2019/8/3 赤桐
シャーフコップの一種ですが、ドイツのファルツ(Pfalz)地方でプレイされています。
3人
通常の52枚のカードから、各スートの2〜6を除いた、32枚のカードを使います。
各カードには次のような点数があります。
カード | 点数 |
---|---|
A | 11点 |
10 | 10点 |
K | 4点 |
Q | 3点 |
J | 2点 |
9、8、7 | 0点 |
すべてのカードの合計点数は120点です。
切札のカードとその強さの順位は強いものから順に:
Q、Q、Q、Q、J、J、J、J、A、10、K、9、8、7
切札以外の各スートのカードと強さの順位は強いものから順に:
A、10、K、9、8、7
最初のディーラーは任意に決めます。次回からは時計回りに交替します。
ディーラーは、まず各プレイヤーに3枚ずつまとめて配り、次に2枚のカードをテーブルの上に裏向きに置きます。次にまた、各プレイヤーに4枚ずつまとめて配り、最後に各プレイヤーに3枚ずつ配ります。各プレイヤーに配るときは、ディーラーの左隣から時計回りに配ります。各プレイヤーの手札は10枚になります。
テーブルに置かれた2枚のカードはスカートと呼ばれます。
ティールが終わるとビッドを行います。 ビッドに勝ったプレイヤーは、ソロイストと呼ばれますが、プレイで1人で61点以上取ることを目指します。
ビッドのときには、ソロイストになったときに行うプレイの種類を宣言します。 このプレイの種類をコントラクトと呼びます。 コントラクトは、弱いものから順に、次のようになります。
ソロイストは、スカートの2枚を裏向きのまま取り手札に入れたあと、2枚のカードを手札から裏向きに捨て札します (スカートにあったカードを捨て札してもかまいません)。 そのあと、切札にするスートを宣言します。
捨て札の2枚は、プレイのあと、ソロイストの取ったカードとして計算に加えられます。
スカートのカードは、そのままにしておき、プレイには使いません。 ソロイストは、配られた手札で戦います。
スカートの2枚は、プレイのあと、ソロイストの取ったカードとして計算に加えられます。
プレイの方法はソロと同じですが、ハートを切札にするときは、ハート・ソロと宣言できます。
ソロと同じようにプレイしますが、ソロイストは、10トリック全部を取る必要があります。 他のプレイヤーが1トリックでも取れば、プレイは失敗となり終了します。
ドゥ(Du)とは、フランス語のtout(トゥ=全部)が訛ったものです。
プレイの方法はソロ・ドゥと同じですが、ハートを切札にするときは、ハート・ソロ・ドゥと宣言できます。
まず、ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りに1巡だけ、ソロかそれより強いコントラクトだけのビッドをします。 もちろん、ビッドしたくないプレイヤーはパスをします。
最初にパス以外のビッドを行うプレイヤーは、もっと強いコントラクトを予定していても、「ソロ」とビッドします。 それ以降のプレイヤーは、それより強いソロのビッドすることができます。 もちろん、それまでビッドされたコントラクトより強いコントラクトでなければなりません。
「ソロ」とビッドしたプレイヤーがソロイストになったときだけは、それより強いコントラクトに変えることができます。
最初の1巡で誰もソロのビッドをしなかったときは、もう1巡ビッドを行います。 このときビッドできるのはシンプル・ゲームだけです。 誰かがそのビッドを行ったら、ビッド終了です。 (シンプル・ゲームでもハートの時には得点は大きくなりますが、「ハート・シンプル・ゲーム」のコントラクトはありません。)
2巡目でも誰もビッドしなかった時は、プレイは行われません。 次のディーラーが次のディールを配ります。
ビッドが終わると、「ソロ」のビッドをしたプレイヤーは、より強いコントラクトに変更できます。
そのあと、シンプルゲームならスカートのカードと手札を交換したあと、切札を宣言します。
ディフェンダー(デクラアラー以外のプレイヤー)の1人は、最初のプレイを行う前なら、 コントラ(Kontra/ダブル)を宣言して、ゲーム点を2倍にすることができます。 これに対して、ソロイストはレコントラ(Rekontra/リダブル)を宣言して、ゲーム点を更に2倍にすることができます。 これば、何度でも繰り返すことができます。 (2回目以降の宣言で、ディフェンダーは最初と同じプレイヤーでなくてもかまいません)。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。
