2006/3/4 赤桐
ベルギーでプレイされているゲームです。
トリックテイキングゲームですが、その中で「ソロゲーム」と呼ばれる種類のものです。
ルールは John McLeod氏のホームページ(http://www.pagat.com/)によりました。
4人
通常の52枚のカード。順位は(強)A、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2(弱)
最初のディーラーは任意の方法で決めます。ディーラーは1ディールごとに左隣に移ります。
カードはゲームを始めるときにしかシャッフルしません。2回目からのディールでは、前回プレイしたカードを集めて右隣のプレイヤーにカットしてもらってから配ります。
ディーラーは左隣のプレイヤーから配り始め、4枚ずつまとめて各プレイヤーに2回配ったあと5枚ずつまとめて配ります。
ただし、ディーラーに最後に配るカードは4枚として、52枚目のカードは表向きにテーブル中央に出します。このカードは切札の候補となるカードですが、ディーラーの手札の一部でもあるので、プレイが始まったらディーラーはそれを手札の中に入れます。
ディーラーの左隣のプレイヤーから時計回りにビッドを行ないます。ビッドは何巡でも行われますが、誰かがビッドを始めた後は、今までのビッドより高位のビッドしかできません(例外あり)。
ビッドをしたくなければパスをしますが、一度パスをすればそれ以後はビッドに参加できません。
ビッドに成功したプレイヤーはビッダーと呼ばれます。
ビッドの種類は低いものから順に次の通りです。
フラーフ("Ik vrarg")は他のプレイヤーの誰かと共同で8トリック以上取るというビッドです。切札は切札候補カードのスートになります。
フラークのビッドの後にビッドするプレイヤーはメーハーン("Ik gemee")と言って、フラークをビッドしたプレイヤーのパートナーになることをビッドできます。(もちろん他のビッドをしてもかまいません)。
パスをしているプレイヤーはメーハーンをビッドすることもできませんが、例外として、ディーラーの左隣のプレイヤーだけは、最初のビッドのときにパスかわりに「ワヒテン(Wachten)」とビッドしておけば、後でメーハーンをビッドすることができます。ワヒテンのビッドをしたプレイヤーは後でメーハーン以外のビッドをすることはできません。
フラーフのビッドの後他の全員がパスをした場合は、フラーフのプレイヤーは他のビッドを行なうことができます。
1人でプレイして1トリックだけ取るというビッドです。切札はありません。
切札候補カードのスートを切札にして、5トリック以上取るというビッドです。フラーフをビッドして誰もメーハーンしなかったときにフラーフをビッドしたプレイヤーがソロをビッドできます。それ以外の場合にはソロはビッドできません。
9トリック以上取るというビッドです。切札のスートはビッダーが自由に決めることができます。(切札候補カードのスートを切札にしてもかまいません。切札スートの指定はビッドが終わってから行ないます。)
9トリック以上取るというビッドです。ただし、切札指定カードのスートを切札にします。このビッドはアフォンダンスのビッドがあったときだけ行なえます。
1トリックも取らないというビッドです。切札はありません。
このビッドをするプレイヤーは少なくとも3枚のエースを持っていなければなりません。パートナーといっしょに8トリック以上取るという宣言です。
エースを3枚持っている場合、パートナーは残りの1枚のエースを持っているプレイヤーになります。その1枚のエースのスートが切札になります。
エースを4枚持っている場合、ビッダーの持っていない最も高位のハートのカードを持っているプレイヤーがパートナーになります。切札はハートになります。
切札なしで1トリックも取らないという宣言です。1トリック目のプレイが終わった後に手札全部をテーブルに表向きに置き、他のプレイヤーに見せながらプレイしなければなりません。
1人で13トリック全部取るという宣言です。切札のスートはビッドが終わってからビッダーが自由に決めることができます。
ピコ、ミゼリー、ミゼリー・オプ・タフェルのビッドがあった場合は、後のプレイヤーはそれと同じビッドをすることができます。何人か同じビッドをして、それより強いビッドがなかった場合には、同じビッドをしたプレイヤーたちはそれぞれビッダーとなって、それぞれが別々に同時にプレイすることになります。
3枚以上のエースを持っているプレイヤーは最初のビッドのときに必ずトルールをビッドしなければなりません。なお、既にそれより高位のビッドがあった場合でもトルールを宣言しなければなりません(ビッドとしては無効ですが)。
