2018/8/4 赤桐
フィンランドのトリックテイキングゲームです。ビントというゲームから派生しました。 ビントは1900年ころにロシアで生まれ、コントラクト・ブリッジにも影響を与えたゲームです。
ルールはPagat.comによります。21世紀初頭までに変革された新しいルールです。
4人。向かい合った2人がパートナーになります。パートナーは交代します。
普通の52枚のトランプを使います。
各スートのカードの強さは、強いものから、A、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2 の順です。
通常は24ディールを行います。8ディールごとにパートナーを変更します。 A、B、C、Dの4人がプレイヤーだとすると、 最初の8ディールはAとB、CとDがパートナー、 次の8ディールはAとC、BとDがパートナー、 最後の8ディールはAとD、BとCがパートナーというようになるわけです。 パートナーどうしが向かい合うように席も変更します。
各8ディールのうち、最初の4ディールは「キティ−・ゲーム」を行い、 次の4ディールは「コトカ・ゲーム」を行います。
短時間のゲームを行いたいときは、 12ディールを行うことにし、4ディールでパートナーを交代し、 最初の2ディールをキティー・ゲーム、次の2ディールをコトカ・ゲームにしてもかまいません。
このあと(あるいは途中に)「ボルシェビキ」というゲームを入れることができます。 これは最大8ディールですが、このうち実際にプレイするのは4ディールです。
最初のディーラーとパートナー変更後の最初のディーラーは任意の方法で決めます。 ディーラーはディールごとに時計回りに交代します。
コントラクトブリッジと同じように、52枚のトランプを2組用意し、 ディーラーの向かいのプレイヤーが次のディールのためのシャッフルを行い、右の方に置きます。 2ディール目以降は、ディーラーはそのカードをそのまま使います。
ディーラーは、右隣のプレイヤーにカットしてもらったあと、ディーラーの左隣から時計回りに1枚ずつ配ります。
ディーラーは各プレイヤーに12枚ずつのカードを配ります。 配っている途中に、テーブル中央に4枚のカードを置きます。 このカードはキティーと呼ばれます。
ディールが終わるとビッドを行います。ビッドはディーラーが最初で、そのあと時計回りに行います。 ビッドはパスが8回連続するまで続きます。 つまり、全プレイヤーが2回続けてパスをするまでです。 一度パスをしても、再びビッドをすることもできます。
ビッドは、数字に「ミゼール」、「スペード」、「クラブ」、「ダイアモンド」、「ハート」、「グランド」のどれかを付け加えたものです。
ビッドの強さは、数字の大きい方が強いビッドになります。 同じ数字ならば、ミゼール、スペード、クラブ、ダイアモンド、ハート、グランドの順に強くなります(グランドが最も強い)。 1ミゼールが最も弱いビッドで、7グランドが最も強いビッドです。
最初のプレイヤーはどのビッドを行ってもかまいませんが、パス以外のビッドがあったあとは、今までのビッドより強いビッドしかすることができません (そうしたくなければパスをします)。
最後にビッドを行ったプレイヤーのチームは、メイン・プレイヤーズ(Main Players)と呼ばれ、その相手チームはディフェンダー(Defender)となります。
全員がパスをしたら、「オールパス・ミゼール」のプレイを行います。
ビッドのあと、最後にビッドしたプレイヤーはキティーの4枚のカードを全員に見せたあと、手札に加えます。 そのあと、加えた4枚を含む手札から4枚のカードを裏向きに自分のパートナーに渡します。
パートナーはこの4枚を手札に加えたあと、それを含む手札から、他の各プレイヤーに裏向きに1枚ずつカードを渡します。渡されたプレイヤーはそれを手札に加えます。
このあと、メイン・プレイヤーズの2人だけで再びビッドを行います。 最後にビッドしたプレイヤーが最初のビッドを行います。
最初のビッドは前の最後のビッドより強ければ何でもかまいませんが、 ビッドは必ず5の台(5ミゼール以上)で終わらなければなりません。 4回続けてパスをしたとき、つまり両プレイヤーが2回続けてパスをしたときに、ビッド終了です。 再ビッドの前のビッドが5の台なら、最初からパスを続けて終了してもかまいません。
