2007/8/4 赤桐裕二
プレファはオーストリアや東欧、ロシアなどでプレイされているプリファランスというゲームの一種です。ギリシャでプレイされています。トリックテイキングゲームです。
ルールは
http://empire2.esc.edu/facultyweb/ericball.nsf/4b0f771c4ddc31ed85256889006cdaaa/
f533f1df5472278485256f640080d3a2?OpenDocument に従います。
3人。カード
通常のトランプから各スートの2〜6のカードを除いた32枚を使用します。
強さは各スート共に、(強い)A、K、Q、J、10、9、8、7(弱い)
最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは、ディーラーは反時計回りに交代します。
ディーラーは、ディーラーの右隣から反時計回りに2枚ずつカードを配ります。そのあとテーブル中央に2枚のカードを裏向きに配ります(これをキティーと呼びます)。最後に、残りのカードを2枚ずつ全員に配ってしまいます。各プレイヤーの手札は10枚になるはずです。
ディールが終わると、ビッドを行います。
ビッドの種類とその強さは次の通りです。
6S < 6C < 6D < 6H < 6NT < 7S < 7C < 7D < 7H < 7NT < 8S < 8C < 8D < 8H < 8NT < 9S < 9C < 9D < 9H < 9NT < 10S < 10C < 10D < 10H
6Sはシックス・スペード、6Cはシックス・クラブ、6Dはシックス・ダイアモンド、6Hはシックス・ハートでいずれもそのスートを切札にして6トリック以上取るというコントラクトです。6NTはシックス・ノートランプで、切札なしで6トリック取るというコントラクトです。以下同様になります。10NTというビッドはありません。
ただし、実際のビッドでは通常は6の代のビッドは「シックス」を省略して言うことが多いようです。つまり「シックス・スペード」という代りに単に「スペード」と言います。
ディーラーの右隣のプレイヤーからビッドを始め、反時計回りにビッドを行ないます。最初にビッドをするプレイヤーはどのビッドでも行なえますが、誰かがビッドしたら、その後でビッドするプレイヤーは、席順が下位のプレイヤーならば最後にビッドしたビッドよりも1つだけ上のビッドをしなければなりません。席順が上位のプレイヤーならば、「同じ(グッド)」と発言して同じビッドの内容をビッドしなければなりません。席順は、ディーラーの右が最も高く、反時計回りに低くなっていき、ディーラーが最も低くなります。
例えば、ディーラーの右隣のプレイヤーが7Sをビッドしたとき、その右隣のプレイヤー(席順下位)は手札に関わらず7Cをビッドしなければなりません(パスもできます)。このときディーラーがパスをしたとすれば、ディーラーの右側のプレイヤー(席順上位)は再度ビッドするとすれば「同じ(グッド)」(7C)をビッドしなければならないことになります。
ビッドをしたくなければパスを宣言します。一度パスをすると、もうビッドをすることはできません。
1人を除いて全員がパスをしたら、パスをしていないプレイヤーは「デクレアラー」になります。他の2人のプレイヤーは「ディフェンダー」と呼ばれます。
最初から3人続けてパスをした場合は配り直しとなります。ディーラーは次の(右隣の)プレイヤーに移ります。
ビッドのあと、デクレアラーはテーブル中央の2枚のカード(キティー)を他のプレイヤーに見せずに手札に加えます。そのあと、2枚のカードを裏向きに捨て札します。捨て札するカードは、キティーから取ったカードを含め、どのカードでもかまいません。
手札の交換のあと、デクレアラーは改めてプレイするコントラクトを宣言します。
宣言するコントラクトは、ビッドしたコントラクトかそれより強いコントラクトであれば、何でもかまいません。スートが違っていてもOKです。ノートランプにしたりノートランプから切札のゲームにすることも可能です。
コントラクトの宣言が終わると、各ディフェンダーは、プレイに参加する(出る)か参加しない(降りる)かを決めます。
まず、デクレアラーの右隣のプレイヤーが「出る」か「降りる」かを宣言します。
次に、デクレアラーの左隣のプレイヤーが宣言しますが、右隣のプレイヤーが「出る」を選択していた場合には、次のいずれかを選択します。
デクレアラーの右隣のプレイヤーが「降りる」を宣言していた場合には、デクレアラーの左隣のプレイヤーは次のいずれかを選びます。
