2024/7/6 赤桐
イタリアのベネチアとパドバの間の農村地域でプレイされているゲームです。トリュックなどに近いゲームですが、かなり独特です。
ルールはPagat.comに拠りました。
4人。向かい合わせの2人がパートナーになります。
52枚のイタリアのベネチア付近で使われているカードを使用します。 トレビーゾ・パターン(Trevisane Pattern)あるいなベネチア・パターン(Venete Pattern)と呼ばれます。 (各ランクの10、9、8のない40枚が普通ですが、52枚のものもあります)。
スートは、スパーデ(Spade/剣)、バストーニ(Bastoni/バトン)、コッペ(Coppe/カップ)、デナリ(Denari/貨幣)です。
各スートのカードは、レ(Re/キング)、カバロ(Cavallo)、ファンテ(Fante)、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1(Asso)です。レは冠を被った人物。カバロは馬に乗った人物。ファンテは冠も馬もない人物です。
日本では入手困難ですが、普通の52枚のトランプで代用することができます。 以後は普通のカードを使うとして説明を行います。 普通のトランプを使うときは、カバロ=クイーン、ファンテ=ジャックと考えます。
各スートのカードの強さの順位は、強いものから、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1(A)となります。
プレイで累計点が20点に先に達したほうが、1ゲームの勝ちになります。
3ゲームを先取したチームが試合(マッチ)の勝ちになります。
カードをドローして、最も強いカードを引いたプレイヤーが最初のディーラーになります。 最も強いカードが同じ強さなら、それを引いたプレイヤーたちで引き直しをおこないます。
ディーラーはカードをシャッフルし、左隣のプレイヤーがカットします。 カットしたプレイヤーは、持ち上げた部分の一番下のカード(カット後のカードの束の一番下に来るカード)を全員に見せます。 (正式には誰かの要求があった場合にこれを行うとなっていますが、通常は見せるようです。 そのカードがプレイに使われないことを確認するだけの目的です。)
カットしたプレイヤーは、後で述べるように、カードの強さのランクを変えることが可能なことがあります。
そのあと、ディーラーは右隣のプレイヤーから始めて反時計回りに、各プレイヤーにまとめて3枚ずつ1回だけカードを配ります。
ディーラーの右隣のプレイヤーが、最初のリードを行います。 プレイは反時計回りに行います。 トリックテイキングゲームですが、同じスートをフォローする必要はなく、どのカードを出してもかまいません。 スートに関係なく強いカードが勝ちます。 勝ったプレイヤーが次のリードを行います。
1つのトリックで最も強い同じ強さのカードが2枚以上あった場合には、最初に出たカードが強くなります。
同じチームが2トリックを取ったら、プレイは終わります。 2トリック取った側が1点を得点します。
同じチームが最初の2トリック取った場合、手札が1枚余りますが、このカードは自分のパートナーに見せることができます(どちらのチームも)。
プレイが終わって、どちらのチームも20点に達していないときは、プレイで使ったカードは裏向きにして脇に置き、前回と同じディーラーが、 前回の配り残りのカードを使ってディールを行います。
ただし、同じディーラーの4回目のディールが終われば、どちらも20点に達していなくても、ディーラーは右隣のプレイヤーに移り、新たにカードをシャッフルしてディールします。
あるいは、4回目にならなくても、どちらかのチームが20点に達したら、ディーラーは右隣のプレイヤーに移り、新たにカードをシャッフルしてディールします。 このときは、1ゲームの終了となるので、両方の累計点は0に戻り、新たなゲームが始まります。
同じディーラーの4回目のディールのときは、ディーラーはプレイ前に配り残りの4枚のカードを見ることができます。 そのあと、最初のトリックで2人がプレイした後、ディーラーは配り残りの4枚をテーブルに表向きに置いて、全員に見せます。
同じディーラーでプレイする期間をズマツァータ(smazzata)と呼びます。
プレイをする番のプレイヤーは、プレイの前に、ベガと宣言してプレイの結果の点数を引き上げる提案をすることができます。 引き上げる点数は、20点から累計点の高いほうのチームの累計点を引いたものです。 例えば、各チームの累計点が12点と15点なら、20点から高いほうの15点を引いた5点となります。
相手チームはこれに対して2人で作戦や勝つ可能性について話し合うことができます。 また手札を相手チームには見せないようにして2人で見せ合うこともできますが、手札を相手に渡すことはできません。 相手チームの1人(どちらのプレイヤーでも良い)が、提案を受け入れるかどうかを返答します。
相手チームが提案を受け入れない場合、相手チームの1点の負けとなり、プレイは終了します。 このとき、各プレイヤーのプレイしていない手札はパートナーに見せることができます。
提案を受け入れた場合には、まず各チームは自分の手札をパートナーに渡して見せて、作戦を話し合うことができます。 そのあと手札を自分に戻し、プレイを再開します。
各プレイの最初のトリックでは、プレイヤーが話し合うことは禁じられています。
2トリック目以降は、自由に話すことができます。自分の手札の内容やプレイの方針を離すこともできます。
2トリック目以降では、次のようなシグナルを相手に見られないようにして(あるいはあえて見せて)行い、自分の持っているカードを示すことができます。
なお、会話やシグナルは正しい情報でなくてもかまいません。
ディーラー交替後の最初のディール(あるいは試合の最初のディール)でカットを行い一番下のカードを見せた後、カードがディールされる前に、カットをしたプレイヤーはカードの強さのランクを変更することができます。 そのランクは次にランクが変更されるまで有効です。
制約は次のようになります。
次はその例です。
2024年7月6日、なかよし村でプレイしました。
カードのランクが異様ですが、とても楽しめるゲームです。
ベガがあってあっという間にゲームが終わる場合と、長く続く場合があります。 カードのランクは相手チームが慣れないと判断を狂わす効果があります。