2009/11/20 赤桐
このゲームは中東の国々で盛んにプレイされているようです。ヨルダン、クエート、レバノン、パレスチナ、サウジアラビア、シリア、UAEなどです。
バルビュとおなじように、いろいろな種類のゲームをプレイヤーが順に選択して合計点を競うゲームです。
ルールはおもにJohn McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によりましたが、英語版Wikipediaも参考にしました。
4人。
普通の52枚のトランプを使います。ジョーカーは使いません。
各スートのカードの強さの順位は(強)A、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2(弱)です。
最初のディールは誰が行ってもかまいません。1枚ずつ全員に全部のカードを配ります。各プレイヤーは13枚ずつの手札を持つことになります。
最初のディールでは、ハートの7を配られたプレイヤーが「王様(own the kingdom)」となります。5ディールの間、同じプレイヤーが王様を続け、反時計回りに交代します。このように、5ディールずつ全員が王様になります。最初のディール以外は、王様がディーラーになります(カードを配ります)。
ディールが終わると、王様は、自分の手札を見て、次の5つのコントラクトのうちから1つを選びます。自分が今までに選択したコントラクトをもう1度選択することはできません。
5種類のコントラクトがあります。
最初に説明する4つのコントラクト(「トレックス」以外のコントラクト)は切札なしのトリックテイキングゲームで、次のルールに従ってプレイされます。
ハートのキングを取るとマイナス75点となります。
手札にハート以外のカードがないときを除き、ハートをリードすることはできません。
1ディールの合計点数はマイナス75点です。
ダイアモンドの各カードを取るごとにマイナス10点となります。
ダイアモンドのカードを取ったら、プレイヤーはそのカードを表向きにしてどのカードか見えるように置きます。
1ディールの合計点数はマイナス130点です。
各スートのクイーンを取るごとにマイナス25点となります。
クイーンを取ったらプレイヤーはそのカードを表向きにしてどのカードか見えるように置きます。
1ディールの合計点数は、マイナス100点です。
各トリックを取るごとにマイナス15点となります。
1ディールの合計点数はマイナス195点です。
七ならべ(ファンタン/カードドミノ)と同じようなゲームを行います。
最初のプレイは王様が行い、反時計回りに1人ずつプレイを続けます。各プレイヤーの行うプレイは、次のいずれかです:
出されたカードはテーブルに広げて置きます。
カードは2、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K.Aの順につながります。
手札を全部出してしまったプレイヤーは上がったことになり、プレイから抜けます。抜けたプレイヤーがいても、残ったプレイヤーでプレイは続けられます。
最初に上がったプレイヤーはプラス200点、2番目に上がったプレイヤーはプラス150点、3番目に上がったプレイヤーはプラス100点、最後に残ったプレイヤーはプラス50点です。
全プレイヤーの合計点数はプラス500点です。
以上、5つのコントラクトの合計点数は0点になります。
ハートキングのコントラクトのプレイのとき、ハートのキングを配られたプレイヤーは、それを全員に見せることができます。この行為をダブル(をかける)と呼びます。
ダブルをかけたプレイヤー以外のプレイヤーがハートのキングを取った場合は、そのプレイヤーはマイナス150点になり、ダブルをかけたプレイヤーは75点を得ます。
ダブルをかけたプレイヤー自身がハートのキングを取ってしまった場合は、マイナス150点となり、そのトリックをリードしたプレイヤーがプラス75点となります。自分自身でリードして取ってしまった場合は、マイナス75点となるだけです。
また、ガールズのコントラクトのときにも、クイーンを配られたプレイヤーは、それを見せてダブルをかけることができます(各クイーンごとにダブルをかけることができます)。
点数も同様になります。他のプレイヤーが取った場合は取ったプレイヤーがマイナス50点、ダブルのプレイヤーがプラス25点。自分が取った場合は、自分がマイナス50点、リードしたプレイヤーがプラス25点ですが、自分でリードして取った場合はマイナス25点となります。
各ディールの得点の合計が、各プレイヤーの得点となります。全プレイヤーの得点の合計は0点になるはずです。
すべてのプレイヤーが王様となって全部のコントラクトを行ったらゲーム終了です。つまり20ディールでゲームが終わります。
次のようなルールが採用されることもあります。
1.ダブルなし。
2.ハートキング、ダイアモンド、ガールズでは、プレイヤーは、リードされたスートを出すことができない場合には、必ずマイナス点のあるカードを出さなければならない。
3.ダイアモンドのコントラクトのダイアモンドのカードの点数をマイナス15点とし、コレクションのコントラクトの各トリックの点数をマイナス10点とする。
4.ハートキングで、自由にハートをリードできる。
5.プラス点とマイナス点を逆にする。ゲームの目的が低い点を取ることになるので、同じことになる。
6.向かい合った2人がパートナーとなって、パートナー戦とする。この場合、トレックスのとき、全員が1度ずつプレイしたあと、各プレイヤーは各スートの2のカードを持っていたらそれを自分の前に表向きに置いてプレイする。それ以外のルールは個人戦と全く同じ。パートナーの点数を合計して勝負を決める場合と、最も低い点数のプレイヤーのいるチームが負けとする場合がある。
7.ハートキング、ダイアモンド、ガールズ(あるいはコレクションも加える)のコントラクトを2つ以上、1つのディールで行うことができる(その分ディール数は短くなる)。このゲームをトレックス・コンプレックスと言う。
2007年11月3日なかよし村でプレイしました。
ルールは簡単ですが、楽しめる良いゲームでした。
説明などで時間を取られたので、最後まで行かないグループもありましたが、たぶん2時間あれば終了すると思います。
ハートキングのコントラクトは、ハートのキングを持っているプレイヤーの手に偏りがあるとすぐに終わるようですが、偏りのない手を持っている場合は最後までハートがプレイされず、持久戦になります。
この種の他のゲームでは王様役のプレイヤーが1ディールごとに交代します(最終的には各プレイヤーが全コントラクトをプレイ)が、このゲームでは1人が続けて全コントラクトをやってしまいます。この点はどちらが良いとも分かりませんでしたが、このゲームの方式も悪くない感じでした。
プレイした当時のJohn McLeod氏のページには、ダブルのルールがバリエーションとして不完全にしか書かれていなかったので、ダブルなしでプレイしたのですが、ダブルがあるともっと面白くなりそうです。