最後のビッドでプレイの種類と取るべきトリック数が確定します。 最後にビッドしたプレイヤーがデクレアラーになります。 (再ビッドがすべてパスの場合は、その前のビッドでの最後のビッドが最後のビッドになります。)
再ビッドのあと、5の代のビッドで決まった場合には(6ミゼール以上のビッドにならなかったときには)、 ディフェンダーも1枚だけ手札を交換することができます。
まず、デクレアラーの左隣のプレイヤーが手札から1枚を裏向きにパートナーに渡します。 渡されたプレイヤーは、それを手札に入れ、手札から1枚を裏向きに自分のパートナーに渡します。
次に、デクレアラーの左隣のディフェンダーは「ダブル」を宣言することができます。 宣言しなければ、デクレアラーの右隣のディフェンダーがダブルを宣言することができます。
もしダブルが宣言されたら、デクレアラーは「リダブル」を宣言することができます。 宣言しなければ、デクレアラーのパートナーがリダブルを宣言することができます。
ダブルの宣言があると、得点や失点が一部を除きすべて2倍になります。 リダブルの宣言があると2倍の代わりに3倍(4倍ではない)になります。
デクレアラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行い、普通のトリックテイキングのプレイをします。 プレイは時計回りです。
メイン・プレイヤーズの取ったトリック数がビッドしたトリック数以上(ミゼールなら以下)なら、 メイン・プレイヤーズのプレイ成功となります。
20世紀初頭にコトカ市で作られた遊び方です。
ディーラーは各プレイヤーに13枚ずつのカードを配ります。
キティ−・ゲームと同様にビッドを行いますが、次の違いがあります。
ビッドのあと、最後にビッドしたプレイヤーは、手札から4枚のカードを裏向きに自分のパートナーに渡します。 渡されたプレイヤーは、それを加えた手札から4枚を裏向きにパートナーに渡します。
キティ−・ゲームと同様に再ビッドを行います。
ディフェンダーの手札交換はありません。
キティ−・ゲームと同様に同様にダブル・リダブルが可能です。
キティ−・ゲームと同じです。
キティー・ゲームかコトカ・ゲームの時に最初から全員が2回続けてパスをしたときに、このゲームを行います。 プレイの目的は、できるだけトリックやエースのカードを取らないことです。
キティーゲームの時は、テーブル中央のキティーのカードを、裏向きのまま、1枚ずつ全員に配ります。
ディーラーの左隣のプレイヤーとディーラーのパートナーが、それぞれ、手札から1枚を裏向きに自分のパートナーに渡します。
そのあと、カードを渡されたプレイヤーは、それを手札に入れたあと、手札から1枚を裏向きに自分のパートナーに渡します。
ディーラーから始めて、時計回りに1人ずつ、ダブルの宣言の機会が与えられます。 誰かがダブルをかけたら、それ以上のダブル宣言はできません
ダブル宣言があると、ダブルを宣言したプレイヤーの左隣のプレイヤーがリダブルを宣言することができます。 このプレイヤーが宣言しなければ、ダブルを宣言したプレイヤーの右隣のプレイヤーがリダブルを宣言できます。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行い、キティ−・ゲームと同様にプレイします。 切札はありません。
ボルシェビキは個人戦です。 8ディールの間に、各プレイヤーは必ず1回だけデクレアラーにならなければなりません。 全員がデクレアラーになってプレイが終了すると、8ディールが済まなくても、ボルシェビキは終了します。
キティー・ゲームと同様に、ディーラーは各プレイヤーに12枚のカードと4枚のキティーを配ります。
ディーラーから時計回りに、まず1巡のビッドを行います。 ビッドに参加できるのは、今までにボルシェビキのデクレアラーになったことがないプレイヤーだけです。
このとき、「ボルシェビキ」のビッドしか可能ではありません。 これは個人で切札なしで全トリックを負けるというビッドです。 最初の1巡では誰でも、既にビッドされていても、ボルシェビキのビッドを行うことができます。
複数のプレイヤーがボルシェビキのビッドをした場合には、ビッドしたプレイヤーだけで2巡目のビッドを行います。
