2023/8/12 赤桐
イタリアでプレイされているカナスタの一種です。 大きいカナスタという意味になります。 英語ではイタリアン・カナスタ(Italian Canasta)とも呼ばれます。
イタリアではカナスタ系統のゲームとしてはブラッコというゲームもプレイされていますが、 この2つのゲームはカナスタから反対方向に進化したようなゲームです。 カナストーネはより重厚なゲームになっています。 イタリアではカナスタより盛んにプレイされているようです。
2人、3人、4人、6人。
まず4人ゲームを説明します。向かい合った2人がパートナーになります。
52枚の通常のカードに2枚のジョーカーを加えた54枚のカードを3組使用します。 合計162枚のカードを使うことになります。 カードの裏模様は違っていてもかまいません。 3組のカードは混ぜ合わされます。
このゲームではメルドを作ることがプレイの目的になります。
メルドというのは、カードの特定の組み合わせを、テーブル上に見えるように出して、得点を得ることです。
カナストーネでは、同じランク(数位)のカードが3枚以上あれば、それをメルドすることができます。例えば7のカード3枚とか、キングを5枚とかです。
自分や自分のパートナーのメルドに、カードを付け加えることもできます。 これをレイオフ(Lay Off)と呼びます。
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1つのメルドのカードは重ねて置きますが、インデックスが見えるように、ずらしておきます。 普通は縦にずらします。 各チーム(パートナー2人)のメルドは区別する必要はなく、同じ所に置いておきます。
1つのチームでは、同じランクのメルドは1つしか作ることができません。
3と
3は決してメルドすることはできません。捨て札することができるだけです。
3と
3のことを、これ以降まとめて黒3と呼ぶことにします。
3と
3もメルドすることはできませんが、捨て札しないで1枚でもテーブルに表向きに出します。 これはボーナス点になります(マイナス点になることもあります)。
3と
3のことを、これ以降まとめて赤3と呼ぶことにします。
ジョーカー(mattoni)と2(pinelle)のカード全部はワイルドカード(代札)になります。 ワイルドカードは、メルドする場合、他のカードの代わりに使うことができます。
ワイルドカードでないカードを、ナチュラルカードと呼びます。
1つのメルドにワイルドカードは最大2枚まで使うことができます。 また、1つのメルドのワイルドカードの数はナチュラルカードの数より少なくなければなりません。 つまり、3枚か4枚のメルドなら1枚しかワイルドカードを含めることができず、それ以上の枚数のメルドなら2枚までワイルドカードを含めることができます。
メルドした場合のメルドの点数は、メルドしたカードの点数の合計点です。
また、プレイ終了時に手札が残っていた場合には、手札のカードの点数の合計点がマイナス点となります(メルドの点数から、手札の点数を引くことになります。)
カードの点数は次の通りです:
カード | 点数 |
---|---|
ジョーカー | 50点 |
2 | 20点 |
A | 20点 |
K、Q、J、10、9、8 | 10点 |
7、6、5、4、黒3 | 5点 |
赤3にはカードの点数はありません。
7枚以上のカードからなるメルドのことをカナスタ(canasta)と呼びます。カナスタには前記のカードの点数に加えてボーナス点がつきます。
ワイルドカードを含まないカナスタをナチュラルカナスタ(canasta naturale)、ワイルドカードを含むカナスタをミックスドカナスタ(canasta mista)と呼びます。
ナチュラルカナスタの例
ミックスドカナスタの例
カナスタは普通のメルドにレイオフをすることにより作ってもかまいません。
カナスタは、普通のメルドと異なり、一番上のカードだけが見えるように重ねて置きます。 ナチュラルカナスタとミックスドカナスタを区別するため、ナチュラルカナスタの一番上のカードには赤のカードを、ミックスドカナスタの一番上のカードには黒のナチュラルカードを置きます(可能ならば)。
カナスタに対してさらにレイオフすることもできます。 レイオフするカードはカナスタの山の一番下に重ねて置きます。 ただし、カナスタにレイオフできるのはナチュラルカードだけで、ワイルドカードをレイオフすることはできません。
カナスタを作った場合でも、1つのチームでは同じランクのカナスタを含むメルドは1つだけしか作れません。
ワイルドカードを3枚以上集めてメルドすることもできます。 2とジョーカーが混ざっていてもかまいません。 このメルドも7枚以上になるとカナスタになります。
