2008/4/5 赤桐
カシノの一種ですが、スワジランドでプレイされているゲームです。ルールはかなり複雑化しています。
ルールは John McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によりました(Casinoのページの中です)。
2人〜4人。4人のときは向かい合った2人がパートナーになります。
通常の52枚のカードを使います。
カードの点数は次のようになります。
A | 1点または14点 |
2〜10 | 数字通りの点数 |
J | 11点 |
Q | 12点 |
K | 13点 |
最初のディーラーは任意の方法で決めます。次回からは、反時計回りの順番に交代します。
ディーラーはシャッフルしたあとカードの束を右隣のプレイヤーの前に置きます。右隣のプレイヤーはカードの束の中ほどから4枚のカードを取り出してテーブル中央に表向きにしておきます。
ディーラーは残ったカードを右隣のプレイヤーから反時計回りに1枚ずつ配り、全部のカードを配ってしまいます。
テーブル上に表向きに置かれたカードを場札と呼び、場札の置かれているところを、場と呼ぶことにします。
プレイには、手札を1枚出すようなプレイと、出さないプレイがあります。出さないプレイは何度でもできますが、手札を1枚出して行うプレイは1度しかできず、また必ず1度行う必要があります。さまざまなプレイを行うときには、順序はどのように行ってもかまいません。
プレイには次の種類があります。
ビルドというのは、場のカードの組み合わせを作り、この組み合わせを後で取るという宣言を行うことですが、あとで詳しく説明します。
場札の取り方は次の通りです:
プレイされたカードと場札が同じランクだった場合に、取ることができます。例えば、6をプレイすると、場にある6を取ることができます。またKをだすと、場のKを取ることができます。
同じランクのカードが場に何枚かある場合には、その全部を取ることができます。
場札のカードの数字を合計して、プレイしたカードの数字と同じになる場合には、その場札を全部取ることができます。スートは関係ありません。
例えば、場に2、2、3、5があり、Qをプレイした場合には、2+2+3+5=12なので、この場札全部を取ることができます。
プレイしたカードの数字と同じ合計になるカードの組が場に何組もある場合、その全部を取ることができます。例えば、場に2、3、3、4がある場合、2+4=6, 3+3=6となるので、6をプレイすると、このすべてのカードを取ることができます。
ただし、同じカードを重複して2つの組に使うことはできません。例えば、場のカードが3、3、5だった場合、8を出すと、3の1枚と5は取ることができますが、もう1枚の3は場に残ります。5をもう1度3と組み合わすことはできないからです。
例えば、場に2、3、5があり、5を出した場合には、場の全部のカードを取ることができます。
ただし相手方のプレイヤーは、取ることができるカード全部を取るように要求することができ、これがあるとそれに従わなければなりません。(味方のプレイヤーはこのような指摘をすることはできません。)
ビルドは必ずそのビルドの点数で取らなければなりません。ビルドと場のカードの点数を合計して、その点数で取ることはできません。
場札を取った時には、プレイしたカードと取った場札をまとめて、プレイヤーの近くに表向きにして重ねておきます。最近取ったカードは今までのカードの上に置きます。一番上には取る時に使ったカードを置くようにします。パートナー戦のときには、パートナー2人が取ったカードは同じところに置きます。
場札の2枚以上のカード、または場札の1枚以上のカードと手札から出した1枚のカードを組み合わせて、そのカードの点数の合計によるビルドを作ることができます。ただし、その合計点数で取ることのできるカードを手札に持っていなければなりません。これを合計ビルド(Single Build)と呼びます。
ビルドを作る時には、ビルドするカードをインデックスが見えるように重ね合わせて、合計点数を宣言します。
例えば、場札に2と3と8があり、手札にKがあれば、「13のビルド」と宣言して2と3と8のカードを重ね合わせて合計ビルドを作成することができます。手札のKは13のビルドを取ることのできるカードとして必要ですが、すぐにはプレイせず、手札に残しておくことができます。
あるいは、場札に4があり、手札に6と10があれば、手札から6を出して4と重ねて合計ビルドを作成することができます。
場には同じ点数のビルドは2つ以上作ることはできません。したがって、すでにあるビルドと同じ点数の合計ビルドを作ることはできません。
合計ビルドを作ったプレイヤー(とそのパートナー)がそのビルドの所有者になります。ただし、所有者以外でもビルドを取ることはできます。
自分の番のとき合計ビルドは何組でも作ることができます(ただし、手札から出すことができるのは1枚だけです。)
次の場合に限り、合計ビルドにカードを1枚追加して、合計ビルドの点数を大きくすることができます。
もちろん、この新しいビルドを取ることのできるカードを手札に持っていなければなりません。
なお、場には同じ点数のビルドは2つ以上作ることはできないので、既存のビルドと同じ点数に変更することもできません。
