1999/8/7 赤桐
カナスタのバリエーションはたくさんありますが、サンバは最も有名なものでしょう。カナスタが最も盛んだった頃(1950年ごろか)に作られたようです。
2人〜6人。まず4人ゲームを説明します。
52枚の通常のカードに2枚のジョーカーを加えた54枚のカードを3組使用します。合計162枚のカードを使うことになります。3組のカードの裏模様は違っていてもかまいませんが、大きさは同じでなくてはなりません。
メルドというのは、カードの特定の組み合わせを、テーブル上に見えるように出して、得点を得ることです。
同じランク(数位)のカードが3枚以上あれば、それをメルドすることができます。例えば7のカード3枚とか、キングを5枚とかです。
またサンバではカナスタと違って、シークエンスのメルドを作ることもできます。シークエンスとは同じスートの続き札です。例えば、4-5-6-7や、9-10-J-Q-Kというカードです。
メルドのときにはカードは4-5-6-7-8-9-10-J-Q-K-Aの並びとなります。2と3とジョーカーはシークエンスには含まれません。また、シークエンスのメルドは7枚以下でなければなりません。
自分や自分のパートナーのメルドに、カードを付け加えることもできます。これをレイオフ(Lay Off)と呼びます。
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1つのメルドのカードは重ねて置きますが、インデックスが見えるように、ずらしておきます。縦にずらすことが多いようです。ペア(パートナー2人)のメルドは区別する必要はなく、同じ所に置いておきます。
ジョーカーと2のカード全部はワイルドカード(代札)になります。ワイルドカードは、メルドする場合、他のカードの代わりに使うことができます。ただし、シークエンスのメルドには使うことができません。
同位カードのメルドに使う場合でも、最高2枚までしか1つのメルドに使うことはできません。
ワイルドカードでないカードを、ナチュラルカードと呼びます。
メルドした場合のメルドの点数は、メルドしたカードの点数の合計点です。
また、プレイ終了時に手札が残っていた場合には、手札のカードの点数の合計点がマイナス点となります(メルドの点数から、手札の点数を引くことになります。)
カードの点数は次の通りです:
ジョーカー | 50点 |
2 | 20点 |
A | 20点 |
K、Q、J、10、9、8 | 10点 |
7、6、5、4、黒3 | 5点 |
(黒3とは3と3のことです、赤3すなわち3と3にはカードの点数はありませんが、ボーナス点がつきます。詳しくは後述します。)
7枚以上のカードからなる同位カードのメルドのことをカナスタと呼びます。カナスタには前記のカードの点数に加えて次のボーナス点がつきます。
カナスタ1組につき、
ナチュラルカナスタ(ワイルドカードを含まないカナスタ) | 500点 |
ミックスドカナスタ(ワイルドカードを含むカナスタ) | 300点 |
カナスタにはさらにレイオフすることもできますが、ナチュラルカナスタにワイルドカードをレイオフした場合には、ミックスドカナスタになります。
また、7枚のカードからなるシークエンスのメルドのことをサンバと呼びます。ボーナス点はサンバ1組につき1500点です。
カナスタやサンバは普通のメルドにレイオフをすることにより作ってもかまいません。
カナスタやサンバは、普通のメルドと異なり、一番上のカードだけが見えるように重ねて置きます。
区別するため、ナチュラルカナスタの一番上のカードには赤のカードを、ワイルドカナスタの一番上のカードには黒のカードを置きます(可能ならば)。サンバは、一番上のカードを裏返しに置きます。
最初のディーラーは任意のやり方で決めます。次のディールからは、時計回りにディーラーが交代します。
ディーラーは、左隣のプレイヤーから時計回りに1枚ずつ、各プレイヤーの手札が15枚になるよう配ります。
残りのカードは山札(Stock)としてテーブル中央に置きますが、山札の一番上のカードは表向きにして、山札の横に置きます。これはアップカードと呼ばれますが、最初の捨て札としての扱いを受けます。プレイ中の捨て札はこの上に置かれ、「捨て札の山(Discard Pile)」となります。
アップカードがワイルドカードか赤3であれば、もう一度、山札の一番上のカードを表向きにしてこの上に置きます。もしそれもワイルドカードか赤3であれば、それ以外のカードが出るまで、これを繰り返します。
各プレイヤーは、自分の番の時に、次のようなプレイを行います。
1.山札の一番上のカード2枚を取る(ドロー)、または捨て札の山の全部を手に取る。
2.メルドやレイオフを行う。あるいは、しなくてもよい。
3.手札から1枚のカードを捨てる。
