2005/8/6 赤桐
ジャマイカで盛んにプレイされているラミー系のゲームです。カルーキという名前ですが、他の国でプレイされているカルーキとはかなり違い、むしろコントラクト・ラミーを呼ばれているゲームに近いものです。
ルールは John McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によります。
3人〜6人。4人がベストのようです。
52枚のカードを2組とジョーカー4枚を使います。
カードのランクは(低)A、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K、A(高)の順です。Aは最も下のカードとしても最も上のカードとしても使えます。
カードの点数は次の通りです。この点数はプレイの最後のこれらのカードが手札に残っていたときの罰点です。
ジョーカー | 50点 |
黒A(A、A) | 15点 |
10、J、Q、K | 10点 |
2〜9 | その数字の点数 |
赤A(A、A) | 1点 |
ラミー系のゲームで普通メルドと呼ばれるものですが、このゲームではそういう呼び方はしないようです。特定の組み合わせの1組のカードを種類によりスリーまたはフォーと呼びます。
このゲームの目的は、手札からスリーまたはフォーを作ってテーブルに出すことです。
3枚以上の同じランクのカードです。例えば、8、8、8の3枚はスリーになっています。K、K、K、K、Kのように4枚以上あってもかまいません。また、KとKのように全く同じカードがあってもかまいません。(4枚以上でもスリーと呼びます。)
同じスートの4枚かそれ以上の続き札のことです。例えば、9、10、J、Qの4枚はフォーになっています。(5枚以上でもフォーと呼びます。)
A(エース)は2の下のカードとして、A-2-3-4というようにつながります。また、Kの上のカードとしてJ-Q-K-Aというようにもつながります。しかし、K-A-2-3というようにはつながりません。
ジョーカーはワイルドカード(代札)です。つまり、スリーやフォーにおいて、どのカードの代わりにでも使うことができます。
使うときにはどのカードの代わりに使うかを明確にしなければなりません。(ただし、スリーの場合はスートを宣言する必要はありません。)
スリーの場合には、ジョーカーでないカードを少なくとも2枚含んでいなければなりません。ジョーカーの枚数の制限はありません。
フォーの場合には、ジョーカーを2枚連続して使ってはいけません。たとえば、A、2、ジョーカー、ジョーカー、5というように使うことはできません。連続していなければ何枚でもジョーカーを使うことができます。
最初のディーラーは任意に決めます。次回からは時計回りに交替します。
ディールつまりカードを配ってからプレイが終わるまでのことを、ジャマイカン・カルーキの用語ではゲーム(game)と呼びます。
9ゲーム(9ディール)でジャマイカン・カルーキは終了します。この9ゲームをセット(set)と呼びます。
各ゲームにより、ディーラーが各プレイヤーに配るカードの枚数は次のように変わります。ディーラーは1枚ずつ各プレイヤーにこの枚数のカードを配ます。(「コントラクト」については後述します。)
ゲーム順 | 配る枚数 | コントラクト |
---|---|---|
1
|
9枚
|
スリー3組 |
2
|
10枚
|
スリー2組、フォー1組 |
3
|
11枚
|
スリー1組、フォー2組 |
4
|
12枚
|
フォー3組 |
5
|
12枚
|
スリー4組 |
6
|
13枚
|
スリー3組、フォー1組 |
7
|
14枚
|
スリー2組、フォー2組 |
8
|
15枚
|
スリー1組、フォー3組 |
9
|
16枚
|
フォー4組 |
残ったカードは山札(stock)としてテーブル中央に裏向きに置きます。山札の一番上のカードは表にされて山札の横に置かれます。これが最初の捨て札となります。プレイ中の捨て札はこの上に置かれ、捨て札の山となります。
最初にプレイするのはディーラーの左隣のプレイヤーです。プレイは時計回りに行われます。
各プレイヤーのプレイは次のように行います。
1)まず、山札の一番上のカードまたは捨て札の山の一番上のカードを1枚取って手札に加えます。これをドロー(Draw)といいます。
2)次に、可能ならばレイダウンやトラックオンというプレイをすることができます。可能な場合でも、しなくてもかまいません。これについてはこのあと説明します。
3)最後に、手札から1枚のカードを捨て札します。捨てるカードは捨て札の山の上に表向きに置きます。ジョーカーを捨て札することはできません。ジョーカー以外ならどのカードを捨ててもかまいません。
レイダウンとは、手札でスリーまたはフォーになっているカードを、テーブルに表向きに置くことです。
このゲームでは各プレイヤーが最初にレイダウンするためにはコントラクトを満たすスリーやフォーを1度に出さなければなりません。何ゲーム目かでコントラクトの内容は変わります。それは上記の表に記しています。
たとえば、最初のゲームでは「スリー3組」となっていますので、3組のスリーを一度に出さなければなりません。2番目のゲームは「スリー2組、フォー1組」なのでスリーを2組とフォーを1組を一度に出さないといけません。
最初にスリーやフォーを出した後は、スリーやフォーは何組ずつでも出すことができます。
1人のプレイヤーは同じランクのスリーを2つ以上作ることはできません。また、1人のプレイヤーは同じスートのフォーを2つ以上作ることはできません。(最初のレイダウンだけでなく、その後のレイダウンでもこの規則は有効です。)
