2024/11/2 赤桐
ギリシャで盛んにプレイされているゲームです。 カナスタの系統のゲームですが、カナスタとはかなりルールが違います。 イタリアのブラッコというゲームと少し似ています。
ルールはBasil E. Gala博士著の“The Biriba Game (English Edition) Kindle版”とPagat.comに拠ります。 英文Wikipediaも参考にしました。
2人~6人。
まず4人ゲームを説明します。向かい合った2人がパートナーになります。
52枚の通常のカードに2枚のジョーカーを加えた54枚のカードを2組使用します。 合計108枚のカードを使うことになります。
各スートのカードはA、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K、Aと続きます。
カードの点数は以下のようになります。 カードの組み合わせをうまく作ってテーブルに出せば、そのカードの点数が得点になります。 また、ゲーム終了時に手札に残ったカードの点数はマイナス点(失点)になります。
カード | 点数 |
---|---|
ジョーカー | 20点 |
A | 15点 |
2 | 10点 |
K、Q、J、10、9、8 | 10点 |
7、6、5、4、3 | 5点 |
ジョーカーと2のカード全部はワイルドカード(代札)になります。ワイルドカードは、他のカードの代わりとして使うことができます。
ワイルドカードでないカードを、ナチュラルカードと呼びます。
2のカードは、2のランクのカードとして、つまりナチュラルカードとして使うこともできます。
メルドというのは、カードの特定の組み合わせをテーブル上に見えるように出して、得点を得ることです。 メルドには次の2種類があります。
同じランクのカードが3枚以上あれば、それをメルドすることができます。 これをセットと呼びます。例えば7のカード3枚とか、ジャックを5枚とかです。 2のランクのセットを作ることもできます(この場合の2はナチュラルカードになります)。 ジョーカーだけのセットを作ることはできません。
セットを作るときにはワイルドカードを1枚だけ入れることができます。例えば9-9-2などです。
同じスートの続き札が3枚以上あるとそれをメルドすることもできます。これをシークエンスと呼びます。例えば ♥️9- ♥️10- ♥️J とか、 ♠️2- ♠️3- ♠️4- ♠️5 とかです。
2のカードはワイルドカードとしても使えますが、このようにナチュラルカードとして使うこともできます。
AはKの上のカードとしても、2の下のカードとしても使うことができます。つまり、 ♣️A- ♣️2- ♣️3や ♦️Q- ♦️K- ♦️A、 などとして使うことができます。 ただし、♠️K- ♠️A- ♠️2- ♠️3というように使うことはできません。 また、 下のAから上のAにつながるようなシークエンス、つまりA-2-3-4-5-6-7-8-9-10-J-Q-K-Aというシークエンスも作ることはできません。A-2-3-4-5-6-7-8-9-10-J-Q-Kまたは2-3-4-5-6-7-8-9-10-J-Q-K-Aが最長のシークエンスです。
同じスートのシークエンスを2つ以上作ることはできますが、2つのシークエンスを後で1つにすることはできません。
シークエンスの場合にもワイルドカードは1枚だけ入れることができますが、次のような注意点があります。
1つのメルドのカードは重ねて置きますが、インデックスが見えるようにカードをずらします。 縦にずらすことが多いようです。 チーム(パートナー2人)のメルドは区別する必要はありません。
自分のチームのメルドに、カードを付け加えることもできます。 これをレイオフ(Lay Off)と呼びます。
もちろん、付け加えてもメルドの条件を満たしていなければなりません。
←
ワイルドカードを含まないメルドにはワイルドカードを1枚だけレイオフすることができますが、ワイルドカードを含むメルドにはワイルドカードをレイオフすることはできません。
← OK
×← これはできません
ワイルドカードのカードを含むメルドの場合、ワイルドカードが代替している本来のカードをレイオフとして加え、ワイルドカードをそのメルドの別の位置に移すこともできます。 例えば、 ♥️9- ♥️10- ジョーカー- ♥️Qのときに ♥️Jをレイオフして、 ジョーカーを♥️9の隣に移動し、 ♥️8の代替カードとすることができます。
←
↓
2のカードの場合、今までワイルドカードとして使っていたものをナチュラルカードとして使うようにすることもできます。例えば、 ♠️3- ♠️2- ♠️5のメルドの場合、 ♠️4をレイオフして、 ♠️2- ♠️3- ♠️4- ♠️5 のメルド(♠️2はナチュラル)とすることができます。 (なお、ナチュラルカードになった2をそのあと移動してワイルドカードとして使うことはできません。)
←
↓
しかし、ワイルドカードをワイルドカードとして使っている2の位置に置き、その2を本来の2の位置に置いてナチュラルカードとすることはできません。
×←
シークエンスの小さいところに使っていたワイルドカードを大きいところに移動することや、シークエンスの大きいところに使っていたワイルドカードを小さいところに移動することも可能です。
←
↓
ワイルドカードとして使用していない2のカードをワイルドカードとして使用するために移動することはできません。
また、一度使ったワイルドカードを手札に戻したり、別のメルドに移動することはできません。