ドローは、山札の一番上のカードを、手札に加えることです。このゲームでは自分の番に2枚ドローします。
ドローしたカードが赤3だったら、そのカードを表向きにしてテーブルに出し、その枚数だけ再びドローします。
捨て札を取る場合には、一番上のカードだけでなく、捨て札の山の全部のカードを取らなければなりません。
捨て札を取ることのできる条件は、「フローズン」の場合と、そうでない場合では違ってきます。フローズンについてはすぐ後で説明します。
なお、捨て札が黒3だった場合や、ワイルドカードだった場合には、決して捨て札を取ることはできません。
捨て札の一番上のカードと、手札のナチュラルな2枚の同位カードで、直ちにメルドを作らなければなりません。これができなければ、捨て札を取ることができません。シークエンスのメルドではだめです。
メルドにはそれ以外のカードを付け加えることもできます。捨て札であったカードも付け加えることができます。
フローズンの場合と同じように捨て札を取ることができるほかに、捨て札の一番上のカードが自分の側のメルドにレイオフできるカードであった場合、そのカードを取ってレイオフすることができます。この場合も捨て札の山全体を取ることになります。
このときのメルドは同位カードのメルドでもシークエンスのメルドでもかまいませんが、カナスタであってはいけません。
捨て札の山は次の時にフローズンです。
i)ワイルドカードや赤3のカードが山に含まれているとき(赤3が含まれるのはアップカードが赤3であったときだけです)。
ii)最初のメルドをまだ作っていないペアは、そのペアにとっては捨て札の山はフローズンになっています。
ある側(2人のパートナー)が最初のメルドを作るときには、そのメルドの点数は次の点数以上でなければなりません。2つ以上のメルドを同時に作って、その合計が次の点数以上でもかまいません。
今までのディールで得ている得点 | 必要な点数(ミニマムカウント) |
マイナス点 | 15点 |
0〜1495 | 50点 |
1500〜2995 | 90点 |
3000〜4995 | 120点 |
5000以上 | 150点 |
捨て札から取ってメルドを作るときには、一番上の捨て札だけが、このためのメルドの点数として数えてもよいカードです。
赤3やカナスタのボーナス点は数えません。
最初のメルドを行ったときに点数が不足していた場合には、手札からカードを付け加えることにより必要な点数に達する場合には、そうすることができます。そうしない場合には、メルドをやめて手札にカードを戻しますが、そのディールにおいて、そのペアの最初のメルドの必要点数は100点上がります。
一度にいくつメルドをしても、レイオフしてもかまいません。
メルドには次の制限があります。レイオフを行う際にも、その制限を破るようなレイオフはできません。
1)同位カードの1つのメルドには、少なくとも2枚のナチュラルカード(ワイルドカードでないカード)が含まれていなければならず、ワイルドカードの枚数は2枚以下でなければなりません。
2)シークエンスのメルドにはワイルドカードを含めることはできません。
3)ジョーカーや2は必ずワイルドカードとして使用しなければならず、本来のジョーカーや2としてメルドすることはできません。
4)黒3は上がりのときだけしかメルドできません(同位カードのメルドだけです)。黒3のメルドにはワイルドカードを含めることはできません。
5)メルドしたカードを、手札に戻したり、他のメルドに移すことはできません。
なお、同じ側のプレイヤーが、同じランクの同位カードのメルドを2つ以上作ることもできます。プレイが終わる前ならば、同じランクのメルドを併合して1つのメルド(やカナスタ)にすることもきます。ただし、併合の結果ワイルドカードが2枚より多く含まれることになる場合は、併合することはできません。
捨て札は、捨て札の山の上に表向きに行います。下のカードが見えないように重ねます。
捨て札の、下のカードを見ることは禁止されています。
フローズンでない捨て札の山に、ワイルドカードや赤3を最初に置くときには、そのカードは横向きに置くか、捨て札の山の横に置くかして、フローズンになったことを示します。
赤3とは3と3のことです。
赤3はメルドには用いません。赤3を山札からドローしてきた場合には、すぐにそれをメルドと同様にテーブルに表向きに出して、もう1枚山札からカードを引きます。
最初に配られたカードの中に赤3があれば、最初の自分の番の時に、赤3をテーブルに出して、その枚数だけのカードを山札からドローします。ドローしたカードに赤3が含まれていたら、同じことを繰り返します。そのあと、通常のプレイを始めます。
捨て札の山を取ってきたときに、この中に赤3が含まれていたら、直ちにテーブルに出しますが、カードはドローしません。
