2004/2/7 赤桐
ロシアや東ヨーロッパでよく知られているゲームです。Tysiachaはロシア語で1000を意味します。
66やベジークやピノクルといったゲームと同じ仲間のゲームです。
ルールはhttp://www.pagat.comによりました。
3人または4人。4人のときにはディーラーはプレイを行いません(ディーラーの反対側のプレイヤーがプレイを休むというやりかたもあります)。
各スートのA、K、Q、J、10、9の24枚のカードを使用します。
次のような点数を取ることがプレイの目的となります。
各カードには以下の点数があります。 トリックで点数のあるカードを取ると、その点数がもらえます。
各A | 11点 |
各10 | 10点 |
各K | 4点 |
各Q | 3点 |
各J | 2点 |
また、同じスートのキングとクイーンが手札にあった時に、宣言すると、次の点数がもらえます。これをマリッジと呼びます。
ハートのマリッジ | 100点 |
ダイアモンドのマリッジ | 80点 |
クラブのマリッジ | 60点 |
スペードのマリッジ | 40点 |
最初の ディーラーは 任意のやり方 で決めます。ディーラーは ディール ごとに左隣のプレイヤーに移ります。
ディーラーは、ディーラーの左隣から時計回りに、1枚ずつ各プレイヤーに7枚のカードを配ります。そのあとテーブル中央に裏向きに残りの3枚のカードを置きます。これをプリクプ(Prikup)と呼びます。
ディールが終わると、ディーラーの左隣から時計回りに1人ずつビッドを行います。
ビッドは、自分が得点するつもりの点数を宣言します。最初にビッドするプレイヤーつまりディーラーの左隣のプレイヤーは必ず100(点)かそれ以上をビッドしなければなりません。
そのあとのプレイヤーはビッドしたくなければパスをすることもできますが、ビッドするならば今までのビッドよりも高い点数をビッドしなければなりません。
ビッドできる点数は5の倍数だけです。つまり、100,105,110,115...などです。手札にマリッジのカードがない場合には、120点を越える点数をビッドすることは禁止されます(カードの点数の合計は120点なので)。
パスをしたプレイヤーは、再びビッドをすることはできません。1人を除いて全員がパスをするまで何順でもビッドは続けられます。
最後にビッドをしたプレイヤーがデクレアラーとなります。
デクレアラーははプリクプ(テーブル中央のカード)の3枚を表向きにして全員に見せたあと、手札に加えます。
デクレアラーは10枚になった手札の中から1枚ずつを他の各プレイヤーに裏向きに渡します。どのカードを誰に渡してもかまいません。渡したカードは手札に加えられます。こうして、各プレイヤーの手札は8枚になります。
そのあと、デクレアラーはビッドの点数をもっと高い点数に変更することができます。この場合も5の倍数にならなければなりません。
カードの交換のあとに、9のカードが4枚手札にあったら、そのプレイヤーはそれを宣言してそのディールを無効にすることができます。この宣言があった場合、プレイは行われず、そのときのディーラーと同じディーラーがカードを配りなおします。
デクレアラーが最初の リード を行って、 トリックテイキングゲーム のプレイを行います。プレイの順序は時計回りです。
各スートのカードの強さの順序は:(強) A 、 10 、 K 、 Q 、 J 、 9 (弱)です。
通常通り、切札が出ていない場合は、リードされたスートの最も強いカードを出したプレイヤーが勝ち、プレイされたカードを取ります。切札が出ている場合は、最も強い切札を出したプレイヤーが勝ちます。 勝ったプレイヤーが次のリードを行ないます。どのカードをリードしてもかまいません。
フォローのルール は次の通りです:
プレイを始めたときには切札はありません。(この場合、リードされたスートのカードがない場合は、どのカードを出してもかまいません。)
トリックに勝ったプレイヤーは、そのとき同じスートのキングとクイーンが手札にあったら、マリッジを宣言してそのキングかクイーンのどちらかをリードすることにより後で得点を得ることができます。そして、このトリック以降、そのマリッジのスートが切札になります。(同じスートのキングとクイーンを持っていても、それまでにそれをプレイしていた場合にはマリッジの宣言をすることはできません。1度に宣言できるマリッジは1つだけです。)
マリッジの宣言があった後でも、トリックに勝ったプレイヤーが同じスートのキングとクイーンを手札に持っていた場合には、それを宣言・リードして、得点獲得と切札の変更ができます。
各プレイヤーは自分の取ったカードの点数を加算し、自分が宣言(してリード)したマリッジの点数を加えます。
デクレアラーは、この点数がビッドの点数以上だった場合には、ビッドの点数を得点します。ビッドの点数より低かった場合には、ビッドの点数がマイナス点となります。
他のプレイヤーは、自分の点数を5の倍数に丸めて得点とします。つまり1の位が 1,2ならば0に切り捨て、3,4ならば5に切り上げ、6,7ならば5に切り捨て、8,9ならば10に切り上げます。
誰かの累計点が1000点に達したらゲーム終了になります。最も累計点の高いプレイヤーが勝者です。
得点を計算して、累計点が880点以上1000点未満になったら、そのプレイヤーはボチカ(Bochka)と呼ばれる状態になります。ボチカのプレイヤーの累計点は880点を超えていても、880点に引き下げられます。ボチカのプレイヤーの累計点(880点)を四角で囲むか、「—●—」というような印を得点欄に書き入れます。
ボチカのプレイヤーは、この後の3ディールの間にデクレアラーになって120点以上を得点すれば、ゲームを終わらせることができます。
ボチカのプレイヤーがデクレアラーになって失敗した場合には、880点から失点を引いたものが新しい累計点となり、ボチカの状態ではなくなります。
デクレアラーにならずに得点したり、デクレアラーとして120点未満の得点だった場合には、この点数は累計点には加算されず、880点のままです。(デクレアラーにならずに120点以上得点しても880点のままです。)
3ディール目でデクレアラーにならなかった場合やデクレアラーになっても120点未満の得失点だった場合には、取った点数に関わりなく、累計点から120点が減点されます。つまり、760点となります。もちろんボチカの状態ではなくなります。
デクレアラーでないプレイヤーがプレイで1点も点数を取れなかった場合、そのプレイヤーの得点欄に0の代わりに横線を書き入れます。そのプレイヤーにとって3度目にこの横線が書き入れられたとき、累計点から120点を減点します。これ以降、横線が書き込まれるたびに120点が減点されます。
点数が2点以下の時(つまりジャックを1枚だけ取った場合)には切り捨てて0点になりますが、切り捨て前には0点でないので横線は書き入れません。
ボチカの状態のプレイヤーは、0点であっても横線は書き入れません。
ビッドしてデクレアラーになったプレイヤーは、カードの交換後にビッドの達成が無理だと思ったら、降伏(Rspisat')を宣言することができます。この場合、そのプレイヤーの得点欄には"R"の文字を書き入れます。他のプレイヤーはそれぞれ60点を得点します。
降伏を行ったとき、最初の2回は累計点に影響しませんが、3回目以降は120点ずつ減点されます。
ボチカの状態のときに降伏することはできません。