7枚以上のカードのメルドを特にビリバと呼びます。
ワイルドカードを含まないものをクリーン・ビリバ、含むものをダーティー・ビリバと呼びます。
最初のディーラーは任意のやり方で決めます。 次のディールからは、反時計回りにディーラーが交代します。
ディーラーは、左隣のプレイヤーにカットしてもらったあと、右隣のプレイヤーから反時計回りに、1枚ずつ、各プレイヤーの手札が11枚になるよう配ります。
配り残りの一番上のカードは表向きにして、テーブルに置きます。これは最初の捨て札としての扱いを受けます。 プレイ中の捨て札はこの上に置かれ、「捨て札の山」となります。
また、最初の捨て札のスートは「切札(kózi)」となります。 切札のスートは特別な働きはありませんが、このスートのシークエンスのビリバの点数が高くなります。 そのカードがジョーカーだった場合は、切札のスートはありません。
ディーラーがカードを配っているとき、ディーラーの左隣のプレイヤーは、カットしたときの元の上半分のカードの束から、2つの裏向きのカードの山を作ります。 1枚ずつ2つの山に配り、各山が11枚になるようにします。 2つの山は交差させて重ねて置きます。 この山はビリバキア(biribakia)と呼ばれます。
ディーラーの右隣のプレイヤーから反時計回りにプレイを行います。各プレイヤーは、自分の番の時に、次の1〜3のプレイを行います(2は行わなくてもかまいません)。
ドローは、山札の一番上のカードを、手札に加えることです。
捨て札を取る場合には、一番上のカードだけでなく、捨て札の山の全部のカードを取らなければなりません。
このゲームでは捨て札を取るための条件は何もありません。いつでも捨て札を取ることができます。
ただし、捨て札の山が1枚だけの時、捨て札から取って、取ったカードをまた捨て札することは禁止されています。 (捨て札と同スートで同ランクのカードを捨て札することや、ジョーカーを取って別のジョーカーを捨て札することもできません。)
なお、捨て札の山の中のカードは誰でもいつでも見ることができます。
一度にいくつメルドをしても、レイオフしてもかまいません。
ただし、パートナーで最初にメルドを行うときは、メルドするカードの点数の合計が次の点数以上でなければなりません。 チームで今までに得点した得点の合計(累計点)がその点数に関わってきます。
チームの累計点 | 必要点数 |
---|---|
1000点未満 | 0点 |
1000点以上2000点未満 | 75点 |
2000点以上 | 100点 |
ただし、自分の手札をすべてメルドすることができるときは、上記の点数に満たなくても最初のメルドを行うことができます。
捨て札は、捨て札の山の上に表向きに行います。下のカードの上に重ねます。 捨て札をしてはいけないカードはありません。ワイルドカードも捨て札できます。
パートナーのうち最初に手札がなくなったプレイヤーは、ビリバキアの11枚のカード(2組あれば上のほうの組)を取って手札にします。
メルドやレイオフをして手札がなくなった場合は、ビリバキアのカードを取ったあとにもメルドやレイオフを行うことができ、そのあと捨て札してプレイの番を終えます。
捨て札をして手札がなくなった場合は、ビリバキアのカードを取るだけでプレイの番は終了します。
次の2つの条件にあてはまった場合、メルドやレイオフをしたあと捨て札を行い手札のカードがなくなれば、上がりになり、そのディールは終了します。
上がるときには必ず捨て札をしなければなりません。捨て札をする前に手札を0枚にすることはできません。 また、上がれる条件がないのに、捨て札をしたときに手札が0枚になってはいけません。 (ビリバキアのカードを取ることができるときは例外です。)
山札からドローした結果、残りの山札がなくなった場合には、次のプレイヤーからは捨て札を取ることしかできませんが、取りたくないときはパスをします。 全員が続けてパスをしたら、プレイは終了し、得点計算を行います。
プレイが終わった後、次のように得点を計算して合計します(得点から罰点を引きます)。
メルドされている(ビリバを含む)カードについて、そのカードの点数の合計が得点となります。
上がったチームには100点のボーナス得点がつきます。
ビリバには次の点数が加算されます(作ったビリバ全部の点数を合計します)。
種類 | 得点 |
---|---|
ダーティー・ビリバ | 100点 |
クリーン・ビリバ | 200点 |
ただし、切札のビリバの場合は、上記点数の3倍になります。
ビリバキアを取っていないチームがあれば、そのチームには100点の罰点(マイナス点)がつきます。 ビリバキアの中のカードの点数は数えません。
プレイ終了時に手札にあるカードの点数の合計点が罰点(マイナス点)になります。 上がったプレイヤーのパートナーの手札の点数も、罰点として数えます。
プレイ終了後の得点計算で、累計点が3000点を超えたチームがあればゲーム終了となります。つまり、3005点以上です。 どちらも3000点を超えていたら、点数の多い方が勝者となります。 同点ならば、引き分けです。
個人戦になること以外は、4人ゲームと同じです。 ビリバキアはディーラーでないプレイヤーが作っておきます。
個人戦であり、相手がビリバキアを取ってそのまま上がる可能性は少ないので、どちらかがビリバキアを取るまでは、メルドは通常行いません。 その場合は、最初にビリバキアを取るプレイヤーは手札の全部または1枚以外の全部を一度にメルドすることになります。