テーブルに出された赤3は1枚につき100点のボーナス点になります(カードの点数はありません)。もし一方のペアが6枚の赤3を集めたら、600点となる代わりに、1000点もらえます。
ただし、プレイが終わったときに、自分の側がカナスタまたはサンバを2組未満しか作っていない場合には、ボーナス点はもらえず、逆に上記の点数がマイナス点となります。
また、もし間違って手の中に赤3を残すと、同じだけのマイナス点となります。
なお、赤3を捨て札することはできません。
黒3のメルドは上がりのときにしかできません。また、黒3のメルドにワイルドカードを含めることはできません。
これが捨て札の一番上にあるときには、たとえこれを用いて上がれる場合でも、決して捨て札を取ることはできません。そのため、これをストップカードとも呼びます。
メルドを作ったりレイオフをして、手の内のカードがなくなれば上がりになり、そのディールは終了します。上がるときには捨て札を行っても、行わなくてもかまいません。
ただし、上がるためには、自分の側(自分またはパートナー)がカナスタまたはサンバを少なくとも2組作っていなければなりません(カナスタ1組とサンバ1組でもかまいません。上がるのと同時に作ってもかまいません)。そうでない場合には、手の内のカードの枚数をゼロにするようなプレイをしてはいけません。
なお、上がろうとするプレイヤーは、自分のパートナーに、上がってもよいかどうか訊ねてもかまいません。パートナーは、これに対して、「はい」か「いいえ」で答えます。
上がったペアには200点のボーナス点がつきます。
誰も上がらずに山札がなくなったときには、次のようにします。(山札からの最後のドローはカードが足りなければ1枚だけのこともあります。)
あるプレイヤーが最後の山札をドローして1枚捨てたあと、次のプレイヤーは、可能であれば、その捨て札の山を取って、メルドを作ることができます。作らなければディールは終了となります。
ただし、捨て札がレイオフできるカードである場合には、必ず捨て札の山を取り、レイオフしなければなりません。
捨て札を取ったプレイヤーは、上がらなければ、メルドなどをした後、やはり1枚捨てることになりますが、次のプレイヤーも同様に捨て札をとる権利(または義務)があります。
このようにして、だれかが捨て札を取らなかった場合に、このディールは終了となり、得点を計算します。
最後のドローが1枚でそれが赤3だった場合や、最後に2枚ドローしたけれどどちらも赤3だった場合には、そのプレイヤーは赤3をテーブルに出しますが、メルドもレイオフも捨て札もできず、ディールが終了となります。
得点は、メルドしたカードの点数、カナスタのボーナス、上がりのボーナス、赤3のボーナスの合計から、手札のカードの点数を引いたものです。
上がったプレイヤーのパートナーの手札のカードの点数も、もちろん引かれます。
パートナーの2人は得点を合計して共有します。
ディールの終了時点で、10000点に到達した側があればゲーム終了となります。もちろん、点数の多い方が勝者となります。同点ならば、引き分けです。
勝者に特にボーナスはなく、精算は点数差で行います。
2人、3人、5人でプレイする場合には、誰ともペアを組まずに個人戦を行います。
6人の場合には、対角線上に向かい合った2人が3組ペアになります。
6人ゲームの時だけ最初に配る枚数は13枚になります。それ以外は15枚ずつ配ります。
本文のルールは1951年ごろのアメリカの出版物によるルールです。
ナチュラルカナスタにワイルドカードをレイオフすることはできないというルールもあります。
http://www.pagat.com/でJohn McLeod氏が紹介しているHarrie Wiering氏のルールは、本文と次のような点が違います。これはオランダのルールだそうです。
フローズンとそうでない状態の区別はなく、常にフローズンの状態でプレイすします。つまり、捨て札の山の一番上のカードと同じランクのカードが2枚手札になければ、捨て札の山を取ることができず、レイオフでは取ることができません。
ただし、捨て札の山の一番上のカードが、自分の側のシークエンスのメルドにつながるときだけは、その一枚だけを取ってレイオフすることができます。このとき、1枚だけ山札からドローします。
赤3を引いてもすぐに出さず、メルドと同じように出します。赤3を捨て札することもできます。
プレイが終わったとき手札に赤3があった場合(何枚あっても)750点のマイナス点になるります。
カナスタやサンバを2組以上作っていない場合、出している赤3は1枚につき100点のマイナス点です(6枚出していてもマイナス1000点になりません)。
同位カードのメルドには、ワイルドカードの枚数の2倍以上の枚数のナチュラルカードが含まれていなければなりません。