レイダウンを行ったプレイヤーは、捨て札の山からカードを取ることはできなくなります。
トラックオンとは自分または他のプレイヤーのスリーやフォーにカードを付け加えることです。もちろん、付け加えてもスリーやフォーのままでいることが条件です。
例えば9、9、9のスリーがあるならば、手札に9を持っていれば、それをトラックオンすることができます。
スリーについては、このように自由にトラックオンすることができ、ジョーカーをトラックオンすることも自由です。
フォーについては、トラックオンできるのはフォーを上のほうに伸ばす場合だけです。例えば、9、10、J、Qのフォーに対して、Kをトラックオンすることはできますが、8をトラックオンすることはできません。
ただし、フォーの一番上のカードがAである場合には、下のほうに伸ばすことができます。例えば、上の例のフォーがトラックオンで伸びて9、10、J、Q、K、Aとなった場合には、8をトラックオンすることができるようになります。
フォーにジョーカーをトラックオンすることもできますが、上記の制限(Aがトップのフォー以外は上へしか伸ばせない)に従います。また、ジョーカーが連続することになるときはトラックオンできません。例えば、3-4-5-ジョーカーとなっているものにトラックオンすると3-4-5-ジョーカー-ジョーカーになってしまうので、トラックオンできません。
特別なトラックオンとして、ジョーカーを含んだフォーについて、ジョーカーが代わりをしているカードの本物を持っているプレイヤーは、そのカードをジョーカーの位置にトラックオンすることができます。そのジョーカーは一番上に移動します。一番上のカードがAだった場合には、一番下に移動します。例えば、6、7、ジョーカー、9のフォーに対して、8を持っているプレイヤーはそれをジョーカーのところに置き、ジョーカーを9の上に移動させることができます(ジョーカーは最初は8の代わりでしたがトラックオンの後は10の代わりとなります)。
ただし、ジョーカーを移動させるとジョーカーが連続するような場合にはこのようなプレイはできません。また、AからAまで14枚のカードがつながっているようなフォーの場合もジョーカーを移動できないのでだめです。
なお、ジャマイカン・カルーキでジョーカーが移動するのはこの場合だけです。
トラックオンのプレイをすることができるのは、レイダウンをしているプレイヤーだけです(レイダウンをしたその番でトラックオンをすることもできます)。
コールとは特別なプレイの方法です。レイダウンをしていないプレイヤーだけがすることができます。
誰かがプレイして捨て札したときに、次に自分の番でないプレイヤーは誰でも、コール(call)と言ってその捨て札を取ることができます。
何人かがコールした場合には、捨て札が捨て札の山の上に置かれた後に最も早くコールの宣言をしたプレイヤーが捨て札を取る権利を得ます。
ただし、次の番のプレイヤーがまだレイダウンしていないプレイヤーであれば、そのプレイヤーはコールを拒絶して自分でその捨て札を取ることができます(コールを拒絶した場合には必ず捨て札を取らなければなりません)。
コールで捨て札を取った場合には、山札の一番上のカードも1枚ドローしなければなりません。そのプレイヤーはそのときにはレイダウンやトラックオンはできません。
コールのあとは本来の次の番のプレイヤーがプレイしますが、そのプレイヤーは捨て札(コールされた捨て札の下にあった捨て札)を取ることはできず、必ず山札からドローします。また,他のプレイヤーもその捨て札をコールで取ることはできません。
1つのゲーム(ディール)で各プレイヤーは3回までしかコールできません(成功したコールだけを数えて3回です)。
既に述べたことですが、レイダウンしたプレイヤーは次のいずれもできなくなりますので、ご注意ください。
その代わり、トラックオンができるようになります。
誰かがレイダウンやトロックオンや捨て札によって手札がなくなるとプレイが終了します。つまり、捨て札をしないで手札がなくなっても、捨て札をすることにより手札がなくなってもかまいません。
プレイヤーが山札を取ろうとしたときに山札が一枚もなかった場合には、ディーラーが最も上の1枚以外の捨て札をすべて取り、シャッフルして山札とします。
手札がなくなったプレイヤーを除いて、各プレイヤーはテーブルに出していない自分の手札の点数を合計して、罰点として記入します。手札の中でスリーやフォーになっていても罰点を減らしたりはしません。
9ゲーム(9ディール)終わって、罰点の合計の最も少ないプレイヤーが勝ちになります。
1〜3ゲーム目には12枚ずつ配るというルールもあります。
フォーにはジョーカー以外のカードが少なくとも3枚必要だというルールもあります。
ジョーカーを4枚ではなく6枚入れることもあります。
3パック以上のトランプを使って、7人以上で遊ぶ場合もあります。
John McLeod氏のサイトのルールを厳密に読むと、本文のように、プレイが始まって最初のプレイヤーがプレイする前にコールの宣言をすることはできないことになりますが、あるいは、このときにもコールできるのかもしれません。
山札がなくなったときのやり方はJohn McLeod氏のサイトには書かれていなかったので、他のゲームからの推測で補いました。正しくないかもしれません。
2005年8月6日になかよし村でプレイしました。とてもスリリングで楽しいゲームです。色々作戦を立ててやってみることもできそうです。ただ、非常に運の要素の強いゲームであることも確かです。