリックのプレイを続けます。
全員の手札がなくなったら、プレイ終了です。山札に残っているカードがあれば、最後のトリックに勝ったプレイヤーが取ります。
エクスキューズは、上記のフォローの規則をすべて無視して、いつでもプレイすることができます。 エクスキューズがリードされた場合には、次のプレイヤーはどのカードでも出すことができます。 このカードのスートが、リードされたスートとして扱われます。
エクスキューズは、最も弱いカードとなります。
最初に決めて置いた回数のディールが終わったらゲーム終了です。このときに、合計罰点の最も少ないプレイヤーが勝者です。
本文では、「リードされたスートを持っていなければ、切札を出します。」としておきましたが、 切札を出さなければならないかどうかは明確ではないようです。