2016/12/3 赤桐
Guntram Kommerell氏が祖父から教わったゲームですが、 祖父はドイツのテュービンゲンの学生の間で1890年ごろによくプレイされていたと語っていたそうです。
ルールはドイツ語Pagat.comによります。
4人。
フランスの78枚の競技用タロットカードを使います。スートはスペード、ハート、ダイアモンド、クラブです。
各スートのカードとその強さは:
黒いスート(スペードとクラブ)は、 (強)キング(R)、クイーン(D)、カバロ(C)、ジャック(V)、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1(弱)です。
赤いスート(ハートとダイアモンド)は、 (強)キング(R)、クイーン(D)、カバロ(C)、ジャック(V)、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10(弱)です。
その他に21枚の切札のスートと、スキー(Ski)のカードがあります。切札のスートの各カードには大きくアラビア数字で1〜21の数が書かれています。21の数が書かれたものが最も強く、数が小さくなるほど弱くなります。
スキーのカードは、音楽家の絵が描かれていて、インデックスには黒い星印が書かれています。このカードは特別な働きをするカードです。
カードの点数は次の通りです。
カード | 点数 |
---|---|
切札21 | 4.5点 |
切札1 | 4.5点 |
スキー | 4.5点 |
キング | 各4.5点 |
クイーン | 各3.5点 |
カバロ | 各2.5点 |
ジャック | 各1.5点 |
その外のカードすべて | 各0.5点 |
全部のカードの合計点数は91点です。
最初のディーラー任意の方法で決めます。次回からは反時計回りの順に交代します。
ディーラーは、ディーラーの右隣のプレイヤーから反時計回りに、各プレイヤーに5枚ずつ3回配り、そのあと4枚ずつ配ります。ただし自分には6枚を配ります。
ディーラーは配られたカードの中から2枚を捨て札します(裏向きにテーブルに置きます)。 4.5点のカードを捨て札することはできませんが、それ以外のカードならどれでもかまいません。 このカードはプレイでは使いません。 プレイのあとで、ディーラーは取ったカードの点数に捨て札したカードの点数を加えることができます。
もし誰かが0.5点より点数のあるカードを1枚も配られなかったら、「トゥの宣言をしますか」と全員に聞くことができます。 (ディーラーが0.5点より点数のあるカードを捨て札したためにこのような状態になったときでもかまいません)。
他のプレイヤーはこのときトゥの宣言をすることができます。 この宣言を行うと、ビッドなしでプレイが行われて、このプレイヤーが1トリックを除く全部のトリックに勝ったら、120点を得ます。 全トリックに勝ったら240点を得ます。しかし、2トリック以上負けるとマイナス240点になります。
トゥの宣言がないときは、同じディーラーによる配り直しとなります。
ビッドはディーラーの右隣から反時計回りの順に行います。 1巡目はラウス(Raus)のビッドになります。 各プレイヤーは1回だけラウスのビッドの機会が与えられます。ビッドしたくなければパスを宣言します。 誰かがラウスのビッドをしたら、ビッドは終了になります。
ラウスとは1人で他のプレイヤー3人を敵に回してプレイすることです。 1人で46点以上の点数を取ることを目指します。
誰もラウスのビッドをしなければ、ルーフェンのビッドを行います。 このビッドも一巡だけで、誰かがビッドしたら終了です。
ルーフェンを宣言したプレイヤーは、自分の持っていないキングの1枚を宣言します。 「ハートのキング」というようにです。 このカードを持っているプレイヤーは、ルーフェンのプレイヤーのパートナーになりますが、指定されたキングをプレイするまでは、それを持っていることを明かしてはいけません。
キングを3枚持っていたら、「残りのキング」と宣言して、キングのスートを示さないで宣言することもできます。 キングを全部持っているときは、切札21、切札1、スキーのどれかを宣言できます。
ラウスのビッドもルーフェンのビッドもないときは、同じディーラーによる配り直しとなります。 このとき、各プレイヤーは良いカードを上のほうに置いてカードを戻し、束にしたあと、1回カットを行うだけで配ります。
プレイはトリックテイキングゲームの原則に従って行われます。プレイの順序は反時計回りです。 最初のリードは、ディーラーの右隣のプレイヤーが行います。
フォローの義務は次のようになります。
切札以外がリードされた場合:
切札がリードされた場合:
トリックに勝つのは、通常通り、切札がプレイされていれば最も強い切札を出したプレイヤー、切札がプレイされていなければリードされたスートで最も強いカードを出したプレイヤーです。 トリックに勝ったプレイヤーが次のリードを行います。
スキーは、上記のフォローの規則をすべて無視して、いつでもプレイすることができます。 スキーがリードされた場合には、次のプレイヤーはどのカードでも出すことができます。このカードのスートが、リードされたスートとして扱われます。
スキーをプレイしたプレイヤーは、そのトリックには勝つことができません。しかし、相手側がスキーを取った場合には、自分の側が取った0.5点のカードを渡す代わりに、相手側のスキーを取り戻すことができます。自分の側にまだ渡すカードがなければ、それが手に入ったときに交換することができます。
ただし、最後のトリックでスキーを使った場合には、スキーは勝った側のものになります。
ラウスを宣言したプレイヤーが相手チームの誰よりも点数を取ったときは、取った点数から18点を引いたものが得点となります。 そうでないときは、相手チームの最も点数を取ったプレイヤーの点数から18点を引いたあとに3倍したものが、マイナスの得点となります。
なお、相手チームで、取ったトリックが3トリック以内で取ったカードに0.5点のカードまたはスキーしか含まれないプレイヤーがいたら、 そのプレイヤーの全点数を最も点数を取ったプレイヤーの点数に加えることができます。 また、そのプレイヤー(取ったトリックが3トリック以内で取ったカードに0.5点のカードまたはスキーしか含まれないプレイヤー)がディーラーだった時には、 捨て札したカードの点数も加えることができます。
ラウスを宣言したプレイヤー以外の得失点はありません。
ルーフェンを宣言したプレイヤーとそのパートナーが合計で46点かそれ以上取ったときは、取った点数から23点を引いたものが得点となります。 そうでないときは、相手チームの点数の合計から23点を引いたものを2倍したものが、マイナスの得点となります。 ただし、ルーフェンの宣言者のパートナーはマイナスの得点はありません。
それ以外のプレイヤーの得失点はありません。
各プレイヤーは、得点計算時に、次のボーナス点(または罰点)を得ることがあります。 この得点は、次のディールが始まる前に宣言しないと得ることができません。
まず、配られた手札に次の組み合わせがあったときのボーナス点です。
プレイでも、次のボーナス点があります。
両方のチームにボーナス点があったときは、相殺されます。
その結果、ラウスまたはルーフェンを宣言したチームでないほうがボーナス点になったときは、 そのまま、そのチームの各プレイヤーが得点します。
ラウスまたはルーフェンを宣言したチームのボーナス点のときは:
ゲームがいつ終わるかについては、定まった規則はないようです。
2016年12月3日、なかよし村でプレイしました。
手札が19枚と多いのが大変ですが、タロットとしてはルールも難しくなく、プレイしやすいゲームでした。