点数を変更すると、ビルドの所有者は、点数を変更したプレイヤー(とパートナー)に変わります。
複合ビルド(Augmented Build)というのは、同じ合計点数の合計ビルドをまとめて1つのビルドにしたようなものです。合計ビルドではなく1枚のカードでもかまいません。複合ビルドの点数は1つの合計ビルド(または1枚のカード)と同じです。複合ビルドを作る時にも、カードをインデックスが見えるように重ね合わせて、点数を宣言します。複合ビルドを作るためには、作った複合ビルドを取ることのできる点数のカードが手札になければなりません。
例えば、3と4と5、K、5と8、AとQ、とういうように、点数13の合計ビルドになるカードや点数が13の1枚のカード(K)があり、手札にKがあれば、まとめて複合ビルドにすることができます。この複合ビルとの点数は13です。最も単純なものでは、9と9というように2枚の同位カードでも複合ビルドを作ることができます。この場合の点数は9点です。
複合ビルドを作るには、まず土台になるビルドまたはカードが場になければなりません。土台になることのできるのは次のいずれかです。
複合ビルドを土台にする場合は、その複合ビルドを同じ点数で拡張することになります。複合ビルドは決して点数を変更することはきません。
場のカードでビルドになっていないものを土台にできるのは1枚のカードだけですが、複合ビルドを作る直前に合計ビルドにすることができれば、何枚かのカードも土台にできます。また、手札から1枚を出して場のカードと合わせて合計ビルドにすることができれば、それも土台になります。ただし、手札から出した1枚のカードをそのまま土台にすることはできません。
1枚のカードを土台にするときには、それが場にあるビルドと同じ点数であってはならないことに注意してください。場に同じ点数のビルドは2つ以上作ることができないからです。
複合ビルドを作る(または拡張する)ためには、つぎのいずれかを付け加えます。これらの中からどの種類のものでも1枚または2枚以上選んで、その合計点数が土台になるビルドまたはカードの点数と同じになれば、付け加えることができます。
もちろん、手札をすでに1枚使ってしまっている場合は、手札から1枚を出すことはできません。
相手方の取ったカードで使えるのは一番上のカードだけです。しかし、それを使って複合ビルドを作った後で、その下にあったカードで、その複合ビルドを拡張することができたり、別の複合ビルドの作成に使うことができる場合には、それを使用することができます。
相手方の所有のビルドに対して、複合ビルドを作る(または拡張する)場合には、直ちに、つまりそのプレイヤーの番のうちに、その拡張ビルドを取らなければなりません(取らなければならないので、手札から1枚をだして複合ビルドをつくることはできません)。
たとえ取ることができるカードが場札にあっても、捨て札を行うことができます。(相手方は、取るように言うことはできません。)
1. ビルドを作るとき(合計ビルドの作成、変更、複合ビルドの作成、拡張のとき)、自分がそのビルドの点数を持っていなくても、パートナーが確実にその点数のカードを持っていれば、ビルドを作ることができます。確実にその点数のカードを持っているというのは、以前にその点数のビルドを作成したことがあって、その点数のカードをまだ使っていない場合です(パートナーが、そのパートナーつまりビルドを作ろうとしているプレイヤーがその点数のカードを確実にもっているということでビルドを作ったのかもしれない場合を除きます)。
ただし、相手方の所有の複合ビルドを拡張するときは、そのプレイヤーが直ちにその複合ビルドを取らなければならないので、その点数のカードを持っている必要があります。
2. パートナーが自分たちの所有するビルドを取ろうとしたとき、もう1人のパートナーが、それを取らないで複合ビルドを作成(拡張)するように頼むことができます。パートナーはその頼みに従っても従わなくてもかまいません。頼むプレイヤーは、その複合ビルドを取ることのできるカードを持っていなければなりません。
全員の手札がなくなると、プレイは終了します。 残った場札は、最後に場札を取ったプレイヤーのものとなります。
プレイが終わると次のような得点があります。
最もたくさんの枚数のカードを取ったプレイヤーに | 2点 |
最もたくさんの枚数のスペードのカードを取ったプレイヤーに | 2点 |
10(ビッグ・テン)を取ると | 2点 |
2(スパイ・ツー)を取ると | 1点 |
取ったエース1枚につき | 1点 |
最もたくさんの枚数のカードやスペードが同じ枚数の場合には、誰も得点しません。
得点計算の結果、どちらかのプレイヤーの累計点が21点かそれ以上になったら、そのプレイヤーの勝ちでゲームは終了します。どちらも21点以上のときは、点数の多い方が勝者です。同じ場合はもう1ディール行います(引き分けという取り決めにしてもかまいません)。
このゲームでは、スイープ(場のカードを全部取った時の得点)はありません。
2008年4月5日、なかよし村でプレイしました。
カシノ系のバリエーションですが、ルールはかなり拡張されていて、難しくなっています。何回もやれば面白くなるのかもしませんが、ちょっと複雑すぎるような気がしました。