カナスタになっていないワイルドカードのメルドがある場合、次の制限があります。
ワイルドカードのカナスタでは、例外的にナチュラルかどうかは次のようにして決まります。
ワイルドカードのカナスタに対して、ワイルドカードをレイオフすることもできます。 (レイオフするカードによってはナチュラルカナスタがミックスドカナスタに変わることがあります。)
最初のディーラーは任意のやり方で決めます。 次のディールからは、時計回りにディーラーが交代します。
ディーラーは、右隣のプレイヤーにカットしてもらったあと、左隣のプレイヤーから時計回りに、1枚ずつ、各プレイヤーの手札が15枚になるよう配ります。
配り残りの一番上のカードは表向きにして、テーブルに置きます。最初の捨て札としての扱いを受けます。 プレイ中の捨て札はこの上に置かれ、「捨て札の山(pozzo)」となります。
もしこのカードががワイルドカードか赤3か黒3であれば、もう一度、配り残りの一番上のカードを表向きにしてこの上に重ねて置きます。 もしそれもワイルドカードか赤3か黒3であればもう一度これを繰り返します。 3回目もワイルドカードか赤3か黒3であれば、同じディーラーで、カードをすべて配りなおします。
そのあと、この捨て札の山の下に、4枚~14枚のカードを、配り残りのカードから取って裏向きに置きます。 この枚数は、捨て札の山の一番上のカードにより、次のように決まります。
なお、表向きに置いたカードの中にワイルドカードがあれば、そのカードは見えるようにずらして置きます(後で説明するフローズンという状態になります)。
残りのカードは山札(tallone)として捨て札の山の横に置きます。
プレイの前に、赤3のカードを配られていたプレイヤーは、そのカードを表向きに自分またはパートナーの近くのテーブルの上に表向きに置き、その枚数分山札からドローして手札に入れます。 ドローしたカードの中に赤3があればこれを繰り返します。 カードをドローする順番は、ディーラーの左隣のプレイヤーから始めて、時計回りです。
ディーラーの左隣のプレイヤーから、時計回りに1人ずつ、プレイを行います。
チームの誰もまだメルドを作っていないときは下記の「最初のメルドの前のプレイ」を行い、誰かがメルドを作ったら「通常のプレイ」を行います。
「最初のメルドの前のプレイ」の中でメルドを作成したら、そのプレイヤーが続けて「通常のプレイ」を行うことができます。
自分もパートナーもメルドをまだ作っていないときは、自分の番のときに、次のどちらかの行動をとらなければなりません。
山札の一番上からカードを取ることをドローと呼びます。 最初のメルドを作るのは、ドローの前でなければならないことに注意してください。 山札からドローしたら、捨て札することしかできません。
最初のメルドを作るときには、そのメルドの点数(メルドしたカードの合計点数)は次の点数以上でなければなりません。 2つ以上のメルドを同時に作って、その合計が次の点数以上でもかまいません。 カナスタや赤3のボーナス点は、この点数としては数えません。
今までのディールで得ている累計得点 | 必要な点数 |
---|---|
3000点未満 | 50点 |
3000点~4995点 | 90点 |
5000点~6995点 | 120点 |
7000点~9995点 | 160点 |
10000点~11995点 | 180点 |
12000点以上 | 200点 |
(12000点以上というのは、ゲームの目的点が12000点より大きいときだけ有効です)。
チームの誰かが最初のメルドを作ったら、そのチームのプレイヤーは通常のプレイをすることができます。
最初のメルドを自分またはパートナーが作ったあとは、自分の番のときに、次のプレイを1~3の順で行います。 最初のメルドを作ったその番でも同様です。
1.山札から2枚をドローする、または(条件を満たせば)捨て札の山の全部を取り山札から1枚をドローする。
2.メルドやレイオフを行う。あるいは、しなくてもよい。
3.手札から1枚のカードを捨て札の山の上に捨てる。
ドローしたカードが赤3だったら、そのカードを表向きにしてテーブルに出し、再びドローします。
捨て札を取る場合には、一番上のカードだけでなく、捨て札の山の全部のカードを取らなければなりません。
捨て札を取るためには、捨て札の一番上のカードと手札のナチュラルな2枚のカードで、直ちにメルドを作らなければなりません。 これができなければ、捨て札を取ることができません。 まず手札から同位カードを2枚出したあと、捨て札のカードを加えてメルドを作ります。
