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304(スリー・ノート・フォー)

2012/9/1 赤桐

 スリランカのトリックテイキングゲームです。インドの2856というゲームと同様に、オランダから伝わったヤスのゲームが変化したものだと考えらます。

 ルールはJohn McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によります。


人数

 4人、向かい合った2人がパートナーになります。

カード

 普通のトランプから、各スートのからのカードを除いた32枚のカードを使用します。

カードのランクと点数

 各スートのカードの強さのランクと点数は次のようになります(Jが最強)。切札でもそれ以外のスートでも変わりません。

ランク 10
点数 30  20 11 10 3 2 0 0

 点数は全部で304点になります。

ディール

 最初のディーラーは誰がなってもかまいません。次回からは反時計回りに交代します。

 ディーラーはシャッフルして左隣のプレイヤーにカットしてもらいます。ただし、左隣のプレイヤーはカットを断ることもできます。そのあと、右隣のプレイヤーから反時計回りに、4枚ずつ1度だけカードを配ります。(後で述べるように、1回目のビッドの後、さらに4枚のカードを配ります)

 ディーラーの右隣のプレイヤーだけは、手札のカードの点数が15点未満しかないときに、配り直しを要求することができます。この場合は、同じディーラーが配り直しを行います。

 なお、ディーラーはシャッフルをほんの少ししか行わなくてもかまいません。

 1回目のビッド

 ディーラーの右隣のプレイヤーから反時計回りの順に ビッドを行います。ビッドはチームで取るつもりの点数を10点きざみで宣言します。宣言したくなければパスを行います。

 ビッドの最低点数は160です。誰かがビッドした後は、最後にビッドされた点数より高い点数のビッドしかできません。

 1度パスをしても、またビッドに参加することもできます。パートナーが最後にビッドしていても、それより高い点数でビッドすることもできます。

 次の場合には、200点未満のビッドを行うことはできません:

 自分の番のときに、自分のパートナーに代わりにビッドしてくれるように頼むこともできます。(この場合は、パートナーは代理としてビッドするだけであり、パートナー自身のビッドにはなりません。)

 誰かがビッドした後、他のプレイヤー全員が続けてパスをしたらビッドは終了します。

 最後にビッドしたプレイヤーが「切札メーカー」になります。切札メーカーは手札の1枚を裏向きにテーブルに置きます。このカードが「切札指定カード」となり、このスートが切札になります。

 全員パスをすると、配り直しとなります。このとき、ディーラーは交代します。

2回目のディール

 1回目のビッドが終わると、ディーラーは右隣のプレイヤーから反時計回りに、4枚ずつカードを配ります。

2回目のビッド

 2回目のディールのあとに、またビッドを行います。切札メーカーから始まり、反時計回りに、各プレイヤーが1度だけビッドを行います。1回目のビッドと同じように点数をビッドしますが、ビッドする点数は250点以上で、1回目のビッドの最高点より大きくなければなりません。

 パートナー・クローズ・キャップス(Partner Close Caps)というビッドもあり、これが300のビッドより強い最高のビッドです。これはパートナーの助けを借りないで全トリックを勝つというビッドです。

 誰もビッドしなかった場合は、切札メーカーと切札指定カードは変わりません。

 以前の切札メーカー以外がこのビッドに勝った場合には、切札メーカーは交代し、以前の切札メーカーは切札指定カードを手札に戻し、新しい切札メーカーが切札指定カードを出します。

 以前の切札メーカーがこのビッドに勝った場合にも、切札指定カードを変えることができます。

プレイ

 このゲームはトリックテイキングゲームです。最初にリードするのはディーラーの右隣のプレイヤーで、反時計回りにプレイは進行します。

 プレイのルールは次のようになります: 

  1. リードするときは、どのカードを出してもかまいません。
  2. 他のプレイヤーは、リードされたスートのカードがあれば、そのスートのカードを出します(2枚以上あれば、どれを出してもかまいません)。
  3. なければ、どのカードを出してもかまいません。
  4. 切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ちます(トリックを取ります)。
  5. 切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。
  6. 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。

