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カドリーユ(Quadrille)

2014/3/1 赤桐

オンブルを4人ゲームにしたものとして、18世紀始めにフランスで生まれ、19世紀まで富裕層の女性を中心にヨーロッパ中で人気のゲームでした。 現在ではプレイされていませんが、ボストンソロ・ホイストの祖先となっています。


プレイヤー

4人。

カード

スート1098のカードを除いた40枚のカードを使います。

切札以外のスートでは、カードの強さの順位は次のようになります(強いもの順)。

切札では次のようになります。

  1. スペードAは常に最も強い切札になります。スパディーユ(Spadille)と呼びます。
  2. 2番目に強い切札は、切札のスートの中で、普通ならば最も弱いカードになります。 つまりスペードやクラブでは2のカード、ハートやダイヤモンドでは7のカードです。 これをマニーユ(Manille)と呼びます。
  3. クラブAが常に3番目に強い切札になります。バスタ(Basta)と呼びます。
  4. ハートかダイアモンドが切札の場合は、そのスートのA(エース)が4番目に強い切札になります。これをプント(Punto)と呼びます。

最も強い切札3枚(スパディーユ、マニーユ、バスタ)をまとめてマタドール(Matador)と呼びます。

切札のカードの強さをまとめると次のようになります。

カウンター

各プレイヤーはカウンターを同じ点数分だけ持ちます。

また、テーブルにカウンターを入れるための入れ物を置きます。これをプールと呼びます。

ディール

最初のディーラー任意の方法で選びます。

各プレイヤーは各ディールの前にプールに1ポイントずつ置きます。

ディーラーは、ディーラーの右隣から反時計回りに、まとめて3枚-3枚-4枚と配ります。 あるいは、4枚-3枚-3枚、3枚-4枚-3枚と配る流儀もあります。

ビッド

ディールが終わると、ディーラーの右隣から反時計回りにビッドを行います。

コントラクト

ビッドは次のどれかを宣言します。弱いビッドから順に挙げると次のようになります。

  1. アリアンス(Alliance):特定のキングの持ち主をパートナーにすることができます。パートナーと2人で6トリック以上取ることを目的とします。
  2. ソロ(Solo):1人で6トリック以上取ることを目的とします。
  3. ボル(Vole):1人で全トリック取ることを目的とします。

ビッドのやり方

ビッドの時には席による優先順位があります。ディーラーの右隣が最も優先順位が高く、反時計回りの順に下がっていきます。

ビッドでは上記のいずれかのコントラクトを宣言します。 優先順位の低いプレイヤーは優先順位の高いプレイヤーより強いコントラクトをビッドしなければなりませんが、優先順位の高いプレイヤーは優先順位の低いプレイヤーと同じコントラクトを宣言することができます。

なお、ボルはプレイの途中でも宣言できるので、ビッドに勝つために必要な場合以外は、ビッドで宣言する必要はありません。

ビッドしたくなければパスを宣言します。1度パスをするともうビッドには参加できませんが、パスをしない限り何度でもビッドできます。最後にビッドしたプレイヤーがオンブル(Homble)になります。

全員がパスした場合には、スパディーユを持っているプレイヤーがオンブルになって、アリアンスのプレイを行います。これは「強制されたスパディーユ」と呼ばれます。

切札の指定

ビッドが終わると、オンブルは切札にするスートを指定します。

パートナーの指名

アリアンスのコントラクトの時には、オンブルは自分の持っていない切札以外のキングの1つを指定します。 例えば「ハートのキング」というようにです。 全部のキングを自分が持っている時は、クイーンを指定します。

指定されたカードを持っているプレイヤーはオンブルのパートナーになります。 しかしこのプレイヤーは、指定されたキングを出すなどで自然にそれがわかるまで、パートナーであることを公表してはいけません。

