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バズシャル(Vazhushal)

2010/6/5 赤桐裕二

 ラミーの一種です。南インドの都市チェンナイ(旧称マドラス)で生まれ、南インドで非常に盛んにプレイされています。名前(VazhushakまたはVazhishal)は「一掃する(wipe)」というような意味です。500ラミーに似ていますが、3人以上では2パックのカードを使用します。

 ルールはJohn McLeod氏のインターネットWWW(http://www.pagat.com/)によりました。


人数

 2人〜6人

カード

 2人プレイのときは、普通の52枚のトランプにジョーカー2枚を加えたものを使います。3人以上のプレイのときには、52枚のトランプ2組にジョーカー4枚を加えたもの(計108枚)を使います。

ディール

 最初のディーラー任意の方法で決めます。次回からは、ディーラーは時計回りに交代します。

 ディーラーは、左隣のプレイヤーから時計回りの順に、1枚ずつ13枚のカードを配ります。

 配ったあと、ディーラーは配り残りのカードを右隣のプレイヤーにカットしてもらい、一番上になったカードを裏向きのままテーブルに置き、その上に残りのカードを置きます。これが山札(stockpile)となります。

 そのあと、プレイヤーは自分の手札を見ますが。3人以上でプレイする場合、同一のカードの組(例えばSS)が3組以上手札にあったとき、そのことを宣言しなけばなりません。同じディーラーでの配り直しとなります。

 次に、ディーラーは山札の一番下のカードを表向きにして、山札の一番下にインデックスが見えるように直角に置きます。これは、ネガティブ・ジョーカー(negative joker)の表示カードとなります。このカードと同じランクで違う色のカードはすべてネガティブ・ジョーカーとなります。例えば、Cが表になったら、HDがネガティブ・ジョーカーとなります。ジョーカーが表向きになった場合には、山札全部を再シャッフルしてカットからやり直します。

 最後に、ディーラーは山札の一番上のカードをその横に表向きに置きます。これは最初の捨て札、つまり捨て札の山(discard line)の最初のカードとして扱われます。

プレイの目的

 プレイの目的は、カードの特定の組み合わせをできるだけ作ることです。2種類の組み合わせがあります。

1.シークエンス(sequence)

 同じスートの3枚以上の続いたカードです。例えば、C10CCとか、HHHHHとかです。

 の下のカードとして、--というようにつながります。また、の上のカードとして--というようにもつながります。しかし、--というようにはつながりません。

2.セット(set)

 同じランクのカードの3枚または4枚の集まりです。例えば、ジャックを3枚とか、を4枚とか、を3枚とかです。ただし、すべて別のスートでなければなりません。HJSJDJはセットになりますが、HJSJSJはセットになりません。

 同じカードを別の組み合わせに使うことはできません。DDDC7、Sとあっても、DDDDCSの2つの組み合わせができているわけではありません。

ワイルドカード

 ジョーカーとネガティブ・ジョーカーはワイルドカード(wild card)となり、どのカードの代わりにでも使うことができます。例えばHのカードがワイルドカードであるなら、CQHCACQCKCAというシークエンスになります。もちろんセットを作るときにも使えます。ワイルドカードは何枚でも使うことができます。

ピュア・シークエンス(pure sequence)

 ワイルドカードを使わないシークエンスのことです。ネガティブ・ジョーカーを使った場合でも、本来のカードとして使った場合には、ピュア・シークエンスになります。

メルド

 シークエンスやセットをテーブルに表向きに出すと、メルド(Meld)となります。メルドには次の制約があります。

 1.少なくとも1組のピュア・シークエンスを含まなければなりません。つまり、ピュア・シークエンスをメルドしてから、あるいは同時に、他のシークエンスやセットをメルドしなければなりません(メルドを出すことをメルドすると言います。)

 2.1人のプレイヤーが同一のメルドを2つ作ることはできません。例えばDDDDDDのシークエンスを作ることはできません。DDDDジョーカーDのシークセンスを作ることもできません。全く同じカードによるセットもだめです。

 3.ジョーカー(ネガティブ・ジョーカーではないもの)だけでメルド(シークエンスやセット)を作ることはできません。

レイオフ

 メルドにカードを付け加えることもできます。これをレイオフ(Lay Off)と呼びます。もちろん、付け加えてもメルドとして認められるシークエンスやセットになっていることが条件です。

 このゲームでは、自分のメルドにしかレイオフできません。

並べ替え

 メルドになっているカードをメルドの間で自由に移動することができます。これを並べ替え(rearranging melds)と呼びます。もちろん、移動してもすべてのメルドが正しいシークエンスやセットになっていなければなりません。

 メルドのカードを手札に戻すことはできません。

プレイ

 ディーラーの左隣から時計回りの順に次のようなプレイを行います。

 )山札または捨て札の山からカードを取ります。山札から取るときは一番上のカードを1枚取ります。捨て札の山から取るときは、一番上のカードだけでなく、もっと下のカードを取ることもできます。捨て札の山のカードを取るためには、あとで述べる制約があります。

 )次に、メルド、レイオフ、および並べ替えをすることができます。これらは、どれをどれだけ行ってもかまいませんし、全く行わなくてもかまいません。

 )自分の手札から1枚のカードを捨て札します。捨て札するときには、捨て札の山の上に表向きに置きますが、下の全部のカードのインデックスが見えるように、少しずつずらしながら置きます。

捨て札の山からカードを取る場合

 捨て札の山のカードを取るためには、次のような制限や義務があります。

  1. 目的のカードだけでなく、それより上のカードはすべて取らなければなりません。
  2. 目的のカード(取ったカードの束の一番下のカード)を使って新しいメルドを作らなければなりません。

 ただし、取ったカードの束の上の方のカードも使ってメルドやレイオフしてよいので、極端な例では、Cが目的のカードで、その上の方に他のが2枚捨ててあれば、手札にが1枚もなくても、Cを取って3枚のメルドを作ることができます。

 まだピュア・シークエンスを含む最初のメルドを行っていないプレイヤーでも、次のいずれかの場合に、捨て札の山からカードを取ることができます。

  1. 目的のカード(取ったカードの束の一番下のカード)を使って、ピュア・シークエンスを作ることができる。
  2. カードを取る前に、ピュア・シークエンスを含むメルドを行い、そのあと(同じ番で)、通常の条件のもとで(つまりそれを使って新しいメルドを作る条件で)、捨て札の山からカードを取ってメルドする。(カードを取る前にメルドを行うことができるのは、この場合だけです。)

ワイルドカードが最初の捨て札だった場合

 ディーラーが表向きにした最初の捨て札がワイルドカードだった場合に限り、そのワイルドカードは、既にメルドを作っているプレイヤーなら誰でも、自分の番のときに、それを使って新しいメルドを作る義務なしに、取ることができます。あるいはカードを取る前に、ピュア・シークエンスを含むメルドを行ってから、取ることもできます。

 もちろん、それがネガティブ・ジョーカーだった場合には、本来のカードとして、ピュア・シークエンスを作るために取ることもできます。

上がり(Going Out)

 手札からカードを捨てたときに、手札が1枚もなかったら上がりとなり、プレイ終了です。(全部の手札をメルドしないで、捨て札の1枚を残しておかなければなりません。)

 上がったプレイヤーが勝者となります。点数の計算は行いません。

山札がなくなったとき

 最後の山札を取ったプレイヤーが上がらなかった場合にも、プレイは終了します。そのあと、全プレイヤーは、メルド、レイオフ、並べ替えを行うことができます。それが終わると次のように計算を行います。

 それが終わると、自分のメルドしたカードの点数を合計し、手札のカードの点数の合計をそれから引きます。その点数の最も大きいプレイヤーが勝者となります。最も点数の高いプレイヤーが同点の場合は、勝者なしです。

 カードの点数は次のようになります:

ワイルドカード以外の10その数字の点数
ワイルドカード以外のJQKA10点
ワイルドカードメルドの時、それが表わしているカードの点数。
手札の時、ジョーカーは0点、ネガティブ・ジョーカーは本来のカードの点数。

ゲーム

 1人のプレイヤーが決められた数の勝利を収めるまで、ゲームが続きます。普通は、誰かが5勝するまでです。


 以下のルールは不明でしたので、推測で書きました。