通常のトリックテイキングゲームのルールに従ってプレイします。つまり:
なお、クイーンとジャックはそのカードに記されているスートではなく、切札のスートに属すことに注意して下さい。
ソロイストが61点以上を取ったら、ソロイストの勝ちになります。
ソロイストまたはディフェンダー(ソロイスト以外のプレイヤー)が91点以上取ったら(それ以外のプレイヤーが30点未満なら)、シュナイダー(Schneider)となり、ゲーム点が1つ増えます。
ソロイストまたはディフェンダーが全トリックを取ったら、シュワルツ(Schwarz)となり、さらに1ゲーム点が増えます。
ソロイストの手札、またはディフェンダー全員の手札全部の中で、最も強い切札から強さの順に3枚以上の切札があれば、 その連続する切札の枚数だけ、ゲーム点が増えます。
例えば、Q、Q、Qとあれば、3ゲーム点、 Q、Q、Q、Q、Jなら5ゲーム点です。 Q、QがあってQがなければ、ゲーム点は増えません。
得点は、以下のゲーム点をすべて算入したものです。
項目 | ゲーム点 |
---|---|
ゲーム(プレイが成功しても失敗しても) | 1ゲーム点 |
ハートが切札 | 1ゲーム点 |
シュナイダー(91点以上獲得) | 1ゲーム点 |
シュワルツ(全トリック獲得) | 1ゲーム点 |
トップ | トップに属する切札1枚ごとに1ゲーム点 |
ソロ | 1ゲーム点 |
ソロ・ドゥ | 今までのゲーム点の合計を2倍 |
ダブル | ダブル1つごとに、今までのゲームの合計を2倍 |
例えば、ハート切札のソロ・ドゥで、クイーン4枚を持っていて(Jなし)、 コントラとレコントラの宣言があり、全トリックを取った時は、 (ゲーム1 + ハート1 + シュナイダー1 + シュワルツ1 + トップ4 + ソロ1) * 2(ソロ・ドゥ) * 2(コントラ) * 2(レコントラ) = 72点となります。
ソロイストがカードの点数を61点以上取ってプレイ成功した時は、計算したゲーム点を他の2人からもらいます。 失敗した時には、他の2人にゲーム点を支払います。
ディフェンダーは、プレイを始める前に、降参をすることができます。 降参のときも通常通り得点を計算しますが、シュナイダーとシュワルツの得点は計算しません。
ソロイストは降参を断ることができます。 断った場合には、シュナイダーを達成しないと、プレイ失敗となります。
ファルツ地方のシャーフコップの4人ゲームです。 3人ゲームとの違いだけを書きます。
4枚ずつ全部のカードを各プレイヤーに配ります。手札は8枚です。
ハートが切札になり、ソロイストが指定したスートのエースを持っているプレイヤーが、ソロイストのパートナーになります。
ソロイストは、パートナーなしでで戦います。
プレイの方法はソロと同じですが、ハートを切札にするときは、ハート・ソロと宣言できます。 (得点は、ソロとビッドして後でハートを切札にしたときと同じです。)
ソロと同じようにプレイしますが、ソロイストは、8トリック全部を取る必要があります。
プレイの方法はソロ・ドゥと同じですが、ハートを切札にするときは、ハート・ソロ・ドゥと宣言できます。 (得点は、ソロ・ドゥとビッドして後でハートを切札にしたときと同じです。)
ソロイストの左隣から時計回りに1巡だけビッドを行います。 自由にコントラクトをビッドできます。
アースルーフェンのビッドがあり、そのあと他のビッドがないときは、「よろしいですか(darf man)」と言って、 アースルーフェンのコントラクトを取ることができます(そのあとのプレイヤーは「よろしいですか」とは宣言できません。)
ただし、「よろしいですか」を宣言するためには、後で述べる制約に従って、切札以外のエースを指定できる手札でなければなりません。
アースルーフェンのコントラクトの時には、ソロイストは切札(ハート)以外のスートのエースを指定しなければなりません。 指定するエースは、自分が持っていないエースで、手札に1枚以上あるスートのエースでなければなりません (切札以外でエースがないスートがない場合を除く)。
もし切札以外のエースをすべて持っていたら、10を指定します(同様の制限あり)。
指定されたエースを持っているプレイヤーは、プレイでそのカードを出す時か、レコントラを行う時まで、 持っていることを隠さなければなりません。
次の追加ルールがあります。
2019年8月3日、なかよし村でプレイしました。
結構複雑ですが、面白いゲームです。