 切札メーカーは、最初のリードの前に切札指定カードを表向きにしてから手札に加え、「切札オープンゲーム(Open Trump Game)」を行うこともできますが、そうしないときには、次のルールに従います。(切札オープンゲームのルールは上記通りで、付け加えることはありません。)

切札クローズゲーム(Close Trump Game)

 切札メーカーが最初のリードをするプレイヤーだった場合には、切札のリードを行うことはできません。

 切札指定カードは、次の場合にしかプレイできません。

 これは上記のプレイのルールより優先するので、切札がリードされたときには、切札指定カードはプレイできないということになります(8トリック目以外)。また、8トリック目以外は、リードもできません。

 プレイの時にリードされたスートがない場合には、誰でも裏向きにカードをプレイします。全員がプレイしたら、切札メーカーが裏向きのカードを自分だけで見て、切札が含まれているかどうかを確認します。

 もし切札が含まれていなければ、リードしたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ちます。裏向きのカードはそのまま誰も見ないようにして、勝ったプレイヤーがカードを取ります。

 切札が含まれていた場合には、全部のカードを表向きにして、切札がどれであるかを切札メーカーが示します。また、切札指定カードも表向きにされたあと、切札メーカーの手札に戻します。これ以降は、裏向きのプレイのない普通のプレイとなります。切札指定カードも普通にプレイできます。

250点以上のビッドの場合

 250点以上のビッドのときには、切札クローズゲームであっても1トリック目が終わったら、切札指定カードを表向きにして切札メーカーの手札に戻し、2トリック目からは普通のプレイとなります。

切札独占

 切札メーカーが切札をリードした時に、誰も切札を出さなかった時には、次のトリックから、切札メーカーは必ず切札をリードしなければなりません。切札がなくなって初めて、他のスートをリードすることができます。

切札メーカーのチーム以外に切札がない場合

 プレイの途中で、切札メーカーのチーム以外の2人のプレイヤーが、最初から切札を1枚も持っていなかったことが分かった場合、プレイは中止され、配り直しとなります。ただしこのためには、最後のトリックのプレイが終わる前に、切札メーカー以外のチームの誰かが、そのことを宣言しなければなりません。

キャップス(Caps)

 あるチームが全トリックを取ったら、キャップスと呼ばれます。

 ただし、自分が正しくカードを出せば自分のチームが全トリック取ることができることが確実となった時に、そのプレイヤーは、それを宣言(クレーム)しなければなりません。また、8トリック目を始める前には、全トリック取れると思った時にはクレームしなければなりません。

 全トリック取ることができることが確実となった時点でクレームしなかったり、8トリック目の前にクレームしない場合には、クレームなしキャップスとなり、失点となります。クレームが誤っていたり、実際にクレーム後にトリックを取られたときにはキャップス失敗となります。

パートナー・クローズ・キャップス(Partner Close Caps)

 パートナー・クローズ・キャップスのビッドの時には、パートナーのカードは伏せられ、プレイに参加しません。上記キャップスのルールは適用されません。「切札独占」のルールも適用されません。

 得点

 プレイが終わると、ビッダーチームは取ったトリックの点数を合計します。合計点がビッドした点数以上ならば、ビッドは成功になり、そうでなければ失敗となります。失敗キャップスのときにも、失敗です。

 ゲーム点はビッドした点数により決まります。ビッダーチームがそれ以上の点数を取っても追加のゲーム点はありません。

ビッド 成功時のゲーム点 失敗時のゲーム点
160~190 1ゲーム点獲得 2ゲーム点支払
200~240 2ゲーム点獲得 3ゲーム点支払
250以上 3ゲーム点獲得 4ゲーム点支払
パートナー・クローズ・キャップス 4ゲーム点獲得 5ゲーム点支払
キャップス成功 通常のゲーム点より1ゲーム点多く獲得 -
クレームなしキャップス - 2ゲーム点支払(ビッドが成功していてもそのゲーム点はもらえない)
クレーム後に
全トリック取るのに失敗
- 5ゲーム点支払(ビッドが成功していてもそのゲーム点はもらえない)

ゲーム

 通常、ディールが終わって累計点が11ゲーム点以上になったチームの勝ちとします。


なかよし村で、2012年9月1日にプレイしました。ちょっと変わったトリックテイキングゲームでしたが、面白く遊べました。