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ピードロ(Pedro)

2001/6/7 赤桐

 19世紀の終わりごろ、米国ではピッチの一種のシンチ(Cinch あるいは Double Pedro, High Five)と呼ばれるゲームが作られて盛んにプレイされましたが、20世紀になると次第にプレイされなくなりました。

 しかし米国南部などの一部地域では今でも盛んにプレイされています。今ではピードロと呼ばれることが多いようです。

 切札以外のカードがほとんど価値を持たないという珍しいゲームです。割合気楽に楽しめ運の要素も強いゲームですが、考える要素もあります。

 このゲームはトリックテイキングゲームです。http://www.pagat.comに紹介された代表的なルールを紹介します。


プレイヤー

 4人。向かい合った2人がパートナーになります。

カード

 普通の52枚のトランプを使います。

 プレイの前に1つのスートを 切札に指定しますが、そのスートと同じ色のスートののランクのカードも切札になります。例えばハートを切札にした場合、同じ赤い色のスート、つまりダイアモンドのも切札になります。

 切札のピードロ(Pedoro)、同色のロー・ピードロ(Low Pedoro)と呼びます。ロー・ピードロはマークで表示されているスートには属しません。切札のスートの完全な一員になります。

 切札がダイアモンドの場合の例:

   [D5] ピードロ      [H5] ロー・ピードロ

 カードの強さは、切札のスートでは、強いものから順に、10ピードロ)、同色のロー・ピードロ)、の順です。

 切札以外のスートでは、10の順です。(切札と同色のスートではは存在しないと考えます)。

 カードは次の点数を持ちます(点数を持つのは切札の特定のカードだけです):

ピードロ(切札の5) 5点
ロー・ピードロ(同色の5) 5点
切札のA(「ハイ」) 1点
切札のJ 1点
切札の10 1点
切札の2(「ロー」) 1点

ディール

 最初のディーラー任意のやり方で決めます。ディーラーは ディールごとに左隣のプレイヤーに移ります。

 ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、まとめて3枚ずつ、各プレイヤーの手札が9枚になるように配ります。

ビッド

 ディーラーの左隣から順に時計回りに、1人ずつ ビッドを行います。ビッドしたくない場合には、「パス」と宣言します。ビッドの機会は1回しかありません。

 ビッドでは、自分のチームで取れる点数を予想して、点数を宣言します。例えば、10点とか12点とかいうように宣言します。ビッドできる最低点は7点で、最高点は14点です。自分の前にビッドがあった場合には、その点数より高い点数しかビッドできません。

 最も高い点数をビッドしたプレイヤーをデクレアラーと呼ぶことにします。

 なお、ディーラー以外の3人がパスをした場合には、ディーラーは7点をビッドしてデクレアラーにならなければなりません。

切札

 デクレアラーは、どのスートを切札にするかを宣言します。

交換

 切札が決まったら、切札以外のカードを全部、プレイヤー全員が裏向きに捨て札します。

 ディーラーは自分以外の3人に、手札が6枚になるように、配り残りのカードからカードを配ります。(最初から切札が6枚以上あって、既に手札が6枚以上あるプレイヤーには配りません。)

 次にディーラーは配り残りのカードをすべて自分の手札に加え、手札が6枚になるように捨て札します。このとき切札を捨て札することはできません。切札が多い場合には、手札が6枚より多くなってもかまいません。 

プレイ

 トリックテイキングゲームのルールに従います。

 デクレアラーが最初のリードを行います。

 切札がリードされたときには、切札を持っていれば出さなければなりません。持っていないときには、どのカードを出してもかまいません。

 他のスートがリードされたときには:

 なお、6枚より多くのカードを持っている場合には、最初のトリックのときに2枚以上のカードを出して、残りのカードが5枚になるようにします。2枚以上のカードを出すときには、表向きに重ねて出します。このトリックに勝つプレイヤーを決めるときに用いるカードは一番上のカードだけです。点数のあるカードは一番上にしか置けません。

得点

 デクレアラーのチームは、ビッドした点数以上の点数をプレイで取った場合には成功となり、そうでなければ失敗になります。

 デクレアラーの相手方のチームは、いつでも、プレイで取った点数が得点になります。

ゲーム

 ディールが終わって、いずれかのチームの累計得点が62点になったらそのチームの勝ちになります。

 ディールが終わって、どちらのチームの得点も55点以上で62点未満だった場合、「ビッダー・ゴーズ・アウト」(bidder goes out)の状態となります。この場合には、次のディールででデクレアラーになって成功したチームが、たとえ累計点が低くても、勝者となります。失敗の場合には普通に得点をつけます(その結果相手方が62点以上になれば相手方の勝ちです)。

 ビッダーゴーズアウトの状態を経ずに、ディールが終わってどちらのチームの得点も62点以上になった場合も、やはりビッダー・ゴーズ・アウトの状態となります。どちらかのチームがデクレアラーになって成功するか、あるいは、一方のチームが62点未満になり他方のチームが62点以上になるまで、ディールを続けます。