プレイ

プレイは反時計回りに行われ、通常のトリックテイキングゲームのルールに従います。 最初のリードはディーラーの右隣のプレイヤーが行います。

プレイヤーはリードされたスートのカードが手札にあれば、そのスートのカードを出さなければなりませんが、なければどのカードを出してもかまいません。

ただし、切札がリードされた時、マタドールの切札(スパディーユ、マニーユ、バスタ)しかない場合には、切札を出さずに他のスートを出すことができます。 この場合の例外として、持っているマタドールより強いマタドールをリードされた場合には、出さなければなりません(リードされた場合だけです)。

ボル

オンブルが最初の6トリックを続けて勝つことをプレミエ(Premiers)と呼びます。 このとき、プレイを終了することができます。そうしないでプレイを続けたら、ボルの宣言を行ったことになります。

アリアンスのコントラクトの時には、オンブルのチームで全トリックを取ればボルになります。 最初の6トリックをこのチームで取った場合はプレミエとなり、次にリードを行うプレイヤーは自分でプレイを終了することができます。 あるいはパートナーに続けていいかどうか聞くことができます。 パートナーは、聞かれた時に、続けるか続けないかを決定します。 なお、続けるかどうかという以外の会話をしてはいけません。 この時、初めてオンブルのパートナーが誰かわかることがあります。 また、パートナーが誰か判明していなければ、オンブルのパートナーが1トリック以上取っていて、オンブルと2人で最初の6トリックを取った場合、パートナー自身がそれを明らかにする必要があります。

強制されたスパディーユの時は、プレミエがあればプレイを終了します。

成功時の得点

オンブルまたはオンブルのチームが6トリック以上を取った時は、次のような得点となります。ボルに失敗した場合も、6トリック以上取っていれば、得点することができます。

プールの得点

オンブルがプールにあるポイントを全部もらいます。アリアンスの時は半分ずつ分けます。

ボルのプールの得点

ボルのコントラクトまたはプレイ途中のボルの宣言があった時は、オンブルを含む全員が3ポイントずつポイントを出して、通常のプールとは別のプール(ボルのプール)を作ります。

ボルに成功した時は、オンブルがこれを全部取ります。アリアンスの時は半分ずつ分けます。

ボルに失敗した時は、これをオンブル(のチーム)以外のプレイヤーで分けて取ります。

ボーナス点

オンブルは次の点数を他の各プレイヤーからもらいます。アリアンスの時には、パートナーのそれぞれが、それ以外の1人のプレイヤーからもらいます。

ここで記すユニットとは、その時のプールの総額の1/4のことです。

ボーナス名 説明 ポイント数
マタドール オンブル(のチーム)がマタドールの3枚全部を持っている時 1ユニット
ダブル・マタドール 上記にプントが加わった時 2ユニット
プレミエ 最初の6トリックをオンブル(のチーム)が取った時 1ユニット
ボル 全トリックをオンブル(のチーム)が取った時 2ユニット

ダブル・マタドールがあるときは、マタドールの1ユニットは貰えません。

ボルに失敗した時は、オンブル(のチーム)が上記ユニット数を逆に支払います。

プレミエはボルの成功・失敗に関わりなくもらえます。ボルのコントラクトの時にプレミエにも失敗した場合でも、罰点はありません(もちろん得点もできません)。

失敗時の失点

失敗時にはアリアンスの時でも、オンブル1人だけが支払を行います。ただし、強制されたスパディーユでは、パートナーと2人で半分ずつ支払いをします。

レミス

オンブル(のチーム)が5トリックを取った場合、レミス(Remise)と呼ばれます。プールにあるポイントと同額をプールに支払います。

コディーユ

オンブル(のチーム)が4トリック以下しか取れなかった時は、コディーユ(Codille)と呼ばれます。 オンブル(のチーム)以外のプレイヤーは、プールを分け合って取ります。 割り切れないものはプールに残します。

オンブル(および強制されたスパディーユのパートナー)は、取られる前のプールの2倍の額になるように、プールにポイントを支払います。

ボーナス

マタドールまたはダブル・マタドールがオンブル(のチーム)にあった場合には、1ユニットまたは2ユニットを相手側に支払います。 ユニットはこのディール開始時のプールの1/4です。

ボルに失敗した場合も、2ユニットを相手側に支払います。


2014年3月1日、 なかよし村でプレイしました。面白く遊べました。