デクレアラーが誰であっても、ディーラーの右隣のプレイヤーが最初のリードを行ないます。もしそのプレイヤーが降りていた場合にはその右隣のプレイヤーがリードを行います。トリックテイキングゲームです。プレイは反時計回りに行います。
プレイヤーはリードされたスートをフォローしなければなりません。フォローできないときには、切札を出さなければなりません。切札もないときにはどのカードを出してもかまいません。
切札が出ているときには、最も強い切札を出したプレイヤーがトリックに勝ちます。そうでないときには、リードされたスートで最も強いカードを出したプレイヤーがトリックに勝ちます。勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。
このゲームではポット(Kassa)とチップ(Kapikia)という2種類の点数を使います。ポットはチップの10倍の価値がありますが、別々に管理するので、次のような得点表を作ればよいでしょう。
ポット | チップ | ||||
プレイヤー1 | プレイヤー2 | プレイヤー3 | プレイヤー1 | プレイヤー2 | プレイヤー3 |
20 | 20 | 20 | |||
ポットは、最初に各プレイヤーに10,20,31などの同じ点数を書き入れます。その点数はゲームが進むにつれて減っていきます(増えることもあります)。全プレイヤーのポットの点数が0になったらゲーム終了です。
チップの点数はプレイヤー間の点数のやり取りとして使用します。あるプレイヤーのチップの点数をプラスしたら、必ず他のプレイヤーの点数をその分マイナスしなければなりません。
各プレイヤーはプレイの結果により自分のポットを減らしたり増やしたりすることがありますが、マイナスの点数になることはありません。減らすときに、自分のポットの点数が0より少なくなるときには、減算しきれない分を他のプレイヤーのポットから引きます。その場合には、相手プレイヤーから、減らしたポットの数字の10倍のチップをもらいます(つまり、相手のプレイヤーのチップの欄をマイナスして、自分のチップの欄を同じ数プラスします)。自分のポットを増減するときにはこのような支払いはありません。
ほかのプレイヤーのポットから減算する場合には、ポットの残りの多いプレイヤーから減算します(だれのポットから引いても実質的な違いはないのですが)。1人のポットから引ききれないときには、もう1人のポットからも引きます。(他の2人のポットが同じ場合は、それぞれからほぼ同じ数だけ引けばよいでしょう。)
もし、全員のポットを合わせても減算しきれない場合には、それ以上引くことはできません。実際に他のプレイヤーから減算した分(x10)のチップだけを受け取ることができます。
それぞれのコントラクトには固有の点数があります。これをゲームバリューと呼んでおきます。ゲームバリューは次の通りです:
6S | 2点 |
6C | 3点 |
6D | 4点 |
6H | 5点 |
6NT | 6点 |
7S、7C、7D、7H | 7点 |
7NT、8S、8C、8D、8H | 8点 |
8NT、9S、9C、9D、9H | 9点 |
9NT、10S、10C、10D、10H | 10点 |
デクレアラーがコントラクトのトリック数より多くのトリック数を取った時、以下の表で決められたトリック数以上を各ディフェンダーがとっていなければ、点数を払うことがあります。
コントラクトの トリック数 |
デクレアラーの 右隣のプレイヤー |
デクレアラーの 左隣のプレイヤー |
---|---|---|
6 | 2トリック | 2トリック |
7 | 2トリック | 1トリック |
8 | 1トリック | 1トリック |
9 | 1トリック | 0トリック |
10 | 0トリック | 0トリック |
普通に3人でプレイした場合には、得点は次のようになります:
ディフェンダーがもう1人のディフェンダーを「連れて出」た場合、アクティブなプレイヤーつまり連れ出したプレイヤーだけが得点に関係し、連れ出されたほうのプレイヤーは得点に無関係です:
ディフェンダーが1人だった場合には、次のようになります:
両方のディフェンダーが降りた場合は、デクレアラーは[ゲームバリュー]の点数をポットから引きます。チップのやり取りはありません。
既に述べているように、全員のスコアシートのポットの欄が0になったら、ゲームは終了します。各プレイヤーのチップの点数が最終得点となります。
2007年8月4日、なかよし村でプレイしました。
3人用ビッドありのトリックテイキングゲームとして普通に面白いという感じでした。
それにしても、プリファランスの系統は得点システムが複雑です。