2024/4/6 赤桐
イタリアのボローニャ地方のタロットカードのゲームです。
できるだけ点数を取らないようにするトリックテイキングゲームですが、リードされたスートがないときは必ず切札を出さなければなりません。 また、取ったカードの組み合わせでも点数があり、その点数も取らないようにしなければなりません。
オットーチェントを逆にしたようなゲームです。
3人~6人。 推奨は4人か5人。
正式にはボローニャ版のタロットカードを使います。 これには各スートの2から5の数札が欠けています。 スートはソード、バトン、カップ、コインです。
ソードとバトンのスートのカードは、強いカードから順に、次の通りです。 普通のスート(フレンチスート)のタロットを使うときは、クラブとスペードがこれに当たります。
キング、クイーン、カバロ、ジャック、10、9、8、7、6、A
カップとコインのスートのカードは、強いカードから順に、次の通りです。 普通のスートのタロットを使うときは、ハートとダイアモンドがこれに当たります。
キング、クイーン、カバロ、ジャック、A、6、7、8、9、10
さらに、切札のカードが21枚あります。 このうち12枚は16から5までのアラビア数字が書かれています。 それ以外の9枚は絵だけが描かれています。強いものから順に挙げると次の通りです。
天使、世界、太陽、月、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、ムーア人(4枚)、ベガト
普通のタロットカードを使うときは、天使=21、世界=20、太陽=19、月=18、以下17~6が普通の切札、ムーア人=5~2、ベガト=1とすれば良いでしょう。
さらにもう1枚、絵だけが描かれたカードがあります。マット(道化、愚者)です。このカードは特別な働きをします。
天使、世界、ベガト、マットの4枚はタロッキと呼ばれます。
以下のカードにはそれぞれ点数があります。
カード | 点数 |
---|---|
天使 | 4点 |
世界 | 4点 |
ベガト | 4点 |
マット | 4点 |
キング | 4点 |
クイーン | 3点 |
カバロ | 2点 |
ジャック | 1点 |
その他 | 0点 |
また、取ったカードの数をプレイヤーの数で割った点数がこれに追加されます(つまり1トリック取るごとに1点になります)。 さらに、最後のトリックを取ったプレイヤーには6点が追加されます。
最初のディーラーは任意の方法で決めます。 次回からディーラーは右隣に移っていきます(反時計回り)。
ディーラーはカードをディーラーの右隣から始めて反時計回りに配っていきます。 5枚ずつ2回、つまり各プレイヤー10枚になるように配ります。 残りのカードは使いません。
ディーラーの右のプレイヤーが最初のリードを行います。 プレイは反時計回りで、トリックテイキングゲームのルールで行います。 フォローの義務があり、フォローできないときには切札を出す義務があります。
ムーア人のカードが複数出されたときには、最後に出されたムーア人がムーア人の中では最も強いカードになります。
マットを持っている人はフォローの義務に従わずに、いつでもマットを出すことができます。 マットをリードした時には、次にプレイするプレイヤーはどのスートのカードを出してもかまいません。 それ以降にプレイするプレイヤーは2番目のプレイヤーのスートをフォローします。
マットを出したプレイヤーは常にトリックには負けます。 ただし、マットだけは勝ったプレイヤーのものにはならず、マットを出したプレイヤーのものになります。 ただし、こうしてマットを持っているプレイヤーは、プレイが全部終わったあとで、自分の側の取ったカードの中のどれか1枚を選んで、相手側に渡します。 マットを渡すこともできます。 1回もトリックに勝っていなくて、マットしかカードを持っていない場合は、マットを相手に渡します。
プレイが終わると各プレイヤーは次の合計点数を計算します。
その点数が最も高いプレイヤーがそのディールの敗者となります。 同点ならばその全員が敗者となります。
ただし、0点のプレイヤーがいた場合には、そのプレイヤーが敗者になります。 複数いればその全員が敗者です。
点数が低いほうが良いゲームなので嬉しくないですが、トリックで取ったカードで以下のような組み合わせができる場合は、ボーナス点がもらえます。 可能な最大の点数を取得しなければなりません。
カードの組み合わせにより点数がつきます。組み合わせには「クリッケ」と「シークエンス」の2種類があります。 同じカードを違う種類のクリッケやシークエンスに重複して使用することは可能です。
クリッケに属するのは次の組み合わせです。
カードの組み合わせ | 点数 |
---|---|
タロッキ3枚(タロッキは天使、世界、ベガト、マット) | 18点 |
タロッキ4枚 | 36点 |
キング3枚 | 17点 |
キング4枚 | 34点 |
クイーン3枚 | 14点 |
クイーン4枚 | 28点 |
カバロ3枚 | 13点 |
カバロ4枚 | 26点 |
ジャック3枚 | 12点 |
ジャック4枚 | 24点 |
クリッケが3つ以上できると、クリッケのボーナスは2倍になります。
シークエンスは後述するようなカードの組み合わせです。そのなかにはシークエンスという言葉にふさわしくないものも含まれますが、ゲーム上はシークエンスとして扱われます。
シークエンスの点数は、3枚のシークエンスが10点で、それより1枚長くなるごとに、5点が加わります。
シークエンスが3つ以上できると、シークエンスのボーナスは2倍になります。
シークエンスは次の通りです:
ベガトとマットは、シークエンスについてのワイルドカードとして使うことができます。この働きをするとき、この2つのカードをコンタトリと呼びます。
2人の負け数が2つ以上になったとき、ゲームは終了します。 それ以外で、1人の負け数が5つになったとき(5人、6人ゲームのときは4つになったとき)もゲームは終了します。
2人負けのときは、負けた各プレイヤーは他の各プレイヤーに1単位を支払います。
1人負けのときは負けたプレイヤーは他の各プレイヤーに3単位ずつ支払います(5人、6人ゲームのときは4単位ずつ支払います)。
現地では、天使、世界、ベガト、マット、キングは5点、クイーンは4点、カバロは3点、ジャックは2点、それ以外のカードは0点として数えたあと、以下の補正を行います。 本文ではわかりにくいので数え方を変えていますが、結果の点数は同じです。
まず、取ったカードをプレイヤーの数のカードの組にします。 例えば、4人ゲームなら4枚の組をいくつか作ります。 どのカードを組にしても結果は同じですから、計算しやすいように組にします。 それぞれの組に次の補正をします。
2024年4月6日になかよし村でプレイしました。
オットーツェントのパロディーという感じのゲームです。 マストラフのルールもなかなかですが、シークエンスも結構できやすくて、相手に作らせたりするのは楽しめます。