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テン・ポイント・ピッチ(Ten Point Pitch)

2015/10/3 赤桐

  Ryan C. Ast氏の書いた"Let's Play! 100Games"という本にあるルールです。 ピッチの系統のゲームですが、少し変わったルールがあります。


プレイヤー

 4人、5人、6人。4人のときは、向かい合った2人がパートナーになります。6人のときは、1人おきの3人がチームになります。 5人プレイはあとで紹介します。

カード

 普通の52枚のトランプに2枚のジョーカーを加えます。2枚のジョーカーは区別できなければなりません。 ハイ・ジョーカーロー・ジョーカーと呼ばれます。

 プレイの前に1つのスートを切札にしますが、ハイ・ジョーカーロー・ジョーカーも切札になります。 また、切札と同じ色のスートのはオフ・ジャックと呼ばれ、やはり切札になります。 例えばハートが切札なら、ダイアモンドがオフ・ジャックです。

 カードの強さは、強いものから順に、切札A切札K切札Q切札Jオフ・ジャックハイ・ジョーカーロー・ジョーカー切札10切札9切札8切札7切札6切札5切札4切札3切札2の順です。 これ以外のカードには強さがありません。

 カードは次の点数を持ちます(点数を持つのは次に示すカードだけです):

切札のA 1点
切札のJ 1点
オフ・ジャック 1点
  ハイ・ジョーカー 1点
ロー・ジョーカー 1点
切札の10 1点
  切札の 3点
切札の 1点

ディール

 最初のディーラー任意のやり方で決めます。ディーラーは ディールごとに左隣のプレイヤーに移ります。

 ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、まとめて3枚ずつ、各プレイヤーの手札が9枚になるように配ります。

ビッド

 ディーラーの左隣から順に時計回りに、1人ずつ ビッドを行います。 ビッドしたくない場合には、「パス」と宣言します。ビッドの機会は1回しかありません。

 ビッドでは、自分のチームで取れる点数を予想して、点数を宣言します。 例えば、5点とか8点とかいうように宣言します。ビッドできる最低点は5点で、最高点は10点です。 自分の前にビッドがあった場合には、その点数より高い点数しかビッドできません。

 最も高い点数をビッドしたプレイヤーをデクレアラーと呼ぶことにします。

 なお、ディーラー以外の全員がパスをした場合には、ディーラーは5点をビッドしてデクレアラーにならなければなりません。

切札

 デクレアラーは、どのスートを切札にするかを宣言します。

交換

4人ゲーム

 切札が決まったら、切札以外のカードを全部、プレイヤー全員が裏向きに捨て札します。 切札が7枚以上あれば、手札が6枚になるように切札も捨て札します。

 ディーラーは全員に、手札が6枚になるように、配り残りのカードからカードを配ります。

 次にデクレアラーは配り残りのカード(widow)をすべて自分の手札に加え、手札が6枚になるように自由に捨て札します。 あるいは、配り残りのカードを見ないでパートナーに譲ることもできます。パートナーは同様にこれを手札に加えて、手札が6枚になるように捨て札します。

 どの場合でも、点数のあるカードを捨て札することはできません。

6人ゲーム

 各プレイヤーは単に手札から3枚を捨て札します。点数のあるカードは捨て札できませんが、それ以外ならどのカードを捨て札してもかまいません。

プレイ

 トリックテイキングゲームのルールに従います。 ただし、このゲームでプレイできるのは切札(オフ・ジャックハイ・ジョーカーロー・ジョーカーを含む)だけです。 これらのカードがなければ、パスをします。トリックに勝ったプレイヤーがもうリードできるカードがないときは、左隣のプレイヤーがリードします。

 デクレアラーが最初のリードを行います。どのカードがリードされたかに関わりなく、カードの強さの強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。

 切札だけは、プレイの開始前に自分の前に表向きに出しておきます。 切札は普通にプレイできますが、勝ったプレイヤーでなく、出したプレイヤーがこれを取ります。

得点

 デクレアラーのチームは、ビッドした点数以上の点数をプレイで取った場合には成功となり、そうでなければ失敗になります。

 ただし、10点をビッドして成功した時は、シューティング・ザ・ムーン(shooting the moon)となり20点を得点します。失敗した時は、マイナス20点となります。

 デクレアラーの相手方のチームは、いつでも、プレイで取った点数が得点になります。

ゲーム

 ディールが終わって、いずれかのチームの累計得点が32点(4人ゲームのとき)または54点(6人ゲームのとき)になったらそのチームの勝ちになります。

5人プレイルール

 "Call for Your Partner"というバリエーションです。以下の点を除けば、本文のルールと同じです。


 2015年10月3日、なかよし村でプレイしました。

 切札を出せなければパスをするというルールは、トリックテイキングとしては非常に珍しいルールですが、 実際には普通のピッチの系統のゲームとそれほど違和感なく楽しめました。