既に同じランクのメルド(カナスタを含む)を作っていた場合でも、同位カードを2枚出して捨て札の山を取ることができますが、同じランクのカードはすべて併合して1つのメルドにします。
ただし、捨て札の山の中にワイルドカードが山に含まれている場合は、フローズン(gelato)と呼ばれ、捨て札の一番上のカードと手札のナチュラルな3枚のカードで直ちにメルドを作らなければなりません。
なお、捨て札の一番上のカードがワイルドカードだった場合や、黒3だった場合には、決して捨て札を取ることはできません。
ディールで最初に捨て札を取るプレイヤーは、裏向きに重ねられているカードも取ることになります。 このとき、赤3のカードが表向きまたは裏向きのカードの中にあれば、取ったプレイヤーはそれをテーブルの出さなければなりませんが、山札から補充することはできません。
捨て札を取った時も、山札から1枚だけドローします。
一度にいくつメルドをしても、レイオフしてもかまいません。
メルドしたカードを、手札に戻したり、他のメルドに移すことはできません。
捨て札は、捨て札の山の上に表向きに行います。下のカードが見えないように重ねます。
捨て札の、下のカードを見ることは禁止されています。
フローズンでない捨て札の山に、ワイルドカードを最初に置くときには、そのカードはずらして置くか横向きに置くかしてインデックスが見えるようにして、フローズンになったことを示します。
1人のプレイヤーがメルドやレイオフの後捨て札して手札がなくなったら、上りとなり、プレイは終了します。 上りには次の条件があります。
メルドやレイオフを行って手札を0枚にすることや、上がることができないのに捨て札して手札を0枚にするプレイは禁止されます。 (上がれないときはメルドやレイオフのあとに手札は2枚なければなりません。)
上がろうとするプレイヤーは、自分のパートナーに、上がってもよいかどうか訊ねてもかまいません。パートナーは、これに対して、「はい」か「いいえ」で答えます。 聞いたプレイヤーは、それに従わなければなりません。
誰かの番の前に、山札がなくなるか1枚しかないときは、プレイが終了します。
また、プレイヤーがドローしたときに赤3のカードを引き、それを補充しようとしても山札がなくなっているときは、ドローした赤3をテーブルに出して、プレイが終了します。 そのプレイヤーはメルド/レイオフや捨て札をすることができません。
各チームは、メルドしたカードの点数から、手札のカードの点数を引きます。 上がったプレイヤーのチームの手札の点数も引かれます。
上がったチームには、300点を加えます。 (山札がなくなって終わった時は、どのチームにも加えません)。
その点数に、カナスタのボーナス点と赤3のボーナス点(マイナスの場合あり)を加えます。
カナスタのボーナスは次の通りです(カナスタのカードの点数も数えますが、さらにこれを加えます)。
カナスタの種類 | 点数 |
---|---|
ミックスドカナスタ(4~K) | 300点 |
ナチュラルカナスタ(4~K) | 500点 |
ミックスドカナスタ(A) | 500点 |
ナチュラルカナスタ(A) | 1000点 |
ミックスドカナスタ(ワイルドカード) | 2000点 |
ナチュラルカナスタ(2) | 3000点 |
ナチュラルカナスタ(ジョーカー6枚と2が1枚) | 5000点 |
カナスタを5個以上作っていた場合は、1000点追加されます。 ナチュラルカナスタ5個以上とミックスドカナスタ1個以上作っていた場合は、1000点の代わりに、2000点が追加されます。
赤3の基本のボーナス点は1枚につき100点です。 作っているカナスタの数により、次のようになります。
なお、間違って手札に赤3を残していた場合は、1枚マイナス500点となります。
ディールの終了時点で、12000点に到達したチームがあればゲーム終了となります。 もちろん、点数の多い方が勝者となります。同点ならば、引き分けです。
勝者に特にボーナスはなく、精算は点数差で行います。
個人戦になりますが、4人のときと同じルールになります。
3人対3人でプレイします。 各チームは1人おきに席につきます。
その他のルールは、4人のときと同じです。 上がるときに味方に許可をもらいたいときには、誰に聞くかを指名します。
Pagat.comには次のような別ルールが紹介されています。
2023年8月12日、なかよし村でプレイしました。
細かいルールがかなり複雑で説明に時間がかかり、プレイ自体もカナスタを2つ作らなけらばならないので大変でしたが、大変面白くプレイできました。
同位カードが手札に何枚かあるとき、捨て札を取るために手札に残しておくべきか、それともパートナーにカードをつけてもらったり相手に上がられたときの用心にメルドを作っておくべきかが、悩ましいところです。