2巡めでは、「降りる」つまりボルシェビキのビッドをやめることができます。 降りないでボルシェビキを再度ビッドしたプレイヤーがいたら、 そのプレイヤーがデクレアラーになり、ビッドは終了します。 2巡目で他のプレイヤーがすべて降りたら、最後のプレイヤーは必ずボルシェビキを再度ビッドしなければなりません。
1巡目で全員がパスをしたら、プレイは行われません。 次のディーラーが次のディールを行います。
ただし、ボルシェビキの8ディールのうち残っているディール数がまだボルシェビキをプレイしていないプレイヤー数と同じときは、 最後にビッドするプレイヤーは必ずボルシェビキをビッドしなければなりません。
デクレアラーはキティーの4枚のカードを全員に見せたあと、手札に加えます。 そのあと、手札から1枚ずつ裏向きに各プレイヤーに渡します。
デクレアラーは、ビッドを「ディクテーター(dictator)」に変更することができます。 これは、個人で切札なしで全トリックを取ることです。
次に、デクレアラーの右隣のプレイヤー(ストーカーと呼ぶ)から時計回りの順に(デクレアラーを除く)、 ダブルを宣言することができます。 このダブルはダブルを宣言したプレイヤーとデクレアラーの間の点数に関するものだけなので、 他のプレイヤーがダブルを宣言していても、ダブルを宣言することができます。
ダブルの宣言が1つでもあると、デクレアラーはリダブルを宣言することができます。 これは、ダブルを宣言したプレイヤー全員に対するものとなります。
ストーカー(デクレアラーの右隣のプレイヤー)が最初のリードを行い。キティー・ゲームと同様にプレイします。 切札はありません。
ボルシェビキ以外のゲームの時には、1人の記録者が自分のチームの点数を記録します。 相手チームが得点した場合には、マイナス点を記録します。 チーム替えや終了の時に、各プレイヤーは自分のスコアシートにそれを転記します。 記録者と別チームであった時は、プラスとマイナスを逆にして転記することになります。
キティー・ゲームとコトカ・ゲームの得点表です。 適合する点数を加算します。 成功の点数はプレイに成功した時だけにつき、失敗した時には(マイナス点としても)つきません。
ビッドの数 | 5 | 6 | 7 |
---|---|---|---|
成功(ミゼール以外) | 25 | 35 | 50 |
成功(ミゼール) | 10 | 20 | 35 |
ビッドより多く取った(ミゼールなら少なく取った)1トリックにつき | 2 | 2 | - |
ビッドに満たなかった最初のトリック(ミゼール以外) | -5 | -10 | -15 |
ビッドに満たなかった最初のトリック(ミゼール) | -10 | -15 | -20 |
ビッドに満たなかった2トリック目以降の1トリックにつき | -5 | -5 | -5 |
ダブルの状態では、上記すべてが2倍となり、リダブルでは3倍となります。
ミゼールの場合は、これに加え、各チームが取ったエースの点数がそのチームへのマイナス点となります。 各エースの点数は、何トリック目に取ったかというのが、そのまま点数になります。 1トリック目で取ったエースは1点、10トリック目で取ったエースは10点などです。 この点数は、ダブル、リダブルがあっても変わりません。
オールパス・ミゼールでは、各チームの取ったトリック数がそのままマイナス点となります。 これに加えて、通常のミゼールと同じように、エースのマイナス点があります。
ボルシェビキでは、個人で得点を付けますが、デクレアラー以外のプレイヤーは次の点数の合計です。
ボルシェビキのデクレアラーの得点は、他の3人の得点を合計し、そのプラス/マイナスを逆にしたものです。
一般的なコンベンション(ビッドのとき各プレイヤーの手の内容などを相手に伝える手段)は次のようになります。
4枚のカードをパートナーに渡し、それが2つのスートからなっているとき、 (裏向きの状態での上からの)スートの順序により、次のような情報をパートナーに示す。
スートaが2枚、スートbも2枚のとき
スートaが3枚、スートbが1枚のとき
2018年8月4日、なかよし村でプレイしました。
難しいゲームで、1度やっただけではよく分かりませんでしたが、何度もやれば面白くなりそうでした。
カードパスのコンベンションは結構使えます。