基本的に個人戦で個人別にスコアを付けます。 しかし、プレイの途中からパートナーができます。
ビリバキアはディーラーの左隣が2個作ります。 1つの山は18枚、もう1つは11枚です。 (7枚の3つの山を作った後、そのうち2つを1つの山にまとめ、そのあと4枚ずつ各山に配ります)。
最初に手札がなくなったプレイヤーは17枚のビリバキを取ります。 それからは、残りの2人のプレイヤーがパートナーになり、メルドや得点を共有します。
パートナーになったプレイヤーがそれまで作っていたメルドも共有されますが、2つのメルドを合わせて1つのメルドにすることはできません。
パートナー2人の得点は、2人の点数を合計した後2で割ったものです。
トランプを3組使った162枚のカードを使います。
ビリバキアはディーラーの左隣が3個作ります。 1つの山は18枚、他は11枚です。 (7枚の4つの山を作った後、そのうち2つを1つの山にまとめ、そのあと4枚ずつ各山に配ります)。
3人ゲームと同様にビリバキアを取ったプレイヤーが1人でプレイし、残りはパートナーを組みます。 パートナーは2組できますが、1組はビリバキアを取ったプレイヤーの左隣と右から2人目のプレイヤー、もう1組が残りのプレイヤーになります。
パートナーは3人ゲームと同様にメルドや得点を共有します。
トランプを3組使った162枚のカードを使います。
向かい合わせのプレイヤーがパートナーになり、3組のパートナー戦となります。
ビリバキアは11枚のものを3組作ります。
Pagat.comのルールでは、本文とは次のように違います。
ビリバの種類 | クリーン | ダーティー |
---|---|---|
7枚~12枚のシークエンス(切札以外) | 200 | 100 |
7枚以上のセット | 300 | 150 |
7枚~12枚のシークエンス(切札) | 400 | 200 |
13枚のシークエンス(切札以外) | 1000 | 500 |
13枚のシークエンス(切札) | 2000 | 1000 |
Basil E. Gala博士のルールでは、本文とは次のように違います。
英文WikiPediaでは、本文と次のように違います。
チームの累計点 | 必要点数 |
---|---|
1000点未満 | 0点 |
1000点以上1500点未満 | 75点 |
1500点以上 | 90点 |
ビリバの種類 | クリーン | ダーティー |
---|---|---|
7枚~12枚のシークエンス(切札以外) | 200 | 100 |
7枚以上のセット | 300 | 150 |
7枚~12枚のシークエンス(切札) | 600 | 300 |
13枚のシークエンス(切札以外) | 1000 | 500 |
13枚のシークエンス(切札) | 1000 | 500 |
上記以外のバリエーションを挙げておきます。Pagat.comに拠ります。
ビリバキアを取るときまで、メルドをしてはいけないというルールもあります。
最後まで個人戦で行う方法もあります。 ビリバキアは11枚です。
メルド(やビリバ)はシークエンスしか認められません。
捨て札の山を取るときは、その山の中の少なくとも1枚を使って、メルドかレイオフをしなければならないというルールです。 それが出来なければ、捨て札の山を取ることはできません。
5000点か3000点が普通だが、2000点、2500点、3500点などもあります。
次のようなものがあります。
ゲームの終了点数 | 累計点 | 必要点数 | 累計点 | 必要点数 | 累計点 | 必要点数 | 累計点 | 必要点数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5000 | -1495 | 0 | 1500-2995 | 75 | 3000-3995 | 100 | 4000- | 120 |
3000 | -495 | 0 | 500-995 | 75 | 1000-1995 | 100 | 2000- | 120 |
2000 | -1245 | 0 | 1250-1745 | 75 | 1750- | 150 | ||
5000 | -1995 | 0 | 2000-2995 | 75 | 3000- | 90 | ||
3000 | -995 | 0 | 1000-1445 | 75 | 1500- | 90 | ||
3030 | -1025 | 0 | 1030- | 75 | ||||
5000 | -1495 | 55 | 1500-2995 | 75 | 3000- | 95 |
最初の捨て札として山札から表にしたカードがジョーカーだった場合、次のようにすることもあります。
ジョーカーを25点にすることがあります。
2を20点にすることがあります。
3人プレイのとき、パートナーになった2人は連続してプレイすることになりますが、そのうち先にプレイするプレイヤーはワイルドカードを捨て札してはいけないというルールにすることがあります。
Pagat.comへの情報提供者の1人である氏は、次のルールを推薦しています。
2024年11月2日、なかよし村でプレイしました。
私は5人でプレイしましたが、なかなか面白かったです。 2人から6人まで何人でもプレイできるというのは良いですね。 3人ルールや5人ルールは良く考えられていると思います。
カナスタのように捨て札を取るか取られるかというスリルはありませんが、 考えるところはたくさんあり、良いゲームだと思います。