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スタッド・ポーカー(Stud Poker)

2023/5/25 赤桐

共有カードは存在せず、各プレイヤーに裏向きのカードと表向きのカードが配られるポーカーをスタッド・ポーカーと呼びます。 南北戦争(1861年-1865年)のころに発明されたとい言われています。 共有カードポーカーが人気になる前は、ポーカーゲームの主流でした。


セブンカード・スタッド(Seven Card Stud)

人数:2人~8人

ホールデンが普及するまでは最も人気のあるポーカーゲームでした。 現在でも人気があります。

アンティ

ディールの前に各プレイヤーは同額のチップをポットに支払います。 これがアンティ(Ante)となります。 フィックスリミットのゲームなら、普通アンティの額は通常のベットの額の15%~20%程度です。 例えば20/40のリミットなら3チップくらいです。

最初のディール

ディーラーは各プレイヤーに2枚の裏向のカードを配り、そのあと各プレイヤーに1枚の表向きのカードを配ります。

最初のベット

最初のベットでは、表向きのカードのランクが最も低いプレイヤーが最初にベットを行います。 同じランクならば、クラブが最もランクが低く、ダイアモンド、ハート、スペードと上がっていきます(スートの頭文字のアルファベット順です)。

最初にベットするプレイヤーは、ブリングイン(Bring-In)と呼ばれる額をベットしなければなりません。 チェックやフォールドあるいは通常の額のビッドを行うことはできません。

ブリングインの額は、フィックス・リミットのゲームなら、普通は通常のベットの額の25%~33%程度です。 例えば20/40のリミットなら5チップくらいです。

最初にベットするプレイヤーは、ブリングインの代わりに通常のオープニングベットを行うこともできます。

ブリングインの額がベットされた場合には、2人目のプレイヤーは次の3つの中から行動を選択します。

  1. ブリングインと同額を出してコールする。
  2. 通常のビッドのリミットの範囲のベットを行う。 例えば20/40のフィックス・リミットならば、20チップを出します(20チップにブリングインのチップ数をプラスするわけではありません)。 これはレイズではなくコンプリート(Complete)と呼ばれます。 レイズの回数の制限がある場合でもレイズとして数えません。
  3. フォールドする。

2人目のプレイヤーがプラグインと同額のコールを行うかフォールドした場合、3人目は同様の3つの選択肢があります。 以降も同様です。

コンプリートがあった場合は、通常通りコールやレイズを行うことができます。

最初のベットをサード・ストリート(Third Street)と呼びます。 これ以降のベットはフォース・ストリート(Fourth Street)、フィフス・ストリート(Fifth Street)、シックスス・ストリート(Sixth Street)、セブンス・ストリート(Seventh Street)と呼ばれます。

2回目のディールとベット

ディーラーは各プレイヤーに表向きのカードを1枚ずつ配ります。 カジノでは、カードを配る前にバーンを行います。 つまり1枚のカードを捨て札します。 これは以降のディールでも同様です。

2回目以降のベットでは、各プレイヤーの表向きになったカードを比べ、ポーカーハンドとしての強さが最も強いプレイヤーからベットを始めます。 このときストレートやフラッシュは認められません(最高4枚しか表向きにならないからです)。 全く同じ強さの場合は、ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りの順に、最もディーラーに近いプレイヤーが最初にベットします(ディーラーは最も優先度が下がります)。 別の方法として、スートを比べて強いほうが先にベットするというやりかたもあります。

ベットではチェックを行うことが可能です。 全員チェックした場合にはその回のベットは終了します。

3回目のディールとベット

同じように表向きのカードを1枚ずつ配ります。 ベットの方法も2回目と同じです。

4回目のディールとベット

やはり表向きのカードを1枚ずつ配ります。 ベットの方法も3回目と同じです。 フィックス・リミットならば、ベットの単位がこれまでの2倍となります。 スプレッド・リミットでも制限額が上がります。

最後のディールとベット

最後に裏向きのカードを1枚ずつ配ります。 4回目と同様にベットを行います。

ショーダウン

フォールドしていない各プレイヤーは、7枚のカードの中から自由に5枚を選び、最高のポーカーハンドを作ります。 最も強いポーカーハンドのプレイヤーがポットのチップを全部もらいます。 全く同じ強さのポーカーハンドの場合は、ポットのチップを均等に分けあいます。 割り切れずに余ったチップは、ディーラーの左隣から時計回りの順で、勝ったプレイヤーが1チップずつ受け取ります。

カードが足りないとき

8人プレイヤーでは、フォールドするプレイヤーの数とタイミングによっては、最後のディールのカードが足りなくなることがあります。 このとき、バーンしたカードがあり、それを使えば全員に配ることができる場合は、それを配ります。 (手順:1.最後の1枚を残して通常のデッキからプレイヤーに配る。 2.最後の1枚とバーンしたカードを混ぜてシャッフルしカットしてもらう。 3.1枚をバーン。 4.残りのプレイヤーに配る。 これで1枚足りなくなる時はバーンを省略します。) それでも足りないようなら、各プレイヤーには配らないで、テーブル中央に1枚だけ表向きに配ります。 このカードは全プレイヤー共通のカードとなります。 なお、フォールドしたプレイヤーのカードをシャッフルし直して配ってはいけません。

セブン・スタッド・エイト(Seven-Stud/8, セブンカード・ハイロー・エイト・オア・ベター・ハイロー・スプリット, Seven-Card Stud Eight-or-Better High-Low Split)

人数:2人~8人

セブンカード・スタッドをハイローで行うゲームです。 現在では普通のセブンカード・スタッドより人気があるようです。

ショーダウンのときに、フォールドしていない各プレイヤーは自分のカードでハイボールのハンドとローボールのハンドの両方を作ります。 ハイロールとローボールでは別のカードを選択してかまいません。 ローボールでは、ストレートとフラッシュは無効では最も低いランクとなります。 ----が最も良いハンドになります。

最も強いハイボールのハンドのプレイヤーと、最も弱いローボールのハンドのプレイヤーがポットを半分ずつもらいます。 ただし、最高のローボールのハンドがを最強カードとするハイカードより悪かった場合には、ハイボールの勝者がポットを全部もらいます。

上記以外のルールは普通のセブンカード・スタッドと変わりません。 各ベッティングラウンドで最初にベットするプレイヤーもセブンカード・スタッドと同じです(ハイボールを基準にすることになります)。 アンティやブリングインの額も同程度のようです。

セブンカード・スタッド・ハイロー(Seven Card Stud High-Low)

セブン・スタッド・エイトと同様ですが、ローボールのハンドの制限がありません。

ラズ(Razz)

人数:2人~8人

セブンカード・スタッドのローボールです。 これも人気があります。 ストレートとフラッシュは認められずは最も低位いカードです。

最初のビッドでは最も高位のカード(など)が表になったプレイヤーからビッドを行います。 同じランクならば強いスートのプレイヤーからベットを行います。

次回からは、最も弱いハンド(ローボールとしては良いハンド)が表になったプレイヤーからベットを行います。

誰かのプレイヤーの表向きのハンドにペアが出現した時は、ディーラーはそれを発表します。 ただし、のペアの時は発表しません。

ポット・リミットやノー・リミットでプレイされることもあります。

ファイブカード・スタッド

人数:2人~10人

スタッドポーカーとしては最も古いゲームの1つですが、現在でもカジノや家庭でプレイされることがあります。

カードは5枚配られますが、最初の1枚だけが裏向きになります。

最初の2枚配られた後と、そのあと1枚配られるたびにベットを行います。 フックス・リミットのゲームでは、3回目と4回目のベットでリミットの額が2倍になります。

アンティを支払った後、最初のベットから最後まで、最も強いポーカーハンド(ストレートやフラッシュは入れない)のプレイヤーからチェック可能なベットを行うのが伝統的なやりかたです。 現在ではセブンカード・スタッドと全く同じようにベットすることも多いようです。

ベースボール(Baseball)

人数:2人~6人

家庭ゲームとして少し人気のあるゲームです。

セブンカード・スタッドと同じようにプレイしますが、のランクのカードがワイルドカードになります。 また、のカードが表向きに配られたときには、次のプレイヤーに配る前に、このプレイヤーにもう1枚表向きのカードが配られます(これがならばさらに配られます)。 このプレイヤーは8枚(以上)のカードの中から5枚を選ぶことができます。

裏向きに配られたにも追加カードを配るルールなどもあります。

ノーピーク(No Peek/Seven Card No Peek)

人数:2人~8人

全員がアンティを出したあと、ディーラーは7枚のカードを各プレイヤーに裏向き配ります。 プレイヤーはこのカードを見てはいけません。

ディーラーの左のプレイヤーは、裏向きのカードの1枚目を表向きにします。 この状態で最初のベットラウンドがあります。 このプレイヤー以外は自分のハンドが全く分からない状態でベットを行うことになります。

次に、この左隣のフォールドしていないプレイヤーが、自分のカードの最初の1枚を表向きにしますが、このカードがポーカーハンドとして最初のプレイヤーに勝てないものなら、勝つまで他のカードを1枚ずつ表向きにしていきます。 つまり、最初のプレイヤーのカードより強いハンドが表向きになるまで、めくり続けるわけです。 そのあと2回目のベットラウンドとなります。 なお、全部のカードをめくっても最初のプレイヤーに勝てなければ、そのプレイヤーはフォールドしたことになり、ベットラウンドはありません。

このように、各プレイヤーが、今までに表になった最高のポーカーハンドより強くなるまで自分のカードを表向きにしていき、そのたびにベットラウンドがあります。

こうして、1人を除く全員がフォールドするまで何周でも続けます。 最後に残ったプレイヤーがポットをもらいます。

なお、表になっているカードが少ない状態より多い状態のほうが強いハンドになります。 例えばが1枚表になっているハンドより、が表になっているハンドのほうが強くなります。 ストレートとフラッシュは5枚揃わなければ認められません。

ラズデューギ(Razzdugi)

人数:2人~8人

ラズとバデューギを組み合わせたゲームです。

プレイの進行はラズと全く同じように行います。

ショーダウンのときには、各プレイヤーの7枚のカードをローボール(は最低ランク、フラッシュ・ストレートなし)およびバデューギ(は最低ランク)のハンドとして評価して、それぞれ最も良いハンドのプレイヤーがポットを分け合います。

エース()を最高ランク、フラッシュ・ストレートありのローボールとして評価することもありますが、これはツー・ツ・セブン・ラズデューギ(2-7 Razzdugi)やラズデューシー(“Razzdeucy)と呼ばれます。 この場合でもバデューギではは最低ランクです。