フラーフとメーハーンがあってそれより強いビッドがなければ、その2人がビッダーのチームとなって、他のプレイヤーと対戦します。他のビッドの場合は、最も強いビッドを行ったプレイヤーがビッダーになります(トルールの場合はそのパートナーもビッダーの仲間です)。
全員がパスをしたり、フラーフに対して誰もメーハーンせず他のビッドも行なわれなかった場合、そのディールは流れとなりプレイされません。同じディーラーが新しいディールを始めます。
プレイの前に、ディーラーは切札候補カードを自分の手札の中に入れます。
アフォンダンスやソロ・スリムの場合は、切札のスートをビッダーが宣言します。切札候補カードのスートを含めて、どのスートを宣言してもかまいません。
トルール及びソロ・スリム以外の場合には、ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードをします。
トルールの場合には、3枚エースのトルールの時には、残りのエースを持っているプレイヤーが最初のリードとしてそのエースをプレイします(そのエースのスートが切札になります)。4枚エースを持っている場合には、ビッダーは自分の持っていない最も高位のハートは何であるかを宣言し、そのハートを持っているプレイヤーが最初のリードとしてそのハートをプレイします。
ソロ・スリムの場合には、ビッダーが最初のリードを行います。
プレイの仕方はコントラクトブリッジなどとまったく同じです。つまり:
このゲームでは各ディールが独立したゲームになっていて、ディールが終わるごとに清算します(もちろん、紙に書いておいてもかまいません)。
各ビッドによって、次の表のように点数が決まっています。
基本点 | オーバートリック/アンダートリック | ||
フラーフ&メーハーン | 1 | 1 | |
ピコ | 6 | なし | |
ソロ | 1 | 1 | |
アフォンダンス | 8 | なし | |
アフォンダンス・イン・トルーフ | 8 | なし | |
ミゼリー | 10 | なし | |
トルール | 2 | 2 | |
ミゼリー・オプ・タフェル | 16 | なし | |
ソロ・スリム | 24 | なし |
オーバートリックの点数はビッドで必要なトリック数以上に取った場合、余分な1トリックにつきもらえる点数です。
例えば、トルールのビッド(8トリック必要)で10トリック取った場合は、2トリック余分にとったので、オーバートリックで4点(2 x 2)もらえ、基本点の2点と合せて6点になります。
アンダートリックの点数はビッドを達成できなかった時にかかわってくる点数です。必要なトリックに1トリック少ないごとにこの点数がつきます(つまり必ず1以上がつきます)。
例えば、ソロのビッド(5トリック必要)で4トリックしか取れなかったら、1トリックのアンダートリックになり、点数は1+1の2点となります。
ビッダーはこの点数を、ビッドに成功したときは受け取り、ビッドに失敗したときには支払うことになります。
フラーフ&メーハーン、ソロ、トルールで全トリック取った場合は、オーバートリックの点数も含めて、得点が倍になります。
1人でプレイした場合には、ビッダーは成功した場合にはその点数を他の3人から受取り、失敗した場合は3人に支払います。
例えば、ソロで5トリックとって成功して1点の場合には、他の各プレイヤーから1点ずつもらいます。つまりビッダーは3点を得ます。ソロで3トリックで失敗して3点の場合は、他の各プレイヤーに3点ずつ支払います。つまりビッダーは9点を失います。
フラーフ&メーハーンやトルールの場合は、それぞれのプレイヤーが相手の2人との間で受取りまたは支払いを行ないます。
例えば、フラーフ&メーハーンで8トリックで成功して1点の場合は、各ビッダーがそれぞれ相手側の各プレイヤーから1点ずつもらいます。つまり各ビッダーは2点ずつ得点を得ます。逆にフラーフ&メーハーンで7トリックで失敗して2点の場合には、各ビッダーがそれぞれ相手側の各プレイヤーに2点ずつ支払います。つまり各ビッダーは4点ずつ失点します。
2人以上がピコ、ミゼリー、ミゼリー・オプ・タフェルをビッドしてプレイした場合には、それぞれが1人でプレイしているものと考え、別々に精算します。
2004年3月4日になかよし村でプレイしました。ゲーム内容は普通に面白いという感じです。イギリスのソロホイストというゲームとよく似ていますが、このほうがやや複雑です。しかし、カードをシャッフルしないというルールは独特で、大